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夫がいない

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多系統萎縮症の夫は、余命よりも長く幸せに生き、今春旅立ちました。過酷だったけれども、楽しかった日々と、突然の別れから、前を向いて立ち直るまでの道のりを書いています。ほぼ毎日更新。…
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#エッセイ

無責任やり逃げ男と年取る女

住んでいるところから、車で2時間の夫の実家。 その近くに、以前から父が用意したお墓があり、そこに入る流れになってきた。 今回、私の意思とはやたら関係なく、いろんな物事が猛スピードで進んでいく。 お墓もそう。 夫に以前、「死んだら、骨はどうしたい?」と聞く機会があって それもたまたま、2ヶ月くらい前に。 病気の夫にそんなことを聞くのはどうかと思うけれど、ふと思って、聞いてみた。 「庭に撒いてほしい」と、夫は即答した。 そうなのかぁ、家にやっぱりいたいのかぁと、その時の私は

コンビニと犬とマイナンバー

今朝は少しスッキリした気持ちがした。 私の中で少しずつ、夫がいなくなったことが理解できているのかな、と思った。 今日は、この間切ったばかりの短い髪をどうしても切りたかったから、昨日予約した初めての美容室へ午後イチに行く予定がある。 あとは 社会保険事務所へ不足の書類を再提出すること。 あれこれ考えながらぼーっと化粧をしていたら、保険会社の人が来て、 書類一式をくれた。 死亡届に、私の証明になるものを添付して返送するそうだ。 コピー機はとうに捨てたので、コンビニまで行かな