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夫がいない

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多系統萎縮症の夫は、余命よりも長く幸せに生き、今春旅立ちました。過酷だったけれども、楽しかった日々と、突然の別れから、前を向いて立ち直るまでの道のりを書いています。ほぼ毎日更新。…
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#介護

飛び去る時間とクロワッサン

日々時間に追われている。 気がつけば昼になり、あっという間に夜になる。 1日でやることが目白押しなため、早朝に起きている、 けれどもそれでも追われている感。なんだこれ。 介護も終わり、自由な時間なはずなのに、全くもって忙しい。 介護中は、座る時間も持てないことも多かったから、介護がごっそり無くなった今、余裕があって当然なのに、ない! どうしてだろう、同じ24時間なのに、何が変わってしまったんだろう。 行動の合間に夫のことを考えている、ついぼんやりしてしまっている自分に、気

掃除機に恋をした

毎日1記事書こう、と思いながら、3日が経った。 時間に追われていたのもあったし、自分の気持ちと向き合う時間を、あえて作らない感じで、現実逃避していたようだ。 やはりこんな時、私のような口で吐き出せないタイプは、溜まってくる。 心にズンズン溜まって、もっとつらくなってくる。 書きたい!書かずにはいられない!という気持ちが湧き上がっている時は 心の許容量を越え、ダダ漏れしたものがあふれ出て、限界点を超えてしまっているようだ。 元々、自分の弱みや愚痴を吐けるタイプではない。 愚

無責任やり逃げ男と年取る女

住んでいるところから、車で2時間の夫の実家。 その近くに、以前から父が用意したお墓があり、そこに入る流れになってきた。 今回、私の意思とはやたら関係なく、いろんな物事が猛スピードで進んでいく。 お墓もそう。 夫に以前、「死んだら、骨はどうしたい?」と聞く機会があって それもたまたま、2ヶ月くらい前に。 病気の夫にそんなことを聞くのはどうかと思うけれど、ふと思って、聞いてみた。 「庭に撒いてほしい」と、夫は即答した。 そうなのかぁ、家にやっぱりいたいのかぁと、その時の私は

いつもと同じ日常すっかり変わった日常

昨日から母が来てくれて、ようやく寂しくなくなった。 午後からは、育休中のお嫁さんが孫を連れてきてくれたので、またさらに楽しい時間を過ごせた。 亡くなって以来、初めてスーパーにも行った。 やはり、ココも普段通り。 いつもと同じスーパーで、いつも通りな時間が過ぎていく。 夫がいなくても変わらない日常。 ポカンと空いた私の毎日は、すっかり変わってしまったのに。 込み上げてくるのは悲しみもだけれど 怒りがたくさん。 私を置いて、勝手に先に行ってしまったことへの、怒り。 本人もあまり

水分は重要だ

昨日の朝のすっきり気分はどこへやら 暗いドヨンとした気分で、早朝4時過ぎに目が覚める。 どうせこの後眠れないので、起きる。 ココのところ、べったりな犬はまだ寝たらいいのに、一緒に起きてくる。 犬は犬なりに感じることがあるんだろう。 大きな環境の変化に気づいているのか、より一層べったりになってきている。 まだ暗く寒い中起きる。 家中の窓を開けて、空気を入れ替える。 これまでも、これからも続く、朝イチの日課。 その後、体重を測って、着替えて、白湯を飲む。 夫が亡くなって、直後

コンビニと犬とマイナンバー

今朝は少しスッキリした気持ちがした。 私の中で少しずつ、夫がいなくなったことが理解できているのかな、と思った。 今日は、この間切ったばかりの短い髪をどうしても切りたかったから、昨日予約した初めての美容室へ午後イチに行く予定がある。 あとは 社会保険事務所へ不足の書類を再提出すること。 あれこれ考えながらぼーっと化粧をしていたら、保険会社の人が来て、 書類一式をくれた。 死亡届に、私の証明になるものを添付して返送するそうだ。 コピー機はとうに捨てたので、コンビニまで行かな