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手軽さと有益さと副作用

先日、初めてシーシャを吸う機会に恵まれた。
シロップを含むたばこの葉を加熱して発生した煙をさらに水に通して冷却とフィルタリングすることでマイルドな煙を吸える。シロップに香料などを加えて新しい味を作るのも簡単だそうで、なるほど堀りがいのある趣味かもしれない。
ところで、どうも本場の方では乾燥した煙草の葉は違法であるらしい。なぜ違法なのかの理由はハッキリと調べられなかったが、何となく推測することはできる。

乾燥したタバコの葉がもたらすものは紙巻きタバコの発明であり、紙巻きタバコがもたらしたものは手軽さである。
紙巻きタバコによってタバコの保存性、可搬性、使用の即時性が高まり、手軽なものとなった。
ここで注目したいのは、手軽さは効用あるいは副作用を増幅するということだ。

航空機、ドローンなどは厳しくなるばかりだし、モビリティでも開放されつつも厳しくなっていく一方である。
ある種の創作活動はある国や地方では違法であり、厳しい検閲と厳罰がある。これはテクノロジーによって情報の拡散が容易になったからである。
これはテクノロジーによって製品が手軽さの壁を超えた途端に副作用が顕在化したということだろう。

わたしの関心事である3Dプリントに関してはどうだろう?
ここ3年ほどで各種のセンシング技術や新しい技法のおかげで、ずいぶんと手軽なマシンが増え、造形時間も短くなり、そして価格は下がり続けている。
3DCADなどの3Dデータ作成の面では、FreeCADはVersion1.0に到達しようとしており、完全に無料の実用的な3DCADが現実になる日は近い。
FreeCAD: Your own 3D parametric modeler
本当に手軽になりそうである。素晴らしいことだ。

では副作用の面はどうか?
なんでもそうだけれど人数が増えると、倫理観や知度を知らない勘の悪い人間というのが増える。
製造者責任という言葉も知らない人間の作った物でケガをする事案や、用法を守らず使った結果による事故も増えるだろう。
ちなみに、たぶんこの文章を読む人はトップランナー10%ぐらいの人か、そこに近づこうとする人たちだろうから、あまり心配はしていない。

3Dプリントの有益さと手軽さは、手軽さから発生する副作用に、この先耐えられるだろうか?
私は不安を感じながらも耐えられると思いたい。というか、耐えさせたいと思う。

人間には創造の自由がある。
人間は創造する動物である。
私は人間賛歌を歌いたい。

記事をサポートしていただくと、一層のやる気と遊び心を発揮して新しい記事をすぐに書いたり、3Dプリントを購入してレビューしたりしちゃうかもしれません。