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韓国フッ化水素の対日輸入74%減もサムスンは増益?-- 輸出管理強化前のフッ化水素はどこへ?

NO JAPANで盛り上がっていたのに日本からの輸入量が増加していた記事で韓国世論が騒いでいたのに、フッ化水素の輸入量が2019年より74%も急減していたという記事。

それと、フッ化水素の主な使用目的である半導体製造に関する記事。

未だに高密度の半導体を製造するためには日本の高純度フッ化水素が必要だが、それはまともに輸出管理強化の手続きに則って書類を出して許可を受けているので、それによってサムスンは増益になっているということになりますね。

売上高だと、2017年(239兆5754億)、2018年(243兆7714億)、2019年(230兆4008億)で、2020年が236兆8070億ウォンだから、ほぼ同じ程度になりますね。出荷単価は17年のスーパー好景気からやや下がったものの、2019年よりやや上昇ぐらい。とすると、生産量もそれほど極端に減っているとは思えません。

その生産量に見合うだけの輸入量が2019年の74%減。

輸出管理強化は報復ではない

日本の輸出管理強化が始まったのが2019年8月。強化された輸出手続きに混乱があったものの、その後は手続きを経て輸出されていたはずです。ほとんどニュースになってなかったし。

タイミング的に韓国の慰安婦合意放置や照準レーダー照射事件による日本側の報復ととられるものでしたし、実際に韓国はそのように受け止めて"報復"と騒いでいましたね。

しかし、首尾一貫して日本側は「軍用に転換できる輸出管理品の手続き強化」と言っていました。

日本と韓国は軍事同盟は結んでいませんが、アメリカを挟んで三角軍事同盟的なポジションに居ますし、一応は自由主義側の国なので「韓国に軍事転換可能な素材を横流しする疑惑があるというのは言いがかり」と強硬な態度でした。

まぁ、その後、韓国内で大量のフッ化水素が行方不明になったり、百数十件の違法輸出が確認されたりして、当時は北朝鮮へ横流ししたのだろうという憶測がほとんどでした。

建前上、北と休戦中の韓国が、同盟国であるアメリカ主導の経済制裁に違反して北へ核兵器開発に使える規制品を横流ししたとなると、とんでもないスキャンダルになりますので、韓国も絶対に認めませんから平行線です。ですが、日本の対応を解除できる証拠が出せない以上、輸出管理強化に従わざるを得なかった、と。

イランへ横流しの疑惑の方が現実的

ただ、本当に北へ横流ししてたんだろうか?って話は当時からもありました。

フッ化水素を日本だけしか作れないならまだしも、核開発に必要な純度のフッ化水素なら韓国でも北でも作れます。ただ、大量に作るにはそれなりの設備も技術もいります。保管や運搬も面倒ですし。

それなら監視も厳しい北へ日本産のフッ化水素を横流しするよりも、北に技術や設備や資金を横流しして北に生産設備を作らせる方が安全だし簡単。

あ、ちなみに韓国は北朝鮮が核を持つことを決して否定してないと思ってます。特に文政権は統一が最大の目標ですから、統一朝鮮に核があることを夢見てたって不思議ではない。非核化よりも終戦、統一を急ごうとするのは、アメリカに北の核を放棄させられ製造を禁止されたら困るから…でもある。

そうすると、韓国内で消費する以上の大量のフッ化水素はどこに行ったのか?…となると、同じくアメリカの経済制裁で苦境に立っていたイランと見るのが妥当でしょう。

2010年頃から、ドルの制限を回避するためにイランの原油代金を韓国内の銀行口座にプールして、韓国からイランへ輸出する品代をそこから決算するようにしていました。と言っても、韓国からイランへ輸出できるモノってそんなにないんですよね。自動車や医薬品ぐらい?一方的に韓国の口座に金が貯まり続けた。

そして2019年8月に日本の輸出管理強化。そして2019年9月には韓国内口座の名義人であるイラン中央銀行がアメリカから制裁レベルを引き上げられたため、口座の運用を停止、口座に入っていたとされる約70億ドルが凍結された。

2010年頃から細々と行われていた横流しが、2019年に一気に大量の横流しをやって日米にバレて、日本がモノを、アメリカが金を止めたと考えると、その流れは実にわかりやすい。それはなぜか?

アメリカがイランの原油禁輸措置を再発動した後、2018年末に韓国とイランが、輸出した原油の代金を物品で受け取る取引で合意したけれど、その仕組みがどうやってアメリカの禁輸措置を回避できていたのかわかりません。

困窮しているイランに韓国が上手いことしか言わずに丸め込んだと見るのが妥当でしょう。なにせ、世界的に詐欺犯罪が異常に多い国ですし。

となると、スムーズに物々交換ができるモノとしてイランが求めたのが、軍事転用可能な規制品である、高品質な日本産の低純度フッ化水素だったとしたら…。そのために韓国が大量のフッ化水素を日本から輸入したとしたら…。

2019年後半~2020年、日本産のフッ化水素が韓国内で消費できる分しか入らなくなり、低純度フッ化水素は国産に切り替えながらなんとか保っていたとしても、イランが求める高品質の低純度フッ化水素はなかなか送れず、その結果、イランが韓国内銀行口座の金を引き上げると騒ぎ始めたのは、たしか2020年の夏頃。イランのイライラが頂点になった頃かもしれませんね。

イランによる韓国籍ケミカルタンカー拿捕は、単純な口座の金だけでなく、裏側にそんな事情も隠れているとしたら、当初、思われていたよりもずっと長い時間がかかるかもしれません。あるいは、急に出てきた、イランのウラン濃縮20%以上のニュースがその後すぐに出てきたのは偶然でしょうか。

※時間経緯や事実については、勘違いが多いかもしれません。
 その点、ご容赦を。

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