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韓国、加徳島新空港建設に懸念を表明した国土交通部を文大統領が公の演説で叱責 -- 選挙対策の公約を邪魔するものは全て抵抗勢力である

ソウル市長選と並んで、大統領および政権与党の成績表と見られている釜山市長選。与野党ともに公約の大きな目玉として一気に焦点になった加徳島新空港建設事業について、釜山に乗り込んだ文大統領が演説で、懸念表明して反対意見を国会に提出した国土交通部を名指しで非難する場面がありました。

ムン・ジェイン大統領は25日、国土交通省が加徳新空港に反対する内容の報告書を国会に提出したことと関連しビョンチャンフム国土部長官を公開非難した。

ドア大統領はこの日、加徳島近隣の海上で新空港予定地を視察した後、「加徳新空港は、企画財政部から複数の省庁が協力しなければだろうが、国土部の役割意志」を持たなければならない」とし「2030年以前に完成させるにはスピードが必要である。国土部責任ある姿勢を持たなければならない」と述べた。ドア大統領は続いて「(新空港建設のための)事業の方向が変わって、国土部実務の困惑がある」とし「困惑を十分に理解し、国土部の意志を持たなければ円滑な事業進行が容易ではないことがある」と指摘した。

釜山市長補欠選挙に大統領、与党が終結

当初、ソウル市長補欠選ほど注目されていなかった釜山市長補欠選挙ですが、野党が加徳島新空港建設、はては日韓トンネルまで持ち出して大騒ぎしていた結果、与野党というか進歩派、保守派の意地の争いみたいになってきています。

住宅問題という喫緊で大きな注目点のあったソウル市長選と比べると、釜山に限らずどこの地方でも経済が大きなダメージを受けて雇用が消失、仕事を求めて首都圏に移住する人が多いし、出生率も最悪。自治体が消えるかも…という危機感を抱いている。そんな地方の大都市、釜山の場合、公約に掲げる風呂敷も自ずとでかくなるものです。

問題の多い加徳島新空港建設事業

ドア大統領が問題視したのは、国土海洋部は今月初め、国会国土交通委員会に提出した報告書である。

国土部は「加徳空港報告」文書で加徳新空港を技術的な側面で問題サムアトゴ、特別法には、法的、手続的理由を挙げ反対した。4月補欠選を控えて、釜山世論の動向に直結されている加徳島空港の建設を推進している政府と与党の動きに歯止めをかける内容だ。

国土部は先に「国際線のみ外郭に移転した東京、モントリオールなどの空港が運営の失敗、結局統合運営に転換した」とし、国際線のみ加徳新空港に誘致して国内線機能は、既存の金海空港が行うという釜山市の計画を批判した。工事の過程でも「加徳島が外海(外海)に位置して海上埋め立て工事万6年以上の難工事が予想される」とし、立地にも「嶺南圏のほとんどの地域で金海新空港よりアクセスが落ちる」と指摘した。

国土部はこのような問題点を指摘し、「手続き上の問題を認知した状況で、加徳新空港特別法に反対していないのは、職務遺棄(刑法122条違反)に該当することができる」とし「2016年前の妥当性を介して加徳新空港の問題を認知した状況で、特別法受け入れ時公務員としての誠実義務違反(国家公務員法56条)恐れがある」とも述べた。去る19日加徳新空港の特別法の審査の過程でも「適法と平等の原則に違反する恐れがある」と反対意思を明らかにした。

結局加徳島新空港は、主務省庁である国土部公然反対にもかかわらず、政界が主導して推進された事業という意味である。

加徳島新空港建設計画ってのは随分前からあったようですが、釜山のすぐ近くにある加徳島に釜山二つ目の空港を作っても、古い空港よりアクセスは落ちるし、国際線専用に整備しても黒字は見込めないと頓挫していた話。

もともと韓国では、空港事業に予備調査が必要で調査をすると下から1番か2番の悪い評価だったものですが、政権与党が加徳島新空港建設事業を公約にして事業を推進するために予備調査が邪魔。だったら予備調査をしなくても良いように特例を作れば良い…ということで、なんと、加徳島新空港建設事業については予備調査不要の特例法案を国会に提出。たしか、今日、通過したんじゃなかったかな。

今回、国土交通部が出したレポートの主旨は、この予備調査抜きで事業を推進する法案についての反対意見だったわけだけど、それをもって国土交通部が与党の推進事業に抵抗していると文大統領が怒ったということ。

慌てて国土交通部長官が釈明して、大統領の意向にあわせて事業の推進に努力すると表明していましたが、これが今の韓国の実態。大統領がこうだと宣言したら、閣僚や官僚、国民(企業)は全てをなげうって努力しなければならないという独裁的国家さながら。


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