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韓国株式市場 空売り禁止再開は6月?銘柄制限や資格制限も -- 海外投資家の空売りは悪という被害者意識の強烈さ

韓国株式市場は現在、コロナで急落した市場を保護するために空売り禁止になっていますが、コスピが3000を超えるほど過熱している状態で、空売り禁止の解除が議論になっています。ただし、国内の個人投資家や与党など政府からは、せっかく盛り上がっている株式市場に水を差し、外国人投資家や機関投資家の空売り攻勢で個人投資家が被害を受けるのでは?と反対。

とはいえ、世界的に見て空売りを禁止していてはグローバルな流れから置いてかれてしまいますし。時期や方法についてが議論の中心になってきてる模様。

[単独]空売り再開、6月から「制限許可」に鎖

与党が空売りを再開しますが、制限を許可に本を取った。時価総額と取引量などを基準に上位いくつかの銘柄のみ空売りを行う方式である。
再開時期は6月が有力だ。不法空売り防止と個人投資家の空売り有効等に必要な制度の改善案を用意するためには、物理的に3月に再開が難しいという判断からだ。
~中略~
まず空売り対象銘柄をいくつかの種目に限定する。民主党関係者は「時価総額と取引量などを基準に上位30〜50個程度の銘柄のみ許可する方になるだろう」と述べた。

準備が3月では間に合わないので、6月が有力だと出てきた。

6月というと韓国では総合不動産税の課税対象月だから、資産運用に関心が高まる時期でもあるし、それよりなにより4月のソウル市長選挙後に伸ばしたという効果の方が大きいかも。個人投資家が反対している空売りですから、3月に再開して株価が下がったら選挙に影響しちゃいます。それでなくても大統領と与党の支持率下がってソウル市長選も危ないという予想だし。

空売り銘柄も上位の数十だけ許可したり、空売りを許可する資格条件も厳しくするとか、空売り状況をできるだけ透明化するとか、個人投資家の不安や空売りに対するネガティブな印象をできるだけ薄めるように必死ですけど、海外からの市場参入が鈍るデメリットの方が大きい気はしますけどねぇ。


そもそも空売りは悪なのか?

空売りは、状況が悪化することで儲ける=市場を荒らす悪である…ってのは以前はよく見られた考え方ですけど、今はもう、空売りがあるから市場が荒れたり景気が悪くなることはほとんどないというのが一般的な考え方だと思います。むしろ、市場に流動性を供給し価格変動を低減することで公正な価格形成に寄与するメリットもあるようです。

市場がどう転んでも下がるしかない状況の時、現物を買っていた投資家がポジションを確保するため売って下落が加速する。さらに信用買いでレバレッジ効かせている取引の場合、追証が払えなくて強制決済注文が大量に放出されてさらに加速する悪循環。

実物を売る注文が殺到しても空売りの買い戻しがなければ、現物買いや信用買いが買おうと思わない限り取引が成立しませんよね。どこまで下がるかわからなければ買いの注文も入れられませんが、空売りの利益確定に買いが入れば、いったんは下げ止まり、そこに現物や信用買いの買いの判断が生まれると。なるほどね。

それと、過熱して実体経済と乖離が進んだ株式市場で買いからしか参入できないと、株価だけが上がっているような銘柄は買わない選択肢しかできません。過熱状態の韓国株式市場にこれから入ってくるような個人投資家は、まぁ、もっと上がる期待しかしてませんから、逆に空売り反対になっていると思いますので、どうでもいいのですが、いつはじけるかわからない状態で、空売り禁止のまま、外的要因などで大きく下がると…怖いなぁ。

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