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暴走が止まらない韓国与党、大統領も無視して検察潰しに夢中 -- 手柄ほしさと敵憎し

中央日報がこのところ、大統領の意向を無視して暴走する韓国与党、共に民主党の動きに危惧をいただいている記事を書いていました。

ファンウンハ・キム・ヨンミン・ギムナムグク・チェガンウク議員などパスポート初当選議員16人が集まった「行動する議員の会のように会」(のような回)が23日に開催した公聴会で重大犯罪捜査局(以下、重水庁)の設置など、いわゆる「検察改革」と関連して強硬な声を吐き出した。謝意を表したシンヒョンス青瓦台民政首席の鋭い非難も少なくなかった。前日ムン・ジェイン大統領が「シンヒョンス事態」をかろうじて一段落ながら検察改革速度調節論を注文したか、一日ぶりだ。権力機関の改編などを置いて与党内の破裂音が大きくなる形だ。

前日バクボムギェ法務部長官は、国会法制司法委員会に出席して、「大統領が私に与えられた言葉は、大きく二つだ。今年から施行されている捜査権改革の定着という言葉をたし、第二は、犯罪捜査の対応能力と反腐敗対応捜査能力が後退されてはならないという言葉があった」と述べた。朴長官の伝言形で出てきたドア大統領の指示は、検察の6大犯罪(腐敗・経済・公務員・選挙・防衛事業・大惨事)捜査権のみ残した鏡捜査権調整案が根を下す前に、検察の捜査権を完全に奪う重水庁設置などは、時期尚早という意味に解釈された。

しかし、この日のように会が主催した「捜査-起訴完全分離のための平均庁設置法の公聴会」で座長格ファンウンハ民主党議員は「(重水青)実施時期は早ければ早いほど良い」とし「党内でさえ、これに対する抵抗が少なくいない状況で、私たちがどのように力を集めて知恵を集めて突破していくのか、戦略的悩みが必要な時点」と話した。ファンフイソク開かれた民主党最高委員も「(重水庁を)作るには3ヶ月もかからない」とし「少なくともこの政府内で重水庁を実施して発足させなければならない」と主張した。

文政権と検察の対立

文政権の身内を捜査する検察と文政権および政権与党、その支持層の対立は法や手続きを無視した検察総長の懲戒にまで発展し、それが不当懲戒だとして裁判にまで発展した騒動になってますが、わりと韓国世論は静かですね。それくらい敵味方の政争は韓国では生き死ににまでいくようか過激なものだということでしょうか。これくらいなら驚かない…と(笑)

とりあえず、検察から重大犯罪以外の捜査権を取り上げ、政府高官や政治家の犯罪を取り扱う重大犯罪捜査局を新設し、重大犯罪捜査局も警察も政府の犬としてガチガチに飼い慣らしているところまでいっています。

ただし、法務部長官が事実上更迭されるような騒動に発展したわけで、それは保守派を中心にして強引すぎる大統領府の行動を批判する世論も強くなっています。そのためか、検察改革については検察内部が落ち着くまで次のステップに進むのを控えるように大統領が高官会議で指示をしていたのです。

大統領の意向を無視し暴走する政府与党

大統領の意向については当然、与党にも伝えられ重鎮あたりはその方向で納得しているようだけど、若手というか初当選議員が強硬に検察改革を加速させるように訴え、また、そのための動きも活発なようです。

与党や大統領の狙いは、検察から捜査権を完全に奪い、捜査機関から上がってくる案件を立件するかどうかだけの機関にする予定。そのために捜査庁のような捜査専門機関も新設する。第一段階の検察改革が完了して間もない今は、落ち着くのを待ちたい大統領と、さらに加速させたい若手議員という図式。

これには、憲法改正まであと少し程度の絶対多数の議席数を持っている与党だから、やろうと思えば何でもできる状態。敵が息を吹き返す前に叩けるだけ叩いて完全に刃向かう力を失うようにしたいという気分になるのは当然。

さらに混乱が加速する予感

さらに、韓国の政界事情ってのもあるかもしれません。

韓国では、複数回議員になっていると汚職を疑われる(と、言うか身内のためにあれこれ融通するのが権力を持った者の務めと思われているので、やってる)ということで、当選回数の少ない議員が多いんですね。

さらに、今回はろうそくで朴政権を倒した勢いで共に民主党が多数当選しているために初当選議員が大量に発生した。そうなると、次があるかどうかわからない初当選議員としては、初っぱなから目立たないと初当選議員の中で埋もれてしまうという焦りがものすごいことになっているわけ。

議員としてスタートした直後から、発議レースがものすごくて、実際のところ問題をきちんと把握してないのに、目立つから、マスコミに取り上げられるテーマについて極端な法案を作ってはメールで賛同者を集めて発議されているような法案も多い。お互い、賛同者をある程度集めないと発議できないので、持ちつ持たれつで、内容をほとんど把握してない同僚議員の法案にサインする議員も多い。

そういう中で、この検察改革は支持層の敵を潰す行動だから目立つこと間違いなし。大統領は残りの任期も少ないしそろそろ任期後のことも考えだして調整したくなったとしても、初当選議員にはそんな時間もないし、失うものもない。後がどうなろうと今目立つことが第一。

この先、韓国の前に並んでいるあらゆる問題について大統領と与党、政府と世論(絶対正義の被害者)等々、権力が乱立してそれぞれの主張をぶつけ合うだけならまだしも、勝手にあれこれやりだして大混乱に陥る可能性が高くなってきた気がします。

まぁ、知ったことではありませんが。

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