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韓国経済 個人の高額融資に元利分割返済制度導入 -- 巨額な家計債務に貸付規制も

巨額に膨れ上がり、今も増加率が異様な韓国の家計債務。韓国政府も放置しておけなくなったのか、ここにきて貸付に対する情報がいろいろと出てきました。

クレジットローンで一定金額以上を借りるとき利息はもちろん、元金まで一緒に返さなければなら元本分割償還制度が導入される。個人の年収を計算し、金融機関全体で借りることができるお金を制限する総負債元利金償還比率(DSR)制度がより強化され、個人のローン限度は減ることになる。小商工人・中小企業への融資満期延長と利子の返済猶予措置は3月以降一回延長される。

元利分割返済制度導入

金融委は家計負債リスク管理のために高額の信用貸付の元金分割償還義務化を取り出した。クレジットローンは、融資期間に利子だけ見通しが当然戻ってくる元金を一度に返済構造が一般的であるが、今後は、住宅ローンのように元利金を同時に返済するように変わるのである。

たとえば年3%の金利で5年満期で1億ウォンの信用融資を受けた場合、今では月に25万ウォンずつ利子だけ出して5年後に1億ウォンを返済するとしますが、今後5年間、毎月179万6869ウォン(元利金均等返済)を返さなければならないということだ。政府は、金額ベースでは、具体的な数値を提示していなかったが、数千万ウォンで決定する可能性が大きいというのが金融界の予想だ。政府はDSRを個人に適用する基準を信用貸付8000円以上で保持している。

韓国の信用貸付が、利子返済のみで元本一括返済ってのは知らなかったけど、なるほど、借りられるだけ借りて株式や不動産投資に走るにはその方が都合良いし、銀行も利子稼げるし。目一杯借りても月々の返済が利子のみなら数万円で済み、その間に借りた元本を投資に運用して運用益が利子を超えれば儲けというわけか。もちろん、株式投資のように値を下げて元本割れして大損し、元本の一括返済ができなくなるリスクもあるけど、普通に生きて普通に稼いでたら絶対に格差を超えられない社会では、どこかで博打を打つ必要があるというわけだ。

不動産のギャップ投資などで受け取った保証金(チョンセ)に自己の借金を追加してより高額の物件を購入しても、元本返済までの間に購入した物件が値上がりすれば借金の元本が賄えるし、値上がりするまで借りてる間も利子を支払えば良いだけなら待っていられるわけだ。なるほどね。

一応は、どこで区切るかまだ出ていないけど、高額融資に導入するということで、生活費などを借りるローンには適用されないようですけど、こっちは逆に貸付の格付けが低くてまともな融資は無理。サラ金のような高金利ローンが中心だろうから、あまり関係ないか。


過熱状態の株式市場にも影響?

金融委はローンを減らす方法で住宅需要を抑制する政策を展開してきたが、昨年11月に過去最大の4兆8000億ウォンが信用融資に抜けていった。新年に入って株式市場の上昇と相まって「ビトツ」(ビトネソ投資)が持続されると、金融位がより強力な処方を取り出したという分析が出ている。

ウンソンス金融委員長は会見で、「自分の能力の範囲で、不動産や株式に投資することが、個人と金融会社の健全性の観点から正しいと思う」とし「家計負債の増加規模を適正なレベルに管理軟着陸を図る」と述べた。は委員長は空売り再開と関連して「2月に通常国会が開かれれば議員の話を聞く過程があるだろう」とし「最終決定が出るまでもう少し待ってくれ」と言った。

今回の規制案が過熱する不動産や株式への投資に借金をつぎ込むことへの警鐘と対策なのはコメントを読むまでもなく当然だけど、これで個人投資家が手を引き始めてからの株式市場がどうなるか…。サムスングループの総裁が有罪判決確定して収監されるタイミング、10兆ウォンの相続税支払い、空売り規制の終了が議論されると、最悪のタイミングで金融規制が入ってきたりすると厳しいかも。

あ~でも、駆け込みで借金しまくってサムスンに投資してから下落が始まる阿鼻叫喚というのが一番良い薬なんだろうけども(笑)


コロナ対応融資満期延長と利子返済猶予措置の延長

金融委はコロナ19と関連して、すべての金融圏が小商工人と中小企業に適用する融資満期延長と利子の返済猶予措置をもう一度延長することにした。ウンソンス委員長は、「現在の防疫状況と実体経済の動向、金融業界の耐え余力などを総合的に考慮すると、延長が避けられない」とし「経済が正常化されても、これまで出さなかった元利金を一度に返せというふうにしないようにする」と説明した。金融圏が満期を延期ローンは126兆ウォンに達する。

韓国では、自営業者や中小企業向けの融資の元利返済猶予を今年の3月まで行っていて、これまでは金融業界から3月の再延長は難しいと言う声が上がっていました。元本はまだしも利子まで入らないのでは金融機関がもたない…というものでしたが、一部、政府与党内にも「コロナで儲けているのは銀行だ!」なんて声があるくらいあまり良い印象を持ってない様子。

実体経済がボロボロで、雇用がなくなり失業率も青年層の就職率もヤバい状況では、融資返済を3月から始めたら不良債権が一気に溢れてくるのはまずいということなのでしょう。ただ、ゾンビがゾンビであることの証明が先送りされ、その間に倒れたゾンビが生まれてくるだけですが。

これ、ゾンビ企業のように、いろいろと問題もあって、例えば、コロナで先行き不透明な中で、廃業したいと思っても猶予されている自営業者や中小企業は、廃業と同時に猶予も終わるので返済の義務だけ残る。満期猶予されていた融資は元利を一気に請求されます。廃業するところにそんな余裕あるわけなく、廃業したくでもできないまま固定費などが嵩んで赤字が増えるだけだったり。

同じく、満期の延長せず利子の支払いだけ猶予されていたところは、猶予期間終了後に残り期間に分割して支払う金額が(猶予期間中の支払い分を加算され)一気に増えて月々の支払い不能に陥ったり。

まぁ、今回の再延長には、満期の延長や月々の支払額を適正にする措置も含めるみたいですけど、猶予期間中に立て直せたり借金せずに持ちこたえられたところがどれだけあるか…なんせ、猶予された融資総額が126兆ウォンですからね。

どう考えても、ゾンビ確定、不良債権化の先延ばしにしか思えません。


K成長が加速?

しかし、これでますますトレンドのK-成長が加速しそうですね。持つ者はリスクなく資産を増やし、借金なしじゃ元手がない者は博打すら打てなくなる。政府や政治の世界では文政権、韓国与党の急進左派などが目立つので、ばら撒きや富の再分配などは躊躇なくやるでしょうけど、それでも一人ひとりの手元に入るのはごく僅か。

民間企業の経済活動でも、コロナで成長産業となる分野、企業と、コロナでダメージを受ける分野、企業との成長率の差が大きく開いてしまうKの字型の成長グラフが所謂、K-成長。

確実にK-成長が韓国内の未来予想図で避けて通れなくなってきました。


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