みんな可哀想

最近、不幸なのは産み落とされた私じゃなくてこんな娘を産んでしまった母親なんじゃないかと思うことがある。もちろん今まで受けた虐待を許すわけじゃないけど、段々理解できるようになってきた。日に日に性格が似てきている。もし自分が子供を産んで私みたいな娘が産まれたら、私も母親と同じように殴ったり熱湯かけたり包丁持って追いかけ回したりしてたかもしれない。それもあって子供が苦手というか怖くて避けてる。そして絶対に子供は産まない。母親と同じ道を辿ってしまう。母親の人生を否定してるわけではないですが。

いくら考えても本人にしかわからないこともあるし、本人にもわからないことがある。本人がわからなくて周りが気づいてることもある。自覚できないどこかに意識とは別のもっと凶暴で脆いなにかを飼っていて、ずっとそれを切れやすい糸で何重にも縛ってきてたんだと思う。重ねた糸の束をたった一つのきっかけで一気に呆気なく切られてしまったんだと思う。それはたぶん父親の不倫だったんだよね。父親も当時逃げ場が欲しかったから不倫をした。だからといって許されるわけではないけど何事にも理由がある。誰も悪くない。

小さい頃からずっと、兄弟からも両親からも「我が家の真実は空が大人になってから話す」って言われてきたけど、そんなこと求めてない。一人一人見てきたものも感じてきたものも違うし、それを言葉にしたら真実から遠ざかる一方。本当のことを知る必要もない。そもそも真実なんて無いんだと思う。頼むから伝えようとしないでほしい。「大人になったら」って言うけど、私が大人になるに連れて家族の私への影響力は衰えるから、あんたらが悲観的になって終わるだけ。私は「ふーん、そうだったんだ」としか思わない。昔話をする時くらい美談だけでいいじゃん。わざわざそこで真実だ何だって掘り返す必要ないから、上っ面だけでも皆で笑顔で昔話できる未来に期待したいんですよね。そういう記憶が私にはないから

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