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リモートワークで崩壊?結束?組織の運命を分ける3つのカギ

最初の緊急事態宣言が出てから1年。リモートワークにも慣れてきた方も多いかもしれませんが、やはり管理もコミュニケーションもしづらいし、コロナ収束後はできる限り出社するほうがいい…と考えている方もいるかもしれません。

でも、本当に大事なことは、組織のメンバー同士が、本音や素をうまく伝え合える環境があるかどうか。その意味で、実はオフィスよりもむしろオンラインの方が、平等に機会をつくれるチャンスとも捉えられるのです。

リモートワークで、結束するのか、崩壊するのか。その運命を握る3つのカギを、お伝えします。

今回教えてくれたのは・・・

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リモートワークは、不透明?

2020年4月。元々ソフトウェアエンジニアとしてサービス開発をしていた私は、より組織全体のことに関わりたいと希望を出し、晴れてヒューマンリソース(人事)部(以降、HR)に異動しました。異動直後に緊急事態宣言が出て、慣れない部署での仕事がほぼフルリモートでスタートしたわけです。

とはいえ、私がもともといたアジャイル開発のチームは、自然とオンライン中心のコミュニケーションでしたし、以前からリモートワークOKだったので、チームとしてオンラインで仕事を進めることに慣れていました。

一方、HRチームでは、まだまだそういった文化がなかったため、リモートワークでのコミュニケーションの仕方などに課題があるなと感じ始めました。

たとえば、

・ダイレクトメッセージが多い
・必要な情報がどこにもまとまってない
・目的に沿った話が多く、雑談などで相手を知る機会がない
・オンライン会議で映像オフが多いため、言外の情報が読み取りにくい

などなど。

オフィスで見えていたり、すれ違って話しかけたりしていたときは良かったですが、オンラインのみではいろんなものが不透明になってしまいます。特に当時の私のようなニューカマーにとっては、分からないことも多い上に、チームの人との関係性も弱いため、生産性がかなり下がります。

何日かして「まずは自分のチーム/組織から変えていこう」と思い、リモートでのコミュニケーションを効率化する勉強会をやりましょうと提案して、エンジニアでの経験を元にリモートワークのノウハウをシェアしました。

それが好評で部署全体に広がり、さらに会社全体に広がり、最終的には社外にまで発信する内容としてまとめたのが「リモートワーク ハンドブック」です。

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信頼をつくるリモートワーク3つのカギ

私が考える“崩壊する組織・チーム”は、ずばり「ミッションが共有されていない、かつ情報や状況が可視化できていない組織・チーム」です。

ミッションが組織・チーム内で共有されていなければ、人は自律的な行動ができません。また、人は、お互いが見えないと、隠れたり、逃げたり、ギクシャクするものなんです。

リモートワークは、放っておくと誰が何をやっているか、見えなくなってしまいます。そうならないために、大事なことは、大きく3つです。

①ツールや環境はきちんと整える
②やり過ぎなくらい情報を共有して見える化する
③チームメンバー同士が本音で話せる環境を作っていく

ひとつずつ簡単に解説していきたいと思います。

①ツールや環境はきちんと整える

言うまでもないことのように思われますが、結構いまだにこれがきちんとできていない、または会社として支援できていないところが多いかもしれません。

細かいツールの使い方や通信環境の整え方などは、「リモートワークハンドブック」で読んでもらえたらと思いますが時間のない方にざっくりお伝えします。

・会議で一人でもリモートであれば「全員リモート」
 =会議室に複数人が集まってリアルで会話し、他がリモートという状況はNG

・音声は、ヘッドセット、イヤフォンマイクを活用する

・視覚はコミュニケーションの大きな情報源になるため、カメラ映像はONを推奨

・社内宛はできる限りメールではなくチャットツールを利用

・チャットの往復が増えたら、クイックコールでオンライン会議へ移行する

つまるところ、映像や音声といった同期コミュニケーションの特性を理解すること、その品質をあげること、非同期コミュニケーションを効果的に活用すること、ということです。

当たり前ですぐできることなのですが、ルールとして合意しておかないと、全員映像オフになっていったり、スケジュールにないクイックコールを遠慮してしまったりと、意外とできなかったりします。

②やり過ぎなくらい情報を共有して見える化する

・ストック情報とフロー情報の管理ルール、使うツールを明確にする

・個別チャットよりもチャンネル利用
 =DMだと知見やノウハウが効果的に蓄積・活用されない

・ファイルはSaaSのURLで共有し、常に更新が同期されるようにする

・議事録などはドキュメントを共同編集

アジャイル開発のエンジニアたちは自然にやっていることが多いですが、もともと行動が浸透していない場合には、とにかく言い過ぎるくらいでちょうどいいです。

誰かが「これ教えて下さい」って言う前に、自分で調べれば全部分かるような状態を目指すのが良いです。だって、聞く方も教える方も、一対一でやってるともったいないですよね。その情報は、他の誰かにとって価値があります。

リモートワークでは、チームで指針を合意して、運用を徹底していくと生産性が高まります。

③チームメンバー同士が本音で話せる環境を作っていく

この話の前提として、社員のエンゲージメント(企業と従業員の相互理解・相思相愛度合い)が高いほど、営業利益率も労働生産性も高くなるという調査結果があります。

そして、リモートワークに限らず、チームエンゲージメントを高めるために何よりも一番大事なのが、「相互の信頼関係を高めること」です。

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・意図的な雑談・チェックインを組み込む
・オンライン会議中の家族やペットの乱入を歓迎する
・チャットでのリアクションは多めに、大きめに
・雑談チャンネルを作り、リーダーや先輩が自ら一番どうでもいいことを言う
・メンバー全員の自己紹介の機会をつくる


雑談は、チーム内やチーム間でお互いの信頼を醸成するために、とても効果的です。

オフィスにいれば、誰かの会話を漏れ聞いたり、ちょっとした雑談から相手に親しみが湧いたり、プライベートの話ができたりしましたが、リモートワークでは意識的に作り出さなければその会話が生まれることはほとんどありません。

つまり、個人やリーダー、マネージャーが意図的に、雑談時間の確保・実践する必要があります。

ちなみに、このブログを書いている時点で勘づいている方もいるかもしれませんが(笑)、僕は、特にオンボーディングや、ニューカマーの受け入れなどの、雑談のための機会をつくるときは、「NeWork」を使っています。(ほんとです、言わされてません!w)

NeWorkだと、どこで誰が会話しているかひと目で分かりますし、自由に部屋を移動できます。

リモートワークはむしろオフィスよりエンゲージメントを高められる

リモートワークが始まった当初、「これはまずい」と感じたレベルだった僕たちのチームでも、今となっては自然にこれらのようなことができるようになってきました。

具体的に生産性がどのくらい上がったかというデータは取りづらいですが、リモートワークをはじめてから社内の満足度の数値は、上がっています。

#6_09_pptx (リモートワークでの生産性)

というのも、オフィスでのコミュニケーションだと、声の大きい人、古株の人がどうしても幅をきかせがちだったり、あまりおしゃべりが得意じゃない人や新入社員・若手社員は、声を出しづらかったりしますよね。

オンラインであれば、対面は苦手でもチャットだと書ける人がいたり、NeWorkなどのツールを使って自然に雑談の機会を作ったりも可能です。日々の定例やチャットでも、人によっては、オンラインの方がむしろ自分の体調や私情を伝えやすいかもしれません。

また、オフィスなら自然と溶け込めるよねと、おざなりにされていたオンボーディングも、きちんと自己紹介の機会を作ってもらったり、チャットでの雑談を活発にしたりすることで、オフィス以上にプライベートのことを伝えやすくもなり、うまくいくかもしれません。

もちろん、チームビルディングの観点では、表情や空気感を感じるという意味で、オフラインに勝ることはできません。ですので、今後コロナ禍が落ち着けば、チームで実際に集まるという時間はあったほうがよりエンゲージメントは高められるでしょう。(実際に、もともとフルリモートだった海外スタートアップでも、オールハンズやワークショップなどを開催しています)

それでも、リモートワークは、不明瞭だった情報の見える化や、信頼形成の機会の増加など、むしろ意識的に良いカルチャーにしていける可能性が大いにあると僕は思っています。

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アフターコロナの世界でも、リモートワークとオフィスワークを柔軟に使い分けながら働くスタイルは、スタンダードになっていくと思います。
さあ、1年たった今、一度自社や自分のチームのリモートワークを振り返ってみませんか?

ニューノーマルの時代に、崩壊する組織になるのか、結束する組織になるのか。
運命を分けるのは、あなた次第かもしれません。


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NeWork note 編集チーム:中見麻里奈、原田結衣
Special Thanks :若尾真実(KESIKI)、九法崇雄(KESIKI)、石川俊祐(KESIKI)、大貫冬斗(KESIKI)
クリエイティブ :宇都宮里梨子、武田透摩、田中亮


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