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オンライン+リアルが当たり前の世界へ

社内外多くの方の協力をもとに生まれたNeWork。MicrosoftやGoogleなどで活躍され、現在NTTコミュニケーションズの技術顧問である及川卓也さんもその一人です。NeWorkの開発プロジェクトのスタートからもうすぐ1年が経とうとしている今、及川さんに、アフターコロナの未来が、どのような働き方になっていくのか、またその未来の社会でコミュニケーションはどう変化していくのかを伺いました。

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リアルで同じ場にいるという価値は非常に高い


──及川さんはグローバルなテクノロジー企業で仕事をされてきていらっしゃるので、コロナ禍以前からもリモートワークには慣れていらっしゃったんですか?

もともと私は、仕事をする上でリアルな場でのコミュニケーションをとても大事にしている人間です。
MicrosoftやGoogleなどグローバルな会社にいたこともあり、リモート会議はフルに活用している状態でしたが、だからこそ、リアルで同じ場にいるという価値は非常に高いと実感してきました。
机を並べて仕事をしていて何気なく会話が生まれたり、隣の人やオフィスを歩いて他のチームがどんなことをやっているかを知ることができます。

Googleのカフェテリアが充実しているのは有名な話ですが、それは福利厚生的な側面だけでなく、「社内のさまざまな人との交流から生まれる創造性」を考えて設計されています。
Googleに勤めていた時はキッチンでのおやつ休憩での会話が仕事につながったり、ライブラリーで全然面識のない営業の人がちょっとした雑談で声をかけてくれて、その後の仕事につながったり、もっというと退職後でも、同じオフィスで繋がりがあった人が、一緒に何かに取り組むということもあります。
もしかしたらオンラインでも同じことは起こり得るのかもしれませんが、やはりリアルの方が記憶に残りやすいんですよね。「あの時の飲み会で一緒でした」や「いつぞやかのランチ会で隣に座っていたんですよ」といったように、その時・その場で交わした会話は同じ場を共有していたから生まれたこともあり、逆に言うと隣にいなければ生まれなかったことも多いと思います。

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リモート・オンライン化で起きた変化


──なるほど。日本でも去年から急激にリモートワークが浸透しましたが、デメリットもあればメリットも大きかったように思います。

そうですね。新型コロナの感染拡大に伴い、さまざまな活動が否応なくリモートに移行することになりました。リアルな場を共有する良さは失われてしまいましたが、オンラインだからこそのいい影響もたくさんありました

①物理的距離がハードルではなくなった
私が講師を務めている研修をリモート開催にしたことで、これまでは受講生が首都圏の方のみだったのが、全国から参加できるようになりました。また時間の制約を受けやすい育児中の社員も受講するなどの変化もありました。世の中がリモートを経験し、非可逆的になったことは、物理的な距離があってもコラボレーションやコミュニケーションができるということだと思います。

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②スペースの制約を受けにくくなった
研修ではホワイトボードを多用します。リモート形式になってからは、GoogleのJamboardを使うようになりました。リアルのホワイトボードに比べ柔軟性は劣るかもしれませんが、足りなくなれば新しいボードを継ぎ足してスペースを無限に増やすことができます。保存や共有もボタン一つでできるので、格段に楽ができるようになったと感じています。

③講演などコンテンツのクオリティを高めることができるようになった
コロナ禍で行ったイベントでは、講演を事前録画にし配信にしました。そうすることで機器トラブルやプレゼンテーションの時間配分ミスを回避することができました。リハーサルや撮り直しを経て講演コンテンツが出来上がるので、クオリティを高めることができます。

このようにリアルからリモートになることで、リアルではできなかったことができるようになっています。もちろんリアルとリモート、それぞれにプラス・マイナスの面があります。

目的の問い直しと価値の再創造を


──そうですね。これから、どういった視点でリアルとオンラインを使い分けていったらいいのでしょうか?

前述の研修も講演も、かつては対面のリアルタイムで行っていました。
しかしリモートへの移行を余儀なくされたことで、プロダクトでいうところの「価値の再創造」の必要に迫られました。

例えばグループワークがある研修では、リアル時代は会議室にて机と椅子をグループごとの島に分けて受講してもらうということをしていましたが、それはただの手段でした。
そもそも研修でやりたかったことはなんだっけ?ということを考え、一つ一つ分解しました。さらに分解した内容をオンラインで実現するにはどうしたら良いのか?と考えるということを繰り返し行いました。
「価値の再創造」のための問い直しをし、よりクリアになった『目的』を、リモートの世界で実現するに最適な『手段』を選んだことで、リモートへの移行を実現できたと考えています。

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オンラインvsリアルではなく、オンライン+リアルの世界が当たり前になる


今までオフィスや対面でやっていた、もしくはオフィスでしかやれないと思っていたことが、本来の目的を達成するためには、実はリアルが必ずしも最善のものではなくなっていて、リモートでやったほうが効率的だということも見えてきました。会社によっては完全にオンラインで仕事になるのではと考えている企業もあると思います。

一方で、世の中そんな簡単なものではなく、リアルでというのは確実に残ると思います。このあとこのパンデミックが収まるもしくはある程度抑制され、リアルの場も少しずつまた復活してきたとき、企業や人によっては、リアルに戻ろうとする人もいると思います。

しかしリアルよりもオンラインでやった方が価値を得られた、課題が解決できたという経験があるので、となると、オンラインvsリアルと考えるのではなく、オンライン+リアルを実行していくことになると思っています。

さあ、一緒に新しい働き方へ。
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NeWork note 編集チーム:中見麻里奈、原田結衣
Special Thanks :若尾真実(KESIKI)、九法崇雄(KESIKI)、石川俊祐(KESIKI)、大貫冬斗(KESIKI)
クリエイティブ :宇都宮里梨子、武田透摩、田中亮


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