職業設定合コン
社会人3年目くらいの頃、会社の同僚と合コンをしました。
その日は5対5で合コン予定だったのですが、女の子が3人ドタキャンしてしまい、5対2になってしまいました。
これはきっと出会いもないだろうし、普通にやっても面白くない。という事で、男性陣は架空の職業を設定する事になりました。
合コンが終わったらどの職業が1番モテるのか勝負しようぜ!と、みんなでワクワクしていました。
架空の職業は以下の通りです。
私はホリプロのマネージャー。
幹事の同僚Aはそのまま営業マン。
同僚Bは服装が派手だったので、ミュージシャンのドラマー。
同僚Cは真面目そうな見た目だったので、学校の先生。
同僚Dはエスニックな格好だったので、タイ人の留学生としました。
合コンがスタートします。
みんな自己紹介をします。
もちろんタイ人も(笑)
「サワディカーップ。ワタシ、タイカラキマシタ、モハメド•キシトイイマス。」
同僚Dは岸くんだったので、モハメド•キシを名乗っていました。てゆーか、モハメドはアラブ系では?
「彼、日本語上手だよね!日本に来てからどのくらいだっけ?」
「ニホンニハ5ネンマエニキマシタ。ニホンダイスキです。」
「日本大好きだってさ!彼本当にいい奴だよねー!」
タイ人設定、案外バレません。女性陣はすっかり信じ切っているため、男性陣は笑いを堪えるのに必死です。
そして、話題は他の人たちへ。
「和田アキ子とか実際どうなの?」
「先生って学級崩壊とか大丈夫なの?」
それぞれの職業に対しての質問をしていきます。
設定があやふやなため、男性陣同士で陥れるような質問が飛び交い、だんだん回答に困るようになっていきます。
そんな中、1人の女の子がミュージシャンに食い付きます。
「普段どんなところでライブやってるんですか?」
「あ、えーと、中野かな。」
※中野は東京の駅で、芸人が多く住んでおり、サブカルの街として有名です。
「中野のどのライブハウスでやってるんですか?」
「いや、路上だよ。」
んなわけあるか!中野はギター弾き語りの人はいるけど、路上でバンドやってる奴はいねえぞ!そう心の中で突っ込みます。
「バンド名は?」
「うーん、グッドラックかな。」
「へぇ〜、楽器は何やってるんですか?」
「ん、ドラムだよ。」
「凄い!かっこいいですね!」
女の子がめちゃめちゃ食い付きます。
ちなみに、グッドラックとは、通りがかりに見つけた風俗店の名前です。
合コンの合間に、私とタイ人はトイレで一緒になりました。
「ニューノマンちゃんさぁ、俺もうタイ人つまんねぇんだけど。」
「だよね。ずっとカタコトでニコニコしてるだけだもんね。」
「後で戻ったらもう本性バラすわ。」
いよいよタイ人は、日本人である事をカミングアウトする事になりました。
席に戻り、タイ人が本当は日本人である事をカミングアウトします。
「あのさぁ、俺実はタイ人じゃないんだわ。」
女性陣のリアクションは、
「えー!またまた!いいよそんな嘘!」
「いや、マジなんだ。」
「そんなわけないじゃ無い!」
なんて事でしょう!
あらぬ事か、本当は日本人だと言っても信じて貰えません。
彼女たちはわざと言っている雰囲気ではなかったので、何とピュアな人たちなんでしょうか。
結局、岸くんは最後までタイ人を貫く事になったのです。
そんなわけで合コンは終わり、男だけで二次会をします。
「女の子達、最後までタイ人だと信じてたな(笑)」
みんなでそんな会話で盛り上がっていると、合コンの女の子からミュージシャンにメールが来ました。
今日はありがとうございました。バンドやってるなんて素敵ですね!今度ライブ観に行きたいのですが、いつやりますか?
そうなんです。
タイ人設定はバラしたものの、他の人の設定はそのままだったのです。
その後、あやふやに返事をしたようなのですが、その子はなかなか引き下がらなかったそうです。
こうして職業設定合コンは、ミュージシャンが勝者となったのでした。
モテたいならユメオイビトだな、チクショー‼️
こいつに小銭でもめぐんでやろうか。そう思われた神のようなあなた!大変ありがとうございます(ノ∀`*)