イランに保守強硬派の新大統領誕生 逆らうものは徹底弾圧、どうなる核合意

次期大統領に強硬派のエブラヒム・ライシ
最高指導者ハメネイ師の意向の出来レース

 6月18日、イランで大統領選挙が行われた。前評判通り次期大統領には「保守強硬派」のエブラヒム・ライシ司法長官が圧倒的な大差で選ばれた。そもそも、実質的に有力な対立候補が存在しない選挙戦であり、イランのイスラム法学者体制の護持という至上命題が粛々と果たされた。その意味で「出来合いレース」であり、当局からの干渉の激しい選挙であった。

 4年に1度は行われるイランの大統領選だが、候補者を事前審査する護憲評議会は5月、計7人の立候補を認めたものの、ライシ師以外は知名度が低く、泡沫候補。選挙前から聖職者のライシ師の当選が確実視されていた。また、米欧との対話の窓口を開いたと評価されるロハニ現大統領は8月で任期を終える。しかし、ロハニ大統領と近い「保守穏健派」の有力者などは予め排除されたとも報じられた。

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