暗闇から覚醒へ 1

大学院の生活が始まった。
薬学部生理化学教室。専攻は免疫学。
今回のコロナ騒動でワクチン反対派になったのは、免疫学の基礎が身についていたからである。

別に免疫学に行きたいと思ったわけではない。
その教室の教授が高校の先輩で、快く受け入れてくれた、、と思ったから。
それが、とんでもない方向に回り始めた。

教授にしてみれば、特待生で入った進学校の後輩。
なみなみならぬ期待があったのだろう。
なにも教えなくても、神童のように、すごいデータをどんどんと作り出してくれる、と思ったのだろう。
それが、私は、当然、凡才であった。

試験管、ビーカーなど、実験器具の洗い方すらも、生理学教室は違う。
試薬の量り方、純水の作り方、さまざまな手法を覚えなくては、基礎実験すらできない。
データの取り方、表の作り方。
理系の研究室のイロハは、一番重要である。
で、私の場合、誰もそれを教えてくれなかった。
そうして、どうしてできないのかと、罵られた。

教えてもらってないのでできません。
じゃあ、周りを見て覚えろ、と言われ、
見ていると、ぼーっと見ているんじゃないと怒られ、
毎日毎日が、何もできなくて罵られている状態になった。

アカデミックハラスメント。
通称、アカハラ。
今は、そういう言葉があるようである。

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