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Business Design Magazine

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ビジネスデザイン・新規事業開発領域で働く方に向けて、NEWhメンバーが日頃の業務で得た気づき・発見・学びをお届けします。
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#事業開発

非営利ビジネスを成立させる必須条件は何か?

こんにちは!NEWhで新規事業の伴走支援をしている谷口です。 日頃私たちが多く目にする新規事業は、顧客の課題をユニークな価値をもって解決し、その対価を得ることで収益を上げる純粋なビジネスの形態ですが、近年では社会課題解決を目的としたソーシャルビジネスや、事業収入が主な収入源となっている事業型NPOなど、新しい新規事業の在り方も確立されてきました。 そこで今回は新規事業を「営利」以外の面から成功させるための条件について、今回は公益財団法人である日本デザイン振興会主催で、実に6

[Part2]事業開発の色々な論点を構造化・図解してみた。

こんにちわ。NEWh堀です。 前回の記事では、 事業開発領域における色々な論点の構造を1枚のスライドに落とし、X上で発信している内容から一部を、ピックアップし紹介をしてみました。 前回記事はこちら。 実は、まだまだ色々と発信していたものはあったりするので、 今回はPart2ということで、またいくつかピックアップし、紹介してみます。 競合優位性とは何か。の図解。 まずはこちら。競合優位性とは。 事業開発の中だと必ず論点に上がるテーマ。ポジショニング・マップで立ち位置や優

【IPO達成には理由がある】気になるスタートアップのキモ解説:ジンジブ(高卒就職支援サービス)‐後編‐

こんにちは!NEWhで新規事業の伴走支援をしている谷口です。 今回は創業に至る背景や事業機会をどのように捉えたのかを考察した前編に続いて、3月22日に東証グロース市場へ上場された、高校生の就職を支援するというユニークなサービスに特化した株式会社ジンジブをケースとして、新規事業に必要な要素を整理するためのフレームワーク「バリューデザイン・シンタックス」を使いながら、サービスの特徴や強み、競合環境や今後の課題についても深掘りしてみたいと思います。企業内の新規事業の担当者、起業を考

【新規事業担当者に効く】気になるスタートアップのキモ解説:ジンジブ(高卒就職支援サービス)‐前編‐

こんにちは!NEWhで新規事業の伴走支援をしている谷口です。 今回は3月22日に東証グロース市場へ上場された、高校生の就職を支援するというユニークなサービスに特化した株式会社ジンジブを深掘りしてみたいと思います。個人的にこちらの企業を知った時、シンプルに「なぜそこ(=高校生の就職支援)に着目したのだろう?」という興味が沸いたことがリサーチテーマとした理由ですが、調べれば調べるほど「起業するとはどういうことか?」「ビジネスチャンスになり得る機会を捉えるとはどういうことか?」を考

【ビジネスデザイナーが読むべきnote】不確実性とデザイン

はじめに/創刊のご挨拶少し前に思い立って「business design shift」というマガジンをnoteで創刊しました。このマガジンは、ビジネスデザインのトレンドや革新的なアイデア、変化の兆しを探ることを目的としています。noteには数多くの素晴らしい記事がありますが、それらをクリップすることでビジネスデザインの可能性を拡張し、持続可能で意味のある変化を生み出すためのインスピレーションを提供することを目指しています。 「business design shift」の

未来をつくる会社のビジョン03【B Corp認証】Patagonia ・ovgo・Kuradashi

経営アジェンダのひとつとして、サスティナブル、社会的・環境的責任といったキーワードが挙げている企業が多くなっています。持続可能な社会づくりへの貢献は、単なる企業の義務を超え、消費者にとっても重要な価値観になっています。特にZ世代は、製品やサービスを選択する際、環境に対する意識の高く地球の将来を見据えつつ、自分たちの価値観に合致し、持続可能な未来に向けて積極的に貢献する企業を支持する傾向が強いようです。(データなどはいろいろなソースがあると思うので本記事では割愛します) そこ

成長ステージを駆け上がる、グロースレバーの正しい設定とは

こんにちは!NEWhで新規事業の伴走支援をしている谷口です。 今回は以前の「【KPI沼から抜け出すヒント】新規事業の測り方-勝負はKPI設定前についている-」の実践編として、実際のグロースフェーズにある企業のKPIを50億~200億の規模別に切り取って、分析してみたいと思います。その中でも、売上の拡大に直結する資源の投下先となる「グロースレバー」をどのKPIに置いているのか、なぜそうなのか?を考察してみたいと思います。 業種による違いは当然あるかと思いますが、企業規模から4

DX時代の新事業を発想するための4つの方向性と21のデジタル視点

「新事業開発メソッド06」は、DX時代に新事業を発想するための4つの方向性と21のデジタル視点として、NEWh独自のフレームワークである「デジタル・トランスフォーメーション・レンズ(以下、DXレンズ)」を紹介します。 DXレンズとはDXレンズは、世の中にあって「デジタル」をうまく活用している事業/サービスから抽象的な視点を抽出・収集した視点=レンズ集です。 例えば、スマートフォンを抽象化してみると「無価値を価値化する」という視点が抽出できます。スマートフォンは電車の中で何も

【新事業担当者なら知っておきたい】PSFとPMFの違いとPSFに必要な5つの要素

こんにちは!NEWhで新規事業の伴走支援をしている谷口です。 今回はスタートアップのクローズ理由として大きな「顧客のニーズがないプロダクトを作ってしまう」ということがなぜ起こってしまうのか、どうすればそのリスクを下げられるのかについて、語り尽くされた感のあるフィットジャーニーのなかでもいまだに定義があやふやで、なぜか疎かになりがちPSF(Problem Solution Fit)の重要性と、揃えたい5つの要素について考えてみたいと思います。 なぜ人は「ニーズがない」プロダ

【KPI沼から抜け出すヒント】新規事業の測り方-勝負はKPI設定前についている-

こんにちは!NEWhで新規事業の伴走支援をしている谷口です。 今回は誰もが一度は、もしくは常に模索の沼にはまり込む「KPI」について、正解も前例もないことが多い新規事業ではどのように状況を測ればよいのかについて、特に日々が戦いのPSF~PMFフェーズを想定して考えてみたいと思います。 KPIには2種類あるまずはじめに、KPIについては大きくふたつの意味合いがあると思っています。 対外的なKPI ひとつ目は「誰かのためのKPI」です。具体的には新規事業チームが社内のステー

事業構想を書くアプローチ「バリューデザイン・シンタックス」

はじめに こんにちわ、NEWh ほりです。 前回は我々NEWhが開発し、実事業開発の現場でも活用を進めているフレームワーク「バリューデザイン・シンタックス」を用いてケーススタディ形式で世の中の素敵な企業を紹介する記事を書かせて頂きました。 今回は、この「バリューデザイン・シンタックス」について、ビジネスモデルという言葉、事業開発のゴールと難しさにも触れながら書いてみます。 ビジネスモデルとは何か。 まずは導入として。 ビジネスモデル。 事業開発と向き合われている方にと

【Kuradashi】時流を捉えた価値と売り切る力を体現させる仕組みがすごい

はじめに。 初めまして、NEWhビジネスデザイナーの堀です。 NEWhという会社で企業の新事業開発を支援させていただくお仕事をしてます。事業開発領域に関わる中での気づきや、思考、悶々などなどを色々発信していきます! NEWhでは、これまでの事業開発領域でのご支援の経験を通じて、事業構想を前に進めるためのフレームワークとして「バリューデザインシンタックス(以下VDS)」なるものを開発し、実PJTで活用しているのですが、今回はこのバリューデザインシンタックスを用いて、世の