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素晴らしき二俣の夜

天竜二俣の魅力に魅せられ、ニューコモン商会という捉えどころのない活動を始めるに至ったけれど、特に好きなのは夜の二俣だ。夏の夜なんかは何とも言えない青春感(エモさ?)を勝手に感じてしまう。

まず山ノ舎にすべりこみビール片手に中谷君としゃべる、そのうちにポツポツと地元の人が飲みに来る。軽くしゃべったり、人の話に横耳を傾けたり、気づくとお酒がワインになっている。ローカルだけど都市的な交流。地域の話、新しいビジネスや挑戦の話、あまりネガティブな話がないのが良いと思う。

浜松の街なかから電車でアクセスできるのもよい。小一時間かけて移動し少し遠くへいくことで、日常から離れる効果もあるように思う。

夜も更けて、なんとなく顔見知りの人だけになってからの時間も最高だ。店の外に出て、交差点のガードパイプに腰掛けてあれやこれやとしゃべる。信号の光が道路に反射する。ryutaさんのサインペイント。闇に沈み込む山のシルエット。まねきねこ🎤

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やはり、かつて栄えた街には地政学的に理由があって、木材需要が旺盛であった時代に山と街を天竜川で結ぶ二俣には様々な人やモノが行きかったのであろう。鉄道がないころは浜松より栄えていたし、花街もあったそうな。そうした時期の活気を忍ばせる残り香のようなものを、道ばたで飲んでいるときにふと感じる。そしてそれは、過去だけにあったものではなく、今も続いていると思う。長野諏訪から続く山々が終わり、太平洋へとつながる平野部への入口であるこの街に川のように流れる空気感は、何とも心地良いものだ。本田宗一郎や小野二郎もこの道を歩いたのかと思うと、なんだかわけもなく希望が湧いてくる。

よく地方に呼び込む常套文句に「自然」というワードがあるけれど、二俣はそれだけではなくて、地域の自然資源を基にした「産業」を感じる。それこそが二俣のアイデンティティなのではないだろうか、と酔った頭で思うのである。

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