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ニューコモン商会、はじめます!

井戸端会議からXRまで、懐かしくも新しい「コモン」を見つけ、暮らしに実装していくユニット「ニューコモン商会」をはじめます。

メンバーは高林健太・中谷明史。ともに静岡県浜松市の出身。
高林は森ビル、中谷は東京R不動産に所属し、それぞれアーバンライフを満喫していたものの、故郷への思い入れが強すぎてUターン。共に「まちづくり」に携わる毎日のなかで、「コモン」の重要性に気づき意気投合。全く前知識のないまま、完全に見切り発車でユニットを結成。日々何らかのアクションに繋げる為、まじめにユルく活動中です。

そもそもおまえら誰やねん…という諸兄へ。

高林プロフィール
1984年浜松市生まれ。森ビル㈱ で都市部開発やタウンマネジメン トを経験後、2017年Uターンし、丸八不動産㈱にて主に中心市街地活性化事業に携わる。 2021 年独立し、ATLAS LLC./株式会社HACK代表。浜松中心部と天竜をフィールドとしたエリアリノベーションに取り組んでいる。 主な実績として、クラフトビールブルーパブ「Octagon Brewing」立 上げ,シェア屋台スペース「肴町Little」企画・運営、「浜松クラフトビールフェス」企画等。
中谷プロフィール
1990年浜松市生まれ。2012年「東京R不動産」へ参加。 2015年、活動拠点を故郷である浜松市天竜区に移し「kissa山ノ舎」をオープン。現在は飲食店経営の傍ら、「浜松市トライアルオフィス天竜」、アクティビティ紹介サイト「uraniwa」、無人駅の駅舎を改装した「駅舎ホテル INN MY LIFE」の経営などを行い、天竜区のエリアリノベーションに取り組んでいる。

ニューコモンとは?

そもそもニューコモンって何?というところから。
コモンは建築やまちづくりの領域では、「共有地」や、私と公の間(セミ-パブリック)などと表現されます。例えば、カフェのオープンテラスなんかをイメージしてみるとわかりやすいかもしれません。オープンテラスはカフェオーナーという「わたくし」の所有物ですが、同時に近所の常連さんという「おおやけ」の人々が利用する、私と公に開かれた空間です。
また、近年ではメタバースという、インターネット上の仮想空間のようなデジタル領域の「コモン」も注目されつつあります。
他にも、ゴミ捨て当番や、お祭りのお囃子なんかも「コモン」と言えるかもしれません。つまりは人間が集団で円滑に持続可能に生活するために作られる空間やルールのようなものでしょうか。
ここまでサラッと説明してみましたが、「コモン」は、非常に曖昧な存在で、僕たちも明確な像を結べているわけではないのです。
ただ、人口減少とともに緩やかに縮小していくであろう行政や経済のなかで、今まで公共が担ってきたもの、あるいは民間が担ってきたものが、徐々にそれぞれの手から離れていき、公と私の間にある「コモン」の占める領域が拡大していくことは間違いないでしょう。
つまり「コモン」を考えることは、これからの「暮らしかた」や「まちづくり」の有り様を探り出すことに他なりません。
そこで我々は、時代の流れとともに常に変貌し続けるコモンの姿、つまりニューなコモンの姿を、インプットとアウトプットによって探り出し、最適なかたちで社会に実装していくことを考え始めたのです。

でも、それってどうやるんだってばよ…

考えるっていったって、ただただ文献やその界隈のトップランナーを追っかけて「まとめ」をしているだけでは、姿を捉えることはできても、実装は難しでしょう。
ならばどうするか。至極単純ですが、実際のフィールドで検証してみればよいのです。
おあつらえ向きに、我々には拠点となる地域があります。それが、後述する「天竜二俣」です。
また、これは仮説ですが、高度経済成長、バブル、失われた20年(30年?)を経て今に至るまでに、社会構造の変化により失われてきたコモンが相当あるのではないかと思っています。
1950年~現在は、人類の歴史の中でも非常に特異的な時代であり、その流れの中で失われたり見捨てられたコモンの中には、人と人、あるいは人と自然が共存する為に生み出されたコモンが一定数あったのではないかと考えられます。たとえば、Always三丁目の夕日的な下町の風景や、となりのトトロに出てくる里山の風景が僕らの琴線に触れるのは、そうした「懐かしいコモン」のイメージを透かして見ているからかもしれません。
そうした「懐かしいコモン」に触れ、その姿を見つめ直すことは、これからの「新しいコモン」を考える上でも重要な意味を持つと考えられます。我々の拠点とする天竜二俣、あるいはその周辺地域には、そんな「懐かしいコモン」のカケラが未だに残っています。


現場①:天竜二俣ってどんな街?

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僕らが拠点とする天竜二俣は、浜松市面積の実に1/2以上を占める天竜区の最北端に位置する、山間部の入口にある街です。火伏の総本山である秋葉山へ至る秋葉街道と、諏訪湖を源流に太平洋へと流れる天竜川とが交差する交通の要衝であり、古くは徳川と武田が熾烈な陣地争いを繰り広げ、江戸~昭和にかけては三遠南信に置ける木材の流通の中心地として非常に栄えた地域でした。
しかし、昭和の終わり頃には案かな外国産の木材の流入により産業が衰退、同時に人口の都市部への一極集中が重なり、生産年齢人口が歯抜け的に減ったことで、例にもれず人口減・少子高齢化のスパイラルに突入していきました。
なぜ、僕らがそんな天竜二俣を拠点にするのか。それは、中心部にあるクローバー通り商店街に、小さいけれど見逃してはいけない変化が起こりつつあるからです。昭和の懐かしい風景が残る商店街では、しかし数十年のあいだ新規出店が無く、店主の高齢化と共にシャッターを閉める店が増え、衰退の一途を辿っておりました。
そんな折にコロナ禍に突入、いよいよ風前の灯火も消えかけたかと思った矢先の2021年に入った途端、3軒の新規出店が決まったのです。
廃棄される野菜を使ったジェラート屋、カスタムバイクと餃子を取り扱う謎のお店(笑)、養蜂家が営むはちみつの量り売りのお店、どれもクセのあるラインナップですが、これらのお店が至近距離にほぼ同時にできることで、急激に商店街としての顔を取り戻しつつあります。
老舗の店舗と新規開業の店舗、懐かしくて新しい風景が生まれようとしているこの街には、我々の追い求める「ニューコモン」が発生する土壌が既にできているのです。(二俣の歴史や地政学的な特徴、まちに流れる雰囲気については、詳しくまた別の回で紹介したいと思います!)

これからの活動予定

まずは、「1日1コモン」というタイトルで、ニューコモンを見つけ紹介する活動をnoteでしていこうと思っています。街に点在するコモンを言語化し、ストックしていくことで、コモンという視点から街を見ることができるようになるはずです。そしてそれは、これからの二俣を考え、手を入れていくときにきっと役に立つはず。いわばデザインの筋トレ。古いもの、新しいもの、偶然見つけたもの、かっこいいもの、機能的なもの、、、こじつけや思い込みも多分に入れつつ、収集していきます。将来的には図鑑のようにまとめたい。
それから、「天竜二俣塾(仮)」をつくります。これは目下検討中ですが、今年の秋頃には情報リリースできるかと。


ニューコモンをつくりたい方、募集中

そして、ニューコモンな空間や取り組みを作る活動もしていきたいと考えています。例えば、空き物件を掘り起こし、オーナーさんと事業を始めたい方とのマッチングや、リノベーションまでの総合的なプロジェクトマネジメント(僕らは「ととのえ」と呼んでいます)なんかも手掛けていきたいので、自分のまちのニューコモンをつくっていきたい!というかたは気軽にお問い合わせください、お待ちしています!

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