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【診断士2次試験】限られた字数内で表現するために

 2次試験を受験される皆様はすでに、何度も過去問演習をされていると思います。どの年度の問題も、一癖も二癖もあり、苦戦している方もいらっしゃるのではないでしょうか。私の場合、過去問を始めたころは、字数内に収まりきらないことも多くあり、変な文章になってしまったり、清書した後に消しゴムで消す羽目になったり、ということもよくありました。本日は、そんな私が実践していた字数制限対策をご紹介します。

問題演習では「冗長な表現」もチェックすべし

 問題演習に取り組む際、「どこに加点されたか?」「キーワードは何だったか?」にばかり目が行っていませんでしょうか。もちろん、設問文・与件文に沿った適切なキーワードを制限時間内で表現する試験ですので、加点対象となるキーワードをしっかり見ていくことは極めて重要なことです。
 一方で、ついつい「解答が長くなりがち」という方にお勧めしたいのが、余計な表現でマスを埋めてしまっていないか、ということです。実際にキーワードで採点してみて、採点対象になっていない部分で削れる部分はないか検討し、次に生かしていくという学習方法もありかと思います。

 冗長になってしまう表現でありがちなのは、「接続詞の問題」(逆接でもないのに「しかし」と書いてしまうとか、「以上により」で5文字も使ってしまう、とか)。実は、接続詞を省いても文章の内容が通じることもしばしばです。
 また、1文が長くなる傾向にある場合も要注意です。1文が長くなればなるほど、文中に「順接」「逆接」「転換」「句読点」などいろんな切り替えワードが入ってきて、文章が冗長になるばかりか、読みづらい解答となってしまいます。短い文(1文あたり多くても30文字程度)を重ねるのも一手かもしれません。(蛇足ですが、裁判の際に検察官が読み上げる起訴状はどんなに長くても1文で表現するという慣習があるそうです)。

例を列挙しすぎない

 事例企業の強みを表現する際に、「細かく書きすぎる」というのもよく起きがちな問題です。例えば、令和4年事例Ⅰ第1問「A社が株式会社化(法人化)する以前において、同社の強みと弱みを100字以内で答えよ」という問題。与件文には「同社の苺は、糖度が高いことに加え、大粒で形状や色合いがよく人気を博した」とか、「1990年代後半に作り方にこだわった野菜の栽培を始めた。(中略)サツマイモを皮切りに、レタス、トマト、トウモロコシなど栽培する品種を徐々に広げていった」、「もともと、A社のサツマイモは、上品な甘さとホクホクした食感があり人気商品だった」など、野菜の品質のよさを意味する表現がたくさん出てきます。
 もちろん、すべて強みなのですが、全部書いていたのでは、おさまりがつきません。とある再現答案を見ていても、「糖度が高く大粒で形状・色合いの良い苺と上品な甘さのサツマイモ」みたいな答案があったのですが、やはり、字数を食いすぎてしまいます。品質のほかにも強みはたくさんあるわけなので、「高品質な農産物」とか「栽培方法を拘った農産物」など、ある程度まとめて書くのが得策だと思います。

漢字を使って文字数削減

 試験対策本ではよく見るのですが、ひらがな表現や外来語を漢字表現とすることで文字数を節約することができます。例えば、以下のとおり。これについては、わりと皆さん、やられているかもしれませんね。

つなげる   →  繋げる
こだわり   →  拘り
こと     →  事
ロイヤリティ →  愛顧
双方向コミュニケーション → 相互交流(場合による)

私のお気に入り表現

 最後に、私が事例を解くときに好んで使っていた表現をお知らせします。それは「以て」。事例Ⅱなどで効果を書くときに、「これにより」とか「以上により」とか、5文字は使わざるを得ないと思っていたのですが、とあるオンライン勉強会で「以て」を使っている人がいて、私も使うようになりました。この表現だけで、3文字も節約できちゃいます。

まとめ

 文章の書き方、作り方というのは、人によって癖があり、修正するのはなかなか難しいかもしれませんが、一方で、効率的に文章をかけると、それだけ多くのキーワードを盛り込める可能性が高まります。一部の予備校で行われている100字トレーニングなども、解答を書く際の編集力を高めることに加え、字数制限内で効率的に表現することにもつながるのではないでしょうか。試験まであと1月を切りましたが、こうした細部も少し気にかけながら、最後まで走り抜けていただければと思います。

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