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暮らすこと

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空港からおばあちゃんちまで。
13歳のわたしと父。他には誰もいない。
少し雑なアナウンスの流れるバスに揺られる。
(なかなかスピード感と若干激しい運転で、まさに揺られていた。)

「さすが、田舎!」

父が笑う。
都会の几帳面なバスになれているわたしには
自由で羨ましかった。

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それから、父の実家の宮崎には何度か訪れた。
少しだけゆったりまったり流れている空間と、
空の透き通る青さ、ここに暮らせたなら、。
理想の暮らしを手に入れられるだろうか。
そう思った。

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.23歳になった今、わたしは宮崎にいる。

宮崎の土地で、仕事を得た。
宮崎産の農作物をたべて、宮崎弁を習得して。
想いを馳せた土地での暮らし。

でも現実は、毎日の仕事をして暮らしていくのに必死。
空の青さには気づかない。
自由なバスは、私を目的地へ連れていく手段でしかなくなった。
時間はゆったりと流れてはくれないし。 
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憧れの土地での生活を手に入れたけど、
結局は自分次第。
他力本願であっては望みはかなわないことを知りました。
人生まだまだこれからです。


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