【日曜美術館】自分が感じたものが一番尊い「山本鼎」
家庭の事情から版画職人となる山本鼎は、下絵を彫るだけの仕事に飽き足らず、美大に通い西洋画を習う。代表作「漁夫」は、紙に絵筆で描く感覚で制作した版画だとされる。
結婚が破談となったことをきっかけにフランスに渡り、自由な西洋画に刺激を受ける。しかし自分の才能に限界を感じる山本鼎は、失意のうちに帰国の途につく。帰国の途中に寄ったモスクワで見た子どもたちの絵の自由さに衝撃を受ける。
明治時代の日本の教育は国に役立つ日本人を育てることに懸命だった。国の示すお手本を習うのが教育。