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【劇場めし 第28回】大塚の油淋鶏わんたん定食

「劇場周辺の、おすすめのご飯屋さんをご紹介!」する、このコーナー。今回は大塚駅周辺を散策しました。大塚駅界隈の劇場といえば、萬劇場を思い出します。また、劇場ではないものの、東京さくらトラム(都電荒川線)の貸切車両内で上演された演目も、過去何作か観ています。さくらトラムはイベント利用の貸切が可能で、落語会などの情報もよく目にしますね。最寄り駅はJR大塚駅、そして東京さくらトラムの大塚駅前停留所。

近隣を歩いてみると、居酒屋、立ち飲み屋など、魅力的な飲み屋さんが多いことに気づきます。東京大塚のれん街という飲食店が隣接する一画もあるそうです。昼観劇前後に営業中の居酒屋もあり、心が揺れましたが…、この日は昼夜連続観劇の為、がまん。

何を食べるか散々迷いながら、選んだのがこちら

広州市場 大塚店手包雲呑のお店で、都内近郊に複数の店舗があります。ワンタンは普段あまり食べないけれど、美味しいのは知っていますし、いざ入店!

カウンター席に座り、メニューと向き合います。この日はもう、迷いに迷いました。ワンタン麺はマストと思っていたけれど、ワンタン麺にも数種類あり、どれも美味しそう。魯肉飯や高菜飯を付けるセットメニューもあって、うう、迷う…。

僕が悩んでいる間、隣席の女性が先に注文しました。こっそり聞き耳を立てると、ワンタン麺と油淋鶏をオーダー。ナヌ? 油淋鶏とな!? わ〜、それもいいじゃん!! しばらくすると、厨房からパチパチと油のはねる音が。揚げたての油淋鶏が出てきたら、そんなの美味いに決まっています。勝利確定。そんなこんなで、メニューの森で迷いに迷い、絞り出した決断がコチラ。

油淋鶏わんたん定食! 麺も試したかったけれど、あのパチパチ音を無視できず、方向転換して油淋鶏メインに。塩と醤油が選べるわんたんスープは塩にしました。ご飯と小鉢付き。そして何より、油淋鶏とわんたんスープのサイズ感。たっぷり楽しめるボリュームです。

丼の上を湯気が踊るわんたんスープ。アツアツです。飲む前から美味いの分かってるけど、どれ一口…。はい、もちろん美味い。中華風の塩味かな。これだけでご飯のお供になる。目の前に「おいしいわんたんの食べ方」が貼ってあるので、それを読みながら頂きます。ひとつめはそのまま。ふたつめ以降はお好みでトッピングを。

ワンタンの皮は、とぅるんとした滑らか食感、もちもちした厚みある食感の両方が楽しめます。餡は肉汁をしっかり感じられる確かな存在感で、これは美味しいわ〜。ご飯食べたい。ご飯で追いかけます。

次は各種トッピング。全体的にお酢を活かしたアレンジが多く、後半からさっぱり食べられる工夫でしょう。美味しい、楽しい、味変で飽きも来ない。これは良い食事だなぁ。

わんたんスープだけでも大満足なのに、まだ油淋鶏が控えている贅沢。こちらもアツアツのうちに頂きましょう。ザクザク食感、美味い。肉厚で食べ応えばっちり、美味い。味付け、濃いめでご飯が進み、甘酢タレとの相性良し、美味い。刻みネギなどトッピングもさっぱり感を演出、美味い。これは足し算の美味さ。要素を足して足して、旨味を山盛りにして「さあ召し上がれ!」という作り手の心意気が伝わってきます。ダイナミックな旨味を堪能しつつ、油淋鶏、わんたんスープと交互に食べ進め、ごちそうさまでした! 満足、そして満腹です。

会計を済ませ、外へ出ます。相当満腹なのに、店頭メニューを見ながら「次回は何を食べよう?」と考え出すあたり、ほぼリピート確定でしょう。大塚店以外に数店舗あるので、他劇場の近隣でも食べられる可能性アリ。ぜひお近くの店舗を探してみてください。

文:園田喬し(演劇ライター・編集者・『BITE』編集長)

広州市場 大塚店
東京都豊島区南大塚3-52-10 今井第五ビル1F
TEL:03-3987-4181

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