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気軽に楽しめる!何度も楽しめる!まずはお手元に、うさぎ庵!!

こんにちは。おちらしさんスタッフです。
配信公演観劇しました!

渡辺源四郎商店Presents うさぎ庵Vol.17 
『山中さんと犬と中山くん』
作・演出 工藤千夏

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◆約80分の、3つのパートをどこからでも楽しめるアラカルト公演。

この公演は、3つの作品から成り立っています。
Part 1『山中さんの犬』は、短い日常の断片が何度も繰り返される不穏な短編。
Part 2『Five Dogs―5匹の犬にまつわる五つの小さな物語―』は、犬をモチーフにした小さな5つの朗読劇。
Part 3『中山くんの縁談』は、赤穂浪士・堀部安兵衛が、まだ堀部になる前の短いお話を、現代口語劇にして。

それぞれの作品は、それぞれに独立しているのですが、演じている俳優の皆様による「作品と作品の間のつなぎ」が、とってもやさしくて楽しくて、3つまとめて一つの作品になっているなぁと感じました。
「配信公演を見ているあなたへ」という前提でつくられているので、カメラワークもばっちりで、音響も気持ちいいし台詞も聞き取りやすい、それから、俳優が画面を見ている私たちに話しかけてくれるので、「ここ」と「劇場」とが、しっかりとつながって、とっても心地よい80分間になりました。


◆Part 1『山中さんの犬』
次々と襲ってくる不穏さがたまらない! 観れば観るほどおもしろい!!

男の人がTVを見ている。そこに、奥さんが犬を連れて帰ってくる。
という短い日常が、何度も繰り返される……

「奥さん」を演じていた俳優が、別の俳優になって戻ってきたり、
「男の人」を演じていたはずなのに、なぜか別の名前で呼ばれたり、

という趣向が入っているのですが、この、どんどんと不条理の沼にはまりこんでいく感覚が、たまらなかったです。「はなさかじいさん」を知っているとより不穏さが増します。

この作品は、観れば観るほどにおもしろさが増していきます。そして短いので、簡単にそれができちゃいます。この作品について、誰かと語り合いたい~!!


◆Part 2『Five Dogs―5匹の犬にまつわる五つの小さな物語―』
ファンタジー、人情ものなど、犬にまつわる様々な朗読劇!

犬にまつわる短い朗読劇が5編。犬目線のお話や、犬の輪廻転生の瞬間を描いたお話など、まるで夢を見ているかのような作品たち。

切なかったりほっこりしたり、5編がどれもユニークな視点で描かれているので、大変に好みでした。

その視点のユニークさをご紹介すると、
例えば――
犬が輪廻転生のする前のお話で、転生後の犬種を選べるかどうか、というお話だったりします。ワクワクする切り口ですよね!

短い朗読劇が終わるたびに、俳優のみなさんが席を入れ替わるのですが、このときのちょっとしたやりとりも楽しいです。
Part 2 と 3 の間にはさまれている換気タイムのおしゃべりも、ずーっと聞いていたくなっちゃいます!


◆Part 3『中山くんの縁談』
ちょいゆる現代口語版、赤穂浪士・堀部安兵衛が堀部になる前のお話!

仇討をして有名になってしまった中山くんが、
「武士はなんだ?」「復讐とはなんだ?」ということを悩むお話なんですが、ちょいゆるの現代口語で描かれているので、悩んでいることに、ちゃーんと寄り添えます。

赤穂浪士のことはあまり知らなかったのですが、知らなくても全然問題ありませんでした。この作品が、赤穂浪士のことに興味を持つきっかけになりました!


共通するテーマは――?

どこから見ても、どんなふうに見ても楽しめるなぁと思うのですが、
3つをとおした時に、浮かび上がってくるメッセージが見えてきたような気がしました。

きっと人それぞれだと思うのですが、私は、「役」と「役者」と「役割」の境目をあいまいにして、場所や時代の境目も超えていく作品たちから、

今、目の前にあることを疑ってもいいんだよ、これまでの価値観や常識を疑ってもいいんだよ、という強いメッセージをやさしく受け取りました。

とても充実した配信公演観劇体験でした。
ぜひ、みなさんに体験してほしい~!!


アーカイブは9/30までです!

渡辺源四郎商店Presentsうさぎ庵Vol.17 『山中さんと犬と中山くん』
http://www.nabegen.com

作・演出 
工藤千夏

出演
桂憲一(花組芝居)
大井靖彦(花組芝居)
八代進一(花組芝居)
西川浩幸(キャラメルボックス)
山藤貴子(PM/飛ぶ教室)

声の出演
植本純米(花組芝居)

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