《 ワレワレのリターン!! 》|参加劇団の魅力に迫る。|■佐藤佐吉演劇祭■ 特集その2!
こんにちは!
スタッフの望月です。
《佐藤佐吉演劇祭》特集、第2弾!
前回は「王子小劇場ってどんな場所?」というテーマでお話しました。
今回のテーマは
「 佐吉祭参加劇団の魅力に迫る 」。
「佐藤佐吉演劇祭2022」では、演劇祭実行委員会によって厳選された、選りすぐりの若手劇団の公演が行われます。
それぞれ、本当に魅力的で、興味をそそられるものばかり…!
「 演劇を観てみたいけれど、
どの作品を観ればいいのか分からない… 」
という方も、きっと多いはず。
そこで今回は、参加劇団を【ジャンル別】に分け、ひとつひとつご紹介いたします!
この記事と今の気分を照らし合わせて、「この作品、観てみたい!」を引き出すお手伝いが出来れば嬉しいな、と思います。
それでは早速、ご紹介していきます…!
◆衝撃と切なさの緩急、ぐっとくる。
〈「エモーショナル」な演劇 〉
「エモい」という感情は、演劇文化のひとつであり、必要不可欠な要素だと思います。エモ要素たっぷりの演劇です。
ザ・ハイセンス。風刺の効いた笑いあり。
「コンプソンズ」
明治大学のサークル「実験劇場」から発足された劇団「コンプソンズ」。
コンプソンズの魅力は〈皮肉の利いた笑い〉。言葉選びやひとりひとりの動きにいちいちセンスを感じます。気が付いたら、コンプソンズの勢いにのまれている感覚、一度味わうと癖になる…!
今回上演される「イン・ザ・ナイトプール」は、劇団員の方たちがそれぞれ作演をされていて、4つの短編集のような作品です。全員で作り上げていく集団創作という新しい演劇の形を、是非観てみたいです。
括目せよ。これが令和の演劇だ。
「中野坂上デーモンズ」
ENBUゼミナールから発足した劇団、「中野坂上デーモンズ」。
先の読めない展開がどんどん進んで、でも何故か最後、すごく圧倒的な気持ちにさせられる…。台詞のひとこと目から、会場の空気感がデーモンズの色に染まる瞬間が、たまらないのです。演劇の新しい時代を築く、正に「令和のアンダーグラウンド」だと思います。
今回の公演タイトルは「 安心して狂いなさい 」。タイトルとチラシビジュアルから滲み出るカオス感。それに加えて総勢20名の大規模公演ということで、めちゃくちゃ楽しみ…。
笑いとエモの、センセーショナル群像劇。
「第27班」
尚美学園大学サークルから発足した「第27班」。
彼らの魅力は、他にはない〈センセーショナルな群像劇〉。笑いとエモの波が交互に押し寄せてくる感じ、観劇後になんとも言えない爽快感が味わえます!ぽんぽんとテンポよく繰り広げられる舞台を是非観て頂きたいです。
今回の公演作品「下品なジョン・ドー 笑顔のベティ・ドー 」。アメリカの映画作品のような題名とチラシビジュアル! 劇作家協会新人戯曲賞ノミネート作の再演というところも、かなり注目度が高い…!
演劇で元気をもらいたい方へ!
〈「元気になる」演劇 〉
ただただ元気!なのではなく、最後は「あー、なんか観にきてよかった。」という、優しい余韻がある演劇、ここにあります。
演劇で、初期衝動を感じる。
「南京豆NAMENAME」
法政大学Ⅰ部演劇研究会より発足した「南京豆NAMENAME」。
( なんきんまめなめなめ と読みます。)若さと情熱で突っ走るような、熱い演劇が魅力的です。その演劇に対するまっすぐさ、唯一無二のかっこよさを感じます!とりあえずふざけて、汗をかいて、でもその中で切なさがあり、やるせなさがあり…。「演劇はこうでなくっちゃ!」と思わされます。
今回上演される作品「リディキュラブ」。インパクトあるチラシビジュアルがまたかっこいい…。勢いのある彼らの演劇、必見です。
仙台からやってきたパワフル劇団。
「劇団短距離男道ミサイル」
東日本大震災をきっかけに「仙台、東北、そして日本を笑顔にしたい」という想いから発足した劇団、「劇団短距離男道ミサイル」。
基本的に「裸」と「大声」の、激熱ハイテンション!彼らの舞台をひと目観れば、誰もが笑顔になること間違いなし。「日本を元気にしたい」というところから一切ぶれていないところに、優しさと信念を感じます。
今回公演される「Ultimate Fancy Ojisan」。よく見てみると、題名の中に「王子」が入っている…!仙台から東京へ、パワーを届けにやってきます!
◆演劇初心者にお勧め!圧倒的クオリティー!
〈「親しみやすい」演劇 〉
圧倒的クオリティーの高さで、観るものの心を奪っていく演劇。「演劇観たことがない…」という方も、構えずに見ることができるかと思います。
これぞ、「生」の演劇体験。
劇団スポーツ
法政大学から発足された「劇団スポーツ」。
劇団スポーツさんといえば、脚本だけでない、〈舞台上で思ったことを言っちゃう!〉圧倒的な生感覚劇!素なのか、役なのか、どっちなのかが分からない、臨場感は唯一無二です。舞台の余白に、遊び心がたっぷりと込められています。
今回の公演「怖え劇」。強烈な色合いとデザインのチラシビジュアル。どんな劇なんだろう。ホラー?コメディー?想像とワクワクが広がる…!
レベルの高い、脚本・演出・芝居。
「やみ・あがりシアター」
2012年に旗揚げされた「やみ・あがりシアター」。
佐藤佐吉賞最優秀脚本賞、若手演出家コンクール優秀賞など、多くの受賞歴のあるザ・実力派。ファンタジーとミステリーの狭間のような作品は、文学としても魅力的。レベルの高い舞台構成力は、観る者を一瞬で世界観に惹きつけます。
今回の公演は「マリーバードランド」。「南極で挙式披露宴をするお話」、ポップで楽しい演劇を観ることが出来ます…!
初めて出会ったのに、どこか懐かしい。
「かるがも団地」
2018年12月に八王子で旗揚げされた「かるがも団地」。
「かるがも団地」のまるっと優しい字面と響き、劇団のイメージにぴったりです。多くの人に寄り添うような演出が、あったかくて、懐かしい安心感があります。
今回の公演「なんとなく幸せだった2022」。淡くて優しい色合いのチラシビジュアルがとっても綺麗。きっと誰もが「なんとなく幸せだった」瞬間を、思い出すのだろうなと思います。
生活の中の、間、を感じる。
「劇団普通」
2012年に旗揚げされた「劇団普通」。
「日常」を題材に、人々の人間模様が描かれます。静かに、淡々と進んでいく物語に、不思議と降りてくる緊張感。台詞と動きの、絶妙な間の取り方にリアリティを感じます。
今回の公演「秘密」。シンプルさとミステリアスさの合わさった題名とチラシビジュアルに、どうしても自然と惹かれてしまう。
◆世界観にどっぷりつかりたい!
〈「ロマンチック」な演劇 〉
紡ぎ出される言葉が、どこをとっても眩しい。劇団独自の世界観から生まれた、一瞬一瞬が美しい演劇です。
「織りなされる」とは、正にこのこと。
「複合創作ユニットwakka」
2020年9月に旗揚げされた複合創作ユニット「 wakka」。
小説、詩、演劇など、いろんな表現形態をされていて、その表現1つ1つが調和し、磨かれ、自由に私たちの中に入り込んでくる作風に、"複合創作"の意味を感じます。緻密に練られた舞台作品は、誰もが息を呑む美しさです。今回の公演「phantasma alley」。ダブルキャストとなっており、公演ごとに変わる作品の味を、是非確かめたいです。
未知なる「かわいい」求道者。
「route.©」
2018年5月に旗揚げされた劇団「route.©」。
彼女たちの舞台作品は、耽美的で、でも辛辣で、一瞬一瞬があまりにも美しい。「ひねくれ者よ、可愛く、世界を創れ」という合言葉からも伝わってくる独自の美学は、きっと多くの共感を呼ぶだろうなと思います。
今回上演される舞台「放課後、ミドルノート」。「幸せっていつも少しグロい」というコピーが、心にずんっときます。こだわりの詰まった、儚い物語、ぜひ生で観てみたいです。
いかがでしたでしょうか…!
わたし自身、「やばい、全部観たい。」と言いながら、紹介文を書きました。
それほどに、全11団体それぞれ、唯一無二です。
どれもレベルが高く、観て損がないものばかりです。
そしてそして、とってもお得な情報がひとつ。
劇団スポーツさんがやっている「勝手に、スポーツとはしご割」企画では、劇団スポーツ「怖え劇」のチケットを持ってはしご割実施団体の公演に行くと、チケット代が【500円引き】になる企画をやっています…!
「演劇をはしごする」という体験をこんなにお得にできちゃうなんて、嬉しすぎる。
いよいよ16日から「佐藤佐吉演劇祭2022」が開幕します。
「ひとつの演劇と出会う」という体験を、この演劇祭でぜひ味わっていただきたいです。
観劇後、どこかふっと気持ちが軽くなったり、なんだかすごく思考が巡ったり…。演劇によってふと湧き上がる感情は、きっと、自分の中で大切なものになるのだと思います。
気になった方は、是非、「佐藤佐吉演劇祭2022」に足を運んでみてはいかがでしょうか!^^
次回の「佐藤佐吉演劇祭2022特集 その3!」では、佐吉祭の関連企画である〈見本市〉〈三六闇市〉〈王子落語祭〉についてご紹介いたします。お楽しみに…!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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