見出し画像

変わり者たち(人々編)

どこの国にも「変わった人」と呼ばれる人たちがいる。見出しの写真は、オッドアイという左右の瞳の色が違う病気で、稀にこの国で見かける。それにしても、だいぶ変わっている人が多い国だったので紹介していきたい。自分は変わっているって思う人には安心して欲しい。

オタクが国の架け橋!?

ひょんな事からバングラデシュのマンガオタクの集まりに行くことになった。日本の文化がバングラデシュという国まで広がって、評価を受けているのは嬉しいものだ。

お金に比較的余裕のある大学生がほとんどで、日本語の雑誌やマンガを見ている人や絵を描いている人や歌っている人など、みな思い思いに過ごしていた。

中には、マンガから日本に興味をもち、日本語を3年勉強して日本に行った子もいて、"Akihabara is awesome!!"(秋葉原、最高!)と興奮気味に繰り返していた。

その後も海外に行く度に色々な国籍の人と話していても、日本に興味をもつのがマンガという外国人は少なくない。日本に住んでいる外国人のほどんどは、アニメやマンガの影響で日本に興味をもった人が多い。

「かめはめ波」
と聞こえたので、振り返ってみるとドランゴンボールのごっこ遊びをベンガル人同士がしていた。幼少期にしていたのを思い出し、懐かしさを覚えた。

その人がどこで日本と繋がるか分からない。文化の発信は、伝統の継承と日本への関心に繋がる。日本文化を知ってもらうことで、価値の再発見や新しい価値や文化が生まれるかもしれない。

なかなかポップカルチャーも侮れない。

逞しく生きる、松葉絵杖の男。

久しぶりにカメラを持ちながら歩いていたら、片足のない青年が写真撮ってくれと言ってきたので撮影していると、後方から足の悪いおじさんが「俺も撮ってくれー」と言いながら一生懸命走ってきた。

写真を撮りながら、この人たちは物乞いで生計を立て苦しい環境にいるのに「いつも心に太陽があるんだ」と彼らの強さにしみじみ感じた。彼らは、金銭をせびることなく去っていった。

忙しさという名の下に隠れてしまっている無邪気さや純粋さ、好奇心を思い出させてもらった。

今でも一生懸命走ってきて、満面の笑みでいい顔していたおじさんの顔が忘れられない。

蛍光黄色の点滴と少女。

フォリドプールという場所に、政府公認の売春宿があるというので知人を通じて、現地案内人にアテンドしてもらうことになった。現地案内人は、AIDSの啓蒙活動する地元のNGOの代表のおじさんだ。

イスラム教なのに、政府公認の売春宿が存在していることに矛盾を感じたが、色々な利権との関係があるのかもしれない。町の歩道沿いにある目隠しの小汚い布を潜っていくと路地の入り口があり、さらに奥を進んでいくと道の両サイドに女性たちが立っていた。

彼女たちは、顔に白粉みたいなものを塗り、白い顔に濃い眉毛を描き、真っ赤な口紅で口元を目立たせていた。その脇には、町で見てきた明るく人懐っこいベンガル人ではなく、私たちの来訪を歓迎していない様子のジャンキーたちが座っていた。

この国の女性は、外では絶対にタバコを吸わない。そもそもほとんどの女性が吸っていないが、ここでは女性たちは外でタバコを吸っている。この路地には茶屋や売店もあって子どもの姿も見かけたが、他の路地とは雰囲気が違った。

路地を進んでいくと4階建ての売春宿に着いた。建物の中は薄暗くて、コンドームの袋が地面にたくさん落ちていた。1フロアに20戸以上の部屋があり、部屋の中はベットとタンスがあるくらいで他に家具はなかった。女性たちは、そこで暮らしながら客を引入れて商売をしている。

自分の生活スペースで売春をしているのだ。当然、子供がいる女性は子供もその部屋で暮らしている。辺りを見回していると、女性が腕をつかんできて話しかけてきた。売春宿の女性たちは13歳から中年女性までいるが、若い子の方が売れるので、若い子が多いと言う。

話を聞いている途中、すれ違う女性たちに違和感を覚えていた。その違和感というのは、顔や体は中学生くらいの容姿なのに胸だけ異常に発達していることだ。明らかに不釣り合いな胸と体のアンバランスさに見ていて痛々しかった。

ある部屋の前を通った時に、ドラックで無気力になってベットの上に横になっていた男と同じく横たわり蛍光黄色の点滴を刺している少女がいた。ついてきていた女性に聞くと、胸が大きいとお客さんが取れるので、牛を大きくする為に使う中国製のホルモン剤を胸が小さい子は打っていると言うのだ。

自分の知らなかった世界に触れて、気分がずっと上がらなかった。ちなみに料金は200tk(約250円)だが、全部女の子にお金はいかないのでそれを考えると色々思うところがある。

現地のNGO団体の代表のおじさんは、売春宿で生まれた子供もやはり同じく売春婦になる事は珍しくないと言い、生活の為には仕方がないと言う。しかし、売春で生計を立てる彼女らを少しでも救うために、コンドームの推奨や支援をしていると言う。

どの時代もどんな国にも売春と麻薬というものは、存在するのだろう。
自分とは無縁に思っていた世界は、実は日常のすぐ側にあった。薄汚れた布一枚を潜れば、もう一つの世界が見えてくる。


いつの時代も変わっている人たちが時代を変えてきた。

社会という大多数の中で少数派として生きるのは辛いことだが、少数派だとしてもめげずにその才能を上手くいかして、大多数の人たちと上手く生きていって欲しい。

日本社会のように生活水準が高くなってくると安定を重んじ、社会にとって当たり障りない人間が増えていく。変わった人は、社会で当たり前と思っていることに違和感を感じながらも、何とか浮かないように周りに合わせようと生きている。

また、当たり障りないようにしている人の中でも、本当は苦しいのだが我慢して生活している。なぜかみんな我慢して生きている。

子供には、ありのままの自分で生きていけるような道を見つけてほしい。その為の手伝いができれば良いと思っている。当たり前に縛られずに、色々な生き方がある事を知って欲しい。

子供がみんなと同じ事が苦手でも、その子を理解してその子がもっている性質を上手く導いてあげて、関心あることを伸ばしてあげてほしい。公立学校の40人学級の中で一人一人の個性を伸ばしていくのはなかなか難しいので、親の協力が必須になってくる。学校で言われたことができなくても、面白い個性を持っている子は多い。


ガンジー、マザーテレサ、スティーブジョブズなど、皆変わり者と呼ばれ、諦めないで自分の道を進んでいたから世界は変わってきた。

変わり者が世界を変えていく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?