2020年に購入したアルバム

2020年に買った新譜はおそらくこれで全部かな。引っ越してレコードをまともに聴ける環境になったので、レコード比率が多くなった年でした。基本的に長いアルバムは2枚組になってしまい聴くのが億劫になるので、レコード1枚に収まるアルバムはレコードで、それ以外はCD、そしてデジタルでしか聞けないやつはなるべくアーティストに全額入る日(素晴らしいキャンペーン)にbandcampで購入しました。好きなアルバムはCDの後にレコード買ったりも。あとは旧譜も同じくらい買ったかな。2020年は何年周期でやって来るPulp大好き期がまた来たので、His N' Hersのb面付きレコードや、この時期のシングルやEPなどを買い漁っていました。もしかしたら The Sisters E.P.がPulpの最高傑作なのでは、と最近思っていたり。

コロナで色々と大変な1年だったけれど2020年もまた最高の音楽年でした。例年以上に絵を描き続ける推進力になってくれたと思う。(まあ毎年毎年同じことを言っているけれど)でも今年は、くるりのアウトテイク集をはじめとして、こんな一年じゃなかったら出なかっただろうものも発売されたりして音楽生活的には悪いことばかりじゃあなかったかも。(とはいえ、こういうアルバムがアーティストや周りのスタッフを支えるため、苦渋の決断で出したのだろうことは想像に難くないので、それを聴くことへの罪悪感は少しあるかな)いつもなら、年末に友人たちとその年に好きだったアルバムをわいわい発表し合ったりしているのだけれど、今年はひとり寂しく一言コメントでも書いて残しておきます。早くまた、普通に飲んだくれながらみんなで音楽話をしたいな。

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CD
Sufjan Stevens-The Ascension
個人的には、なんとなくアメリカの大統領選のニュースとリンクして記憶されたアルバム。Bidenが勝った後はほっとして一時的に聴かなくなったけれど、先日の醜いcapitol riot後はまた聴いている。このアルバムに救いを求めているのとはちょっと違うんだけれど、なんだろう、やるせない気持ちの時に聴くアルバム、またはやるせない気持ちになりたい時に聴くアルバム?とにかく不思議な一枚だけれど、これからも断続的に聴いていくことになりそう。

Phoebe Bridgers-Punisher
このアルバムが出るまでPhoebe Bridgersはあまり好きでなかった。大好きなBoygenius3人組の中で唯一ソロアルバムを買っていなかったくらい。Coner OberstとのBetter Ovlivion Community Centerも微妙だったし、Boygeniusの曲もJulien BakerとLucy Dacusの曲が素晴らしすぎたせいであまり印象に残らなかったし。でも、おそらく、このアルバム最後の曲「I know the end」のラストの叫びを聴いて彼女に一気に恋をしてしまいました。これって、もしかしてBright Eyesの「Lifted or the story is in the soil」の最後の曲のラストに叫ぶところのオマージュなのかな?しかも、ゲストクレジットされているお師匠さんのConor自身もここで一緒に叫んでる?実際はわからないけれど、鳥肌モノでした。とにかくそんなことを考えながらこの曲が大好きになって、アルバムも大好きになって、他のアルバムやEPも買い揃え、もしかしたら2020年に一番聴いたアルバムになったかもしれません。今後も楽しみ。でも、今なら好きかも!って聴いたBetter Oblivionはやっぱり入り込めませんでした。でも、Bright Eyesの新譜がかなりがっかりだったのでもしかするとPhoebeじゃなくてConorの問題だったのかも…

Bright Eyes-Down In The Weeds, Where The World Once Was
前作が微妙だったのであまり期待していなかったのだけれどやっぱり…な感じでした。でも、新譜が出る限り買い続けるし、期待していないふりをしながらも期待し続けると思います。

Fiona Apple-Fetch The Bolt Cutters
Pitchfork10点は置いておいても(Pitchfork10点て、個人的にはファミ通クロスレビュー40点と同じ程度の重み)素晴らしいアルバムだった。何よりアイデアに溢れていて聴いていて耳が楽しい。スペシャルエディションパッケージは過去の「The Idler Wheel~」の方が好きだったかな。変なマグネットが沢山付いてきた。

Gorillaz-Song Machine Season one Strange Timez
やっぱりGorillazは好き。というよりも、Damon Albernが好き。Elton Johnのインタビューで、Damonはイギリスの至宝だって言っていたって聴いたけれど同意。Season Twoも楽しみ。

Dirty Projectors- 5EPS
メンバー4人がそれぞれ1枚づつEPを担当し、最後の一枚でみんなで歌うというコンセプトのEPを集めたコンピ版。最初は、え〜、全部 Daveが歌ってよ!って思っていたけれど、だんだん好きになってきました。Dirty Projectersは聴いた後の疲労感が強めのバンドだったんだけれど、今回のアルバムはあまり疲れないで聴けるところが良いのかも。このラインナップで作っているだろう次作が今から待ち遠しい。

Sports Team- Deep Down Happy
かつてのブリットポップ時代にはこんなバンドうじゃうじゃいたなあと思いながら聴いていました。

Of Montreal- UR FUN
毎回最高、今回のアルバムも最高。ビジュアルも好き。Kevin Barnesとにかく大好き。

Travis-10 Songs
悪くないけれど、残念ながらやっぱり時代にアップデートしきれていない感じがするかな。Valentineは好き。それよりも国内版のボーナストラックが1枚めの最後に入っているのが嫌だ。せっかくデモ集との2枚組なのだから、そっちに入れてほしかった。アーティストは命を削って完璧な流れのアルバムを作ろうとしているだろうに、適当なボートラを最後に放り込むのはアーティストに対する侮辱だ!って、結構頻繁に思っちゃうかも。The NationalのI am Easy to Findの時もそうでした。Dirty Projectorsの5EPもそうでした、結局CDを取り込んでボートラを別アルバムとして編集して airplay2でステレオに飛ばすというなんだかなあということをやらないといけないのは面倒だなあ。じゃあ輸入盤を買えばいいじゃん!とも思うんだけれど、やっぱりボートラは聴きたい!ので、多分。今回のBright Eyesのアルバムのようにボートラだけダウンロードコードで入っているのが一番良い解決策かも。あ、でもこんだけ言っておいたあとで申し訳ないのですが、Vampire WeekendのFather of the Brideの国内版だけは、4曲のボートラ(Jude Lawの朗読で〆るやつ!)を含めて完璧なアルバムになっていたと思うのでやっぱりやり方次第なのかな。

The Strokes- The New Abnormal
ランキングするとしたら、個人的に2020年ナンバーワンアルバムはこれ。なんだか巷では最初の2アルバム以外はちょっと過小評価されている気がするけれど、自分は全部好き。その中でも、今回一番好きかも。とにかく最初の3曲の流れが完璧、歌詞も素晴らしい。Bernie Sandersラリーでのライブもかっこよかった。アルバムの予言的タイトルもすごい、時代を超越している。コロナ初期の鬱蒼とした時期をあまり落ち込むこともなく過ごせてたのもこのアルバムに助けられたところが大きいと思う。

The 1975- Notes on a conditional form
未だに頻繁に聴いている前作「A brief Inquiry into online relationships」の双子アルバムという触れ込みだったのに、あまりに違う毛色なのではじめは戸惑ったけれど、なんだかんだ飽きずにこっちもずっと聴いている。前作がコンセプトアルバムのようにきれいにまとまったアルバムだったのに比べて、こちらは雑多雑食のやんちゃアルバム。でも不思議とコンピ感は無く1枚のアルバムとして成立しているので、なんだかんだやっぱりこのバンドはすごいのかも。先程のStrokesのアルバム名と同じで、外に出たくないから全部ここに持ってきてくれって歌うPeopleの歌詞もちょっと予言的。時代感覚に優れた人たちはみんな何歩も先を走っている。見習いたい。

King Knu- Ceremony
飽きるのが早いかなと思っていたけれど、今でも時々聞きたくなる。Teenager Foreverはやっぱり良い。Teenagerという単語が入っている曲やアルバムにハズレ無し。もちろん、フジファブリックのアルバムのこと。

くるり- thaw
ご本人達は嫌がるだろうなあと思うけれど、ここ10年間くらいでダントツに一番好きなくるりのアルバム。くるりは絶対に一生嫌いにならないバンドのひとつでこれからも全部買い続けるけれど、最近のアルバムは肩の力が入りすぎているることが多くちょっと窮屈だなあと思っていました。最後に好きだったのは、震災後の坩堝の電圧かな。本当に素晴らしいアルバムでした。で、今回は、初期のアウトテイクが聴ける!ということで楽しみにしていて、実際チェリーパイとか聴いて、あの頃の大好きだったくるりだ!!って涙が出そうになったりしていたけれど、もっと最近作られたらしい曲も全部均等に素晴らしく、捨て曲が一曲もないコンピアルバムという珍しい一枚でした。後半のOnly Youからの流れとかも本当に好き。思えばくるりって、本当に特別なバンドがそうであるように、シングルB面に名曲が多く、B面集の「僕の住んでいた街」大好きなだったことを思い出した。そう考えると、やっぱり肩の力が抜けたくるりが最高なのかなとも思うけれど、「図鑑」、「TEAM ROCK」、「魂のゆくえ」、「坩堝の電圧」など、アルバムとしても最高なものがこんなにもありました。ともすると、今作っているらしい次のアルバムはそろそろまた大好きな一枚になるのかなあと期待を膨らます今日このごろ。

Belle and Sebastian- What to look for summer
ライブ盤。う〜ん、何度か見ている実際のライブは素晴らしいのにこれには入り込めない。

The Divine Comedy-Venus, Cupid, Folly & Time (24CD box set)
宝物がまたひとつ増えたかも。とにかく丁寧に作られたボックスセット。すべてのアルバムにパンパンにデモや未発表曲(全部クオリティーが高い!)を詰め込んだボーナスディスクがついていたり、すべてのアルバムに短編小説くらい長いセルフライナーノーツが付いていたり、極めつけは、アートワーク。箔押しのボックスの中には、すべてのジャケットの上に統一感のあるボックスセット専用スリップケースが被せられていて、それらが箔押しのボックスに収められている。おまけにオフィシャルサイトから購入するとNeilの直筆サイン入り手紙まで。そんなこんなでここ最近はかなりの時間がDivine Comedy漬けの時間。ちょっとだけ絵がエレガントになるかも。

Pearl Jam- Gigaton
グランジヒーロー達がどんどん去ってしまう中、続けてくれているだけで嬉しい。Eddie Vedderはずっと尊敬する大人のひとり。

Perfume Genius- Set my heart on fire immediately
良いアルバムだけれど、ちょっと完璧すぎるのかなあ。前作までのあの壊れてしまいそうなフラジャイルさが好きだったから。

Pet Shop Boys- Hot Spot
Pet Shop BoysもOf Montrealと同じで、打率8割くらいで最高傑作を出してくる。今回も大当たり。最後のWedding in Berlinでは毎回笑ってしまう。

Andy Shauf- The Neon Skyline
可愛らしいアルバムだった。もうひとつ何かがあればもっともっと好きになりそうなアーティスト、って毎回アルバムを聴く度に思う。

Tame Impala- The Slow Rush
良いけれど、過大評価されすぎじゃないかなああ、って毎回アルバムを聴く度に思う。

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レコード
Grandaddy-The Sophtware Slumpボックスセット
Jason Lytleによるピアノのみでの全曲再録が期待以上に素晴らしかった。染み入る。せっかく再結成したのにKevin Garciaが亡くなってしまってGrandaddy周りがどうなるのかと思っていたので2020年はシングルやこのボックスセット、そして後述するADRAD復活まであってほっとした一年でした。Jason Lytleにはずっとずっと続けてほしいし、ずっとずっと大好きだと思う。願わくば、SumdayもJust like the fambly catも同じ形でボックスセット出してくれないかな。

Phoebe Bridgers-Punisher(blue/green swirl edition)
CDが良かったのでレコードも。原宿のBig Love Recordsで購入したらアートプリントも付いてきて嬉しかった。あと、ここで買うといつもランダムな外国のお菓子が入っていて家族にも喜ばれる。

The Strokes- The New Abnormal (picture disk edition)
CDが良かったのでレコードも。コロナロックダウン時期にオフィシャルサイトから頼んだらちゃんと届いたのでびっくりした。

Will Butler- Generations
Arcade Fireが大きくなりすぎているので、くるりのthawとはまた違った形で肩の力が抜けている良いソロアルバムでした。

Arctic Monkeys- Royal Albert Hall (clear vinyl edition)
ライブアルバム。2014年サマソニでのライブのあの若気の至り的ライブの衝撃をまだ体が覚えているから、仕方ないけれど物足りなく感じてしまう。良いんだけれど。

Of Montreal- UR FUN
アートワークが好きなので、CDに加えてレコードも。

Angel Olsen- Whole New Mess
前作All Mirrorsを再構築したアルバムなんだけれど、ギシギシに組み上げられていた前作に比べ、アコースティックに余白ができた分、そこからちょっと恐ろしい怨念めいたものが流れ出ている気がする。一見爽やかなんだけれど、朝に聴くとなんだか一日調子が出なくなるようなアルバム。でもだからといって夜寝る前に聴けば怖い夢を見てしまうようなアルバム。


STRFKR- Future Past Life (Orange vinyl edition)
ジャケ買い。

Daniel Rossen- Deerslayer
Daniel Rossenものは全部買います。そろそろまたDepartment of Eaglesもやってほしい。

Sufjan Stevens-The Ascension (Clear vinyl edition)
CDがよかったのでレコードも。

Hamilton Leithauser- The Loevs of Your Life
普通に好き。Rostamとのアルバムのようなマジックには欠けているけれど。小さいお子さんや奥さん、お父さんと家からやったTiny Desk Concertはコロナ時代のライブとして正解なんだろうとは思うんだけれど、あまりに幸せな光景すぎてちょっとアルバムのイメージが変わってしまった。なんだろう、やっぱりHamilton Leithauserにはもっとやさぐれたギラギラした感を求めているのかなあ。

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坂本慎太郎ー好きっていう気持ち
坂本慎太郎ーツバメの季節に
曲はもちろんのこと、坂本慎太郎のアートワークの大ファンとして、活版印刷のアートワークが嬉しい。今年の個人的にアートワーク大賞。

Pavement- Sensitive Euro Man (Shaped Picture vinyl)
こちらもアートワーク大賞。それより、なんで Terror Twilightだけまだ豪華リイシューが出ないんだろう。ずーっと待ち続けている。

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配信
Phoebe Bridgers- Copycat Killer
オーケストラ版、素晴らしかったので、どうせなら4曲とは言わずアルバム丸々出してほしい。

Phoebe Bridgers- If we make it through Christmas
Silent Nightの7 O`clock newsのオーバーダブは、さすがにクリスマスものとして聴くにはしんどいので、結局2020年のクリスマスもひたすらSufjan Stevensのクリスマスボックスセットを聴いていた。そろそろボックスセット第3段出ないかな。

Fleet Foxes- Shore
何度トライしても入り込めない。(他のFleet Foxesアルバムと同じく)

Admiral Radley- ADRAD Radio
2020年はJason Lytleがかなり動いてくれたのが嬉しい年でした。Grandaddyの新曲に、The Sophtware Slumpボックスセットに、まさかまさかのAdrad新作まで出るとは!(内容も良いし!)日本版出る時はまたアートワーク描かせて欲しいな。

Hamilton Leithauser- Live! At Cafe Carlyle
カバー曲も多くてよかったです。

Sufjan Stevens- America
12分くらいあるB面のために。レコード欲しかったけれど売り切れてしまった。

Nine Inch Nails- Ghosts V: Together
Nine Inch Nails- Ghosts VI: Locusts
インスト集。名義はNine Inch Nailsじゃなくてもこれは良いような。

Father John Misty- Off-key in Hamburg
ライブ盤。悪くないけれど、youtubeで見れるpitchfork主催の方が好きかな。あれは、得に後半、見るたびに息を詰めてしまう。

Owen Pallett- Island
せっかく美しいアルバムなのに、ジャケが馴染まない。色々事件などあったらしいので、やりたいことも、なぜこうなったのかもわかる気はするんだけれど。やっぱり、Owen Pallett作品はアートワーク込みで好きなのかな。


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