〈タマコンA〉イソペンチルジオール×ソルビトールのキューティクル補修力

【タマデミア】
ここの所、自分の中でタマコンAの再評価熱が高まってます^^
そんな中、今日はタマコンAのキューティクル補修力の一端をご紹介します。

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タマコンA

タマコンKとセットで使用する様に設計されたアニオン性PPTミックス。
この濃厚なPPTを、毛髪内にしっかり浸透させ、定着させるのが、タマコンKの仕事です。

そんな、K&Aのイオンコンプレックスを利用したシステム毛髪補強剤ですが、このタマコンA単体も、
結構いろんなロジック、メソッド、ギミックを盛り込んだPPTコンクです。

全成分表示を見ていただくと、「水」一番上に来ます。
ここには、多く配合したもの順に表示する義務があります。
1%未満のものは順不同でOK。

水が一番たくさんですが、これ、水で薄めてるわけじゃないんです。
例えばPPT原液とかって、濃度が22%とかだったりして、そこに防腐成分が数%、あとは最初から水なんですね。
もし「原液だから100%」だと、多分固形になっちゃうんじゃないですかね。

なので、原液同士を混ぜてつくった商品でも、
50%以上は「水」になったりします。

イソペンチルジオール×ソルビトール

水の次に記載しているのが、ソルビトール

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砂糖の60%の甘みを持つ保湿成分で、食品添加物でもあります。
化粧品に配合するときは、その保湿力を活用されます。
水酸基だらけの構造をみるだけで、その保湿力は推して知るべし。
鼻セレブなど高級ティッシュが甘いwと評判ですが、
それはこのソルビトールが含まれているから。

ソルビトールについてはコチラ

これ、単に保湿剤として入れてるわけじゃないんです。
今回のギミックのメインは〈イソペンチルジオール〉。
これは成分表示名称であり、この原料の正式名称は
イソプレングリコール
あのクラレが独自開発した化粧品成分。
ソルビトール同様、多価アルコールであり、保湿性・両親媒性の溶解性・静菌性などの特徴を持っています。

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医薬部外品としての規格にも適合している、安全な原料と言われています。

このイソペンチルジオール、実は、優れたキューティクル補修効果が認められているんです。

イソペンチルジオールのキューティクル補修力

クラレ発表の資料を御覧ください。

kuraray

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キューティクル、結構きれいになってますね^^

そして、この効力は、イソペンチルジオール単体を高濃度で使うよりも、
ソルビトールと1:1で併用したほうが、効果が高いこともわかっています。

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ちなみに、実験方法は

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こんな感じです。
楽しそうな実験です(*´ω`*)

イソペンチルジオールが持つキューティクルの補修力の秘密とは?!

わかりませんw

クラレさんにも聞いてみたんですが、それを今、研究中だとか。

推測するに、イソペンチルジオールのもつCH3メチル基が、タンパク質との結合サイトとして機能し、キューティクル付近にしっかり浸透し、付着して、その保湿力とともに定着するのかな、って。
保湿されたものは柔軟性を持ち、割れにくくなります。
[参考文献]
https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/54/8/54_802/_pdf/-char/ja

タマコンAのその他の補修力

タマコンAに配合されたいくつかの特徴的な成分を軽くご紹介します。

・キューティクルケラチン
SSを持つスルホ型の活性ケラチン。
クローダジャパンのSD300とよく比較されます。
あちらはその名の通り分子量300ですが、
キューティクルケラチンは400分子。
構造的にはよく似てますが、原料が大きく違います。
SD300はコルテクスを主原料としていますが、キューティクルケラチンはその名の通り、キューティクルを原料にしています。
特殊な抽出方法で近年、活性した状態での抽出が成功しました。

・リシン、アルギニン
PPTを構成している18種類のうち、この2つとあとヒスチジンだけが塩基性です。
極性が他の15種類と逆なため、カルボキシル基に静電気的に近寄る性質を持っています。
タマ燦やタマグリに配合された各種酸との結合率が高いアミノ酸です。
タマコンAには、2%以上配合されているBGの次に、このリシン、アルギニンが高濃度で配合されています。

・その他の16種類のアミノ酸スープ
髪を構成する18種類のアミノ酸を配合。
毛髪そのものを補強します。

・フィッシュコラーゲン
魚鱗を原料とした400分子コラーゲン。
他のタンパク質には存在しないヒドロキシプロリンやヒドロキシリジンをはじめとした水酸基を有するアミノ酸を含むことが特徴です。
コラーゲンといえば「しっとり、ぷるぷる」なイメージですが、毛髪に塗布し、乾燥させると、ハリ・コシ・弾力に繋がります。
また、カラーの色味保持力もアップするというデータがあります。

・パンテノール
プロビタミンB5群であり、パントテン酸のアルコール型誘導体で浸透力が高く、毛髪に使用すると、一枚中に保湿力を加える、というイメージ。
内部へ浸透し、保湿力とともに、補強、艶感も与え、肥厚化する。
頭皮へは、かゆみ止め、保湿、抗炎症、細胞の活性化、育毛、繊維芽細胞の増殖、表皮角化細胞の分化促進などなど。

・ジラウロイルグルタミン酸リシンNa
ペリセア。
有名なアレですね。1分できっちり浸透し、シャンプーで洗っても落ちない。
内部補強力はなかなかのもの。
グルタミン酸とラウロイル基でできた界面活性剤2つのグルタミン酸部分をリシンでつないだような形。
詳しくはペリセアのサイトを御覧ください。
https://www.asahikasei-fc.jp/product/amino/pellicer/file/g/g-03.pdf
かなり高機能なケア剤です。
「界面活性剤じゃん。定着せずに落ちるんだろ。」みたいな声も多いのですが、意外ともちます。
そのあたりも上記リンクを御覧ください。
アニオン性を持ってますので、タマコンKとの反応もまたよき。

といった機能的な成分がしっかり入ったタマコンA。
Kとのコンプ剤として使うだけでOKなのですが、
基本的には500分子前後の低分子で構成されており、
ポリマー感などがないため、いわゆる
コンプ剤=被膜系
という感覚を持った美容師からは???な使用感かもしれません。
被膜ではなく、インナー補強剤です。
使っていくうちに、内部の補強感を強く感じます。

PPTはただ塗布しても、浸透や定着の面で不安が残ります。
そこで、このように加工されたPPTコンクを、
タマコンKといった浸透定着剤と併用すると、
簡単でテキメンに効果を感じられます。

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