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⑧闘う理由、闘いの支え。愛の戦士。

メルボルン旅行後、
お互いに仲良くいつもと変わらない日々を過ごしていた。


そして前回のメルボルン旅行で
元旦那はボクシングのコネクションを広げ、
2023年12月にはメルボルンでの試合も決まった。


決まった試合は、
いきなり対戦相手がオーストラリアチャンピオン…

慎重に検討を重ね、
検討を加速させ、
試合に臨むことにした。


準備期間は4週間。
あまりにも短すぎる。

日本での試合は通常2~3カ月前に試合が決まる。

そして問題の減量は12キロ。

試合の数日後は元嫁の誕生日もあり
必ず勝ちたいとの思いでトレーニングに励んだ。


ここから元嫁と二人三脚の戦いが始まる。


まず洗濯物だ。
1日に2回は洗濯機を回した。
元嫁も洗濯機をまわして、
干して、畳んでと
たくさん協力をしてくれた。


次に練習。
元嫁にもジムでの練習に付き添ってもらい。
ハードに追い込んだ。

元嫁には、
サンドバッグを抱えてもらい時間を数える、
お腹にボールをたたきつけてもらう、
スパーの動画の撮影などなど。

そして家に帰ったら、
練習の反省会にも付き合ってもらった。

元嫁はもちろんだが初心者である。
たがジムのファミリー割でフィットネスには参加していた。


トレーニングに付き合う元嫁


おかげで何となくだが相談や反省には付き合ってもらった。

これが試合前の不安定な心の1番の支えになった。


そして最後に減量である。

元旦那は最後の2週間は食べたいものも食べれず、
から揚げのお風呂につかる夢や、
エビフライが空を飛んでる幻覚も見た。

減量中ももちろんご飯を作るのは元旦那。

「嫁にうまい飯を食わせるのが旦那の使命」
なんて言っていつも4皿くらいは作っていた。

減量期間中も一緒にご飯は食べるが、
元旦那の食事は元嫁の4分の1以下。

ラスト一週間は
1日納豆1パック生活をした。

そんな元旦那人付き合ってくれていた元嫁だが、
最終的には
減量末期の元旦那の隣で
堂々とインスタント麺を食べる始末。

さすがであった。
図太くも、もはや凛々しいとすら感じた。

これも今となればいい思い出である。

計量前日からは
サウナスーツを着て
バスソルトを入れ半身浴。

元嫁が5分おきに生きているか様子見をしてくれた。


そして無事に計量パス。

飛行機の問題で前代未聞のオンライン計量、
後日元嫁とコーチと3人でメルボルンへ向かった。


試合は残念ながら負けてしまった。


それでも闘う理由になってくれて、
そばで支えてくれた元嫁は最高の嫁であった。


試合の後、
メルボルン滞在を2日伸ばし観光をした。



View Melbourneに滞在


次の日には、
元嫁が行きたがっていた
クロワッサン屋さんに行き、
クロワッサンをアホほど頼んだ。

噂のクロワッサン屋さん



靴を買ったときについてくる箱が出てきた(笑)
そこにクロワッサンが大量に入っていた。


クロワッサン買っただけなのに$60。


我々もドン引きしていたが、
他の客はさらにドン引きしてた。


減量で我慢してたのか、
クロワッサンを食べている
元嫁の笑顔はいまだ忘れられない。

これも今となればいい思い出だ。


そして食事や観光を楽しみ、
シドニーに帰った。

お気に入りの写真


試合後、
改めてこんな元旦那を支えてくれた元嫁に
感謝をし、涙を流しながら、眠りについた。

こんな破天荒な元嫁だったけど、
「いつかはチャンピオンベルトを嫁に巻かせたい」
そう静かに誓った夜もあった。

どんな時でも、
どんなに落ち込んでいる時でも、

「旦那がそう思うならそれでいい」

と優しい言葉をかけてくれて、
支えてくれていた元嫁の優しさが
確かにそこにあった。


元嫁がいたからこそボクシングを頑張れた。

言い方を変えるなら
元嫁がいないとボクシングをする理由がなくなった。

元旦那は9月に試合が決まっている。
これは元嫁と別れる直前、
音信不通になる数時間前に決まった。


今回もかなり大きな大会のタイトルマッチである。

もう元嫁は戻ってこないが、
必ず勝ってタイトルを獲得し、
いつか再開するかもしれない元嫁の為にも
必ずベルトを奪取しよう。

そう思うと、
まだボクシングを頑張れる理由は失ってはいない。


元嫁の偉大さ、
どれだけ生活に関わっていたか、
どんなに願っても届かない思い。

失ってから初めて気づいた。

そう思いながら今日も思い出と未練を書き綴る。

第一話で吹っ切れたなんて言ったけど、
本当は全く吹っ切れていないんだろう。

頭では割り切れても、
心はまだまだ吹っ切れていない。

頬も濡れたことだし、
汗で涙を流すためにランニングでも行ってこようかな。


次回、元嫁&元旦那の誕生日。

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