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認知症のリスク2倍         COVID-19の長期的な神経学的転帰

2023年5月8日から政府は新型コロナを2類感染症から「5類」感染症に変更を決定。

 私達、一人ひとりがこれから新型コロナとどのように付き合ってゆくかが、
大切となりますね。

 ここで、最近、新型コロナ感染後の長期的な影響について、nature medicineから論文が掲載されたので、少しご紹介いたしますね。

SARS-CoV-2の急性感染後12カ月における神経系障害の発生リスク

(目的)

これまで、COVID-19の急性期後の臨床神経学的障害を検討したほとんどの研究は、COVID-19の急性期に入院した人に限られ、すべての研究の追跡期間が6カ月未満で、神経学的転帰の選択も限られていました。COVID-19の急性期後の12カ月間の神経学的転帰を包括的に評価することが必要であるが、まだ実施には至っていないので、米国で退役軍人省のデータベースを使って調べました。

(方法)

米国退役軍人省の全国医療データベースを用いて、COVID-19患者154,068人、現代対照5,638,795人、歴史的対照5,859,621人のコホートを構築

(結果)

COVID-19の急性期以降において、虚血性・出血性脳卒中、認知・記憶障害、末梢神経系障害、エピソード障害(例えば、片頭痛や発作)、錐体外路・運動障害、精神障害、筋骨格系障害、感覚障害、ギランバレー症候群、脳炎・脳症などの一連の神経学的後遺症を引き起こすリスクが上昇していたことが明らかにされた。

特に認知記憶障害のハザード比(HR)2.03であった。

また年齢別に調べると、高齢者70~80代ハザード比(HR)1.5よりも

40代のハザード比(HR)1.75と高値であった。


(結論)

COVID-19感染後は中年の方がより認知・記憶(記憶障害・アルツハイマー病)障害の発生リスクが高いことが判明した。


(本研究の限界)

ほとんどが白人男性からなるコホートであること


 今後は日本人などの人種や男女比も均等に集められた集団での研究結果も発表されることを期待しますね。

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