焦りとは何か

 昨日より書き始めるのが遅い。だから少しばかり焦っている。早く書いて早く寝たい。でも焦ると何事もうまくいきづらくなる。
 焦りとは何か。それは感情の一種だ。人間だけに存在する感情なのかはわからない。地面を歩いているアリに煙草の火を近づけると慌てふためいているように見える動きをする。
 しかし焦りとは、予期に対する遅れを認識したときに芽生える感情だ。予期に対する遅れを認識するというのはなかなか高度なメカニズムだと思われる。
 焦るとうまくいかないのは、焦っているときには意識のフォーカスが目標ではなく目標への距離に向かっているからだろう。見据えるべきは目標なのに、目標への道のりの方が気になってしまっている。道を気にしていたばかりに、目標からずれた方向へ進んでしまっていたということも起こり得る。ハッと気がつくと余計に目標が遠のいている。するとさらに焦りが募る。焦りの悪循環。
 焦りを解消するには、距離ではなく目標自体に目を向けること。あるいは遅れという認識をしないようにすること。それは遅れではなく単なる距離であると認識すること。遅れを認識しないことは、予期しないこととイコールである。
 予期とは、目標に向かう自分の動きを想像することだ。だから予期するのをやめると、残るは目標と自分、そして距離だけが残る。
 ここまで来るとやることはシンプルで、ただ目標を見据えながら、足を動かすだけ。気がつくと目標に手が届くだろう。

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