見切り発車スタイル

　約2ヶ月ぶりにブログを更新しようとしている。約2ヶ月ぶりに「文章を書こうとしている」ではないところがポイントだ。文章自体はときどき——否、しばしば書いていた。といってもそれらは単なるメモ、あるいは無目的なフリーライティング、あるいは省みられることのないログとして書かれた（書き捨てられた）哀れな文章でしかない。
　アップロードする前提で文章を書くということが約2ヶ月ぶりなのだ。まあじつを言えばこの2ヶ月のあいだに一度か二度、ブログを更新しようと試みた記憶がなくもないのだが、話がいささかややこしくなるからなかったことにしている。

　ブログの更新が途絶える前は、アウトライナーについて書くことが多かった。文章を書くために手に入れた新しいツールだったからだ。
　アウトライナーとは文章を階層的・構造的に捉えやすくするツールのことで、たとえば長めの文章を構成するときに役立つ。
　そのときの僕はこれで文章が書きやすくなった、思考がしやすくなった、と喜んでいた。
　けれども今書いているこの文章はアウトライナーを使わずに、いきなりワープロアプリで書いている。
　もちろん最初はアウトライナーで考えることを試みたのだが、2ヶ月のブランクがあると何をどう構成していいのやらわからなかった。書きたいことはいろいろある気がする。けれどもそれらをひとつの記事にまとめるのは不可能だ。また書きたいことを書く前に、やはりいかにブログを再開するかということを考えてしまうわけだが、それについてもうまく考えが展開せず、良いアイデアが浮かばなかった。いかにブログを再開するかを考えていては、いつまで経っても再開できないように思われてきた。
　そういうわけで、構成やらスタイルやら内容やらをあらかじめ考えることを放棄し、サイコロを振るようにとにかく頭から文章を書き始めた。
　しばらくはこの「見切り発車スタイル」で——なんかほかによい命名がありそうだが思いつかないのでいったんこれで——書いていくことになりそうだ。