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第37話 介護離職の実態⑤

介護休暇を介護する為だけに使わずに、自立した生活を送るために試行錯誤する時間として使っても良いのではないか?

育児介護休業法について、以前の記事に常時介護が必要な状態という基準がすでに深刻な状態であって、介護保険制度も専業主婦が常に家にいるような前提で設計されているところがあるので短期間休みをとったりフレックスに働くようになったからといってそもそも生活が成り立たないのでは?ということを書きました。

しかし、もう少し詳しく読み込んでみると常時介護が必要な状態に関する判断基準が解釈によっては簡単にクリアできそうだったので、本当に常時介護が必要な状態になる前から積極的に利用しても良いのでは無いかと思います。

具体的には、

** 介護休業や介護休暇の申出があった時、対象家族が要介護状態であるかどうかを確認する為に労働者から診断書の添付を義務付けることが可能か?**ということについて事業主は労働者に対し、介護休業申出書の記載事項にかかる事実を証明できるものであって、 労働者に過大な負担をかけることのないよう、その労働者が提出できる範囲のものとすべきで、 介護休業や介護休暇の申出に診断書の添付を義務付けることは望ましくありません。なお、事業主が労働者に対して、証明書類を求め、その提出を当該労働者が拒んだ場合にも、 介護休業や介護休暇申出自体の効力に影響がありません。

と回答しています。

また、

常時介護を必要とする状態に関する判断基準の表について、

この基準に厳密に従うことにとらわれて労働者の介護休業の取得が制限されてしまわないように、介護をしている労働者の個々の事情にあわせて、なるべく労働者が仕事と介護を両立できるよう、事業主は柔軟に運用することが望まれます。

とも回答しています。

つまり働く人の申し出次第の側面がある、ということではないかと思います。

しかし私は、じゃあみんなどんどんこの制度を使おうぜ!ということが言いたいのではありません。そうではなくて本当に常時介護が必要な状態になる前に自立した生活を目指したほうが良くてその為に使ってはどうだろうか?ということが言いたいのです。

介護が必要な状態になった時には介護を提供するけれども、介護が必要な状態にならない為に自分でできることを増やしていくことも大切だと思います。その為のプロがリハビリテーションセラピストだと思うのです。

そしてそれは、能力を鍛えるという事だけでなく、環境を調整する、方法を伝える、生活スタイルを変えるなど本人の能力以外の環境に働きかける事で劇的に変わっていくものだと思う。つまり環境面のハードルを下げるのです。

その為に労働者はリハビリテーションセラピストと共に、どうやったら介護が必要のない自立した生活が可能なのかを一緒に試行錯誤して欲しいと思います。

そしてそれは本当に常時介護が必要で動けなくなってからでは遅かったりもする。

本当に難しくて伝わりづらくて、意識なんて変わるのは不可能かもしれないけれども、大事な事だと思います。


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