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セージの耳打ち#140 池袋から電車に乗って満州に着いた?

上京した直後、首都圏某市の大学に進学した高校時代の友人から「いっぺん遊びに来い」という手紙が来ました(当時、私は電話が無かった)。
暇だったので教えられたルートで電車を乗り継ぎ、相手の住むところまで向かったんですけどね、乗り継ぐたびに人里から離れていってビビりましたワ。
最後の乗り継ぎ電車に乗っていたら、果てしなく続く地平線に夕陽が沈んでいくのが見えてきて、「ひょっとしたら自分は時空を超えて満州にでも来てしまったんだろうか・・・?」とマジで思ってしまいましたね。いやホント。

事前に友人から「田舎だよ」と聞かされてはいましたが、腐っても「首都圏の範疇」なんだから、それなりに栄えていると思っていたんですよ私は。
しかし降り立った駅は、私の知る「田舎」を通り越した「民話の世界」で、駅前には「金物屋」と「大衆飯屋」しかなく、友人の下宿に続く田んぼ道には「道祖神」が祀られていたのでした。

友人がなんでしょちゅうウチに泊まりに来るのか、新宿を歩きながら「うお〜、アルタだッ!!!!」と叫んだりしてたのか、私はこのとき初めて理解したのでした。
とはいえ「近所に金を使う場がない」せいで「バイト代がどんどん貯まっていく」そうで、それは羨ましかったですよ。
なんせこっちは都会の誘惑に負けて散財しまくり、常にピーピー状態だったですからね。

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