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セージの耳打ち#254 「ホメる仕事」はしたくない

メディアの世界には「これをホメてください」と頼まれる仕事があります。
私的に試してみて「うわっ、これってすごくイイじゃん!」と感動した結果として「これイイよ」と発信するのではなく、「指定されたものを仕事としてホメる」わけです。
近年は「ステマ」と呼ばれて炎上する事も多いですが、それ自体は昔からあって「提灯記事」なんて呼ばれてました。

私はコピーライターを20年ほどやっていたので、「ホメる技術」はそれなりにあるんです。
ただし、それはコピー(広告文案)という「クライアントの代弁テキスト」であり「無署名原稿」だから書けた。
自分の名を冠した署名原稿では、それは絶対にやりたくない。

私の「ホメる技術」が通用するのは、文章という「顔の見えないコンテンツ」のみ。
動画のような「顔や声音が丸出しのコンテンツ」では全く通じません。
だって私、「本音が顔や声にあらわれる体質」なんですもの。
イイと思っていないものを涼しい顔で「イイ」と言うのなんか無理、絶対!

ずいぶん昔、映像作品のレビューを依頼された事がありました。
傑作とは言わないまでもせめて佳作だったらいいんですが、これが「稀代の駄作」と言わざるを得ないようなシロモノで、あんときゃホントに困った。
そういう事をしなくてよくなっただけでも、「東京を出て良かった」と私は思うんです。

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