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セージの耳打ち#139 憧れの「談話室滝沢」

メディア関係者以外にはピンとこない店名でしょうし、たとえ関係者でも若い世代にはもう通じないかと思いますが、新宿・池袋・御茶ノ水の駅付近にかつて「談話室滝沢」という喫茶店がありました。
その最大の特徴が「ドリンク類が一律1000円」という強気の値段設定。
「そんなに高いのに特に美味しいわけでもない」といったことも特徴的でした。

実はこちらは「マスコミ各社の社外応接室」的な存在だったんです。
「どれだけ粘っても嫌な顔をされない」という店だったので、店内ではそこかしこで打ち合わせやら取材やらが行われておりました。
そう、あの強気な値段には「場所貸し代」と「環境整備費」が含まれていたわけですよ。

「1杯1000円」というお高さが「チャラい輩を寄せ付けない堤防」となってくれて、店内は満杯でもとても静かでした。
またキリがいい金額なので割り勘もしやすく、「サークルのミーティング」とかにももってこいだったわけです。
「喫茶店」というより「喫茶店ぽいレンタル会議室」と考えたほうがいいかもしれない(だから「談話室」なんです)。

仕事の打ち合わせ相手(某ゲームメーカー)から「新宿東口の滝沢に◯◯時に」と指定されたときの感動は、今でも忘れられないなぁ〜。
「これで俺もついにプロとして認められた〜!!!!」と、当日はウキウキしながら出かけたものでした。

そんな憧れの店だった「談話室滝沢」も2005年に閉店してしまいました。
最終日には友人数人を誘って来店し、店名入りマッチだとかを記念にもらってきましたが、なんというか「一つの時代が終わった」という思いでしたよマジで。

あんな店は他にはないので、途方に暮れたマスコミ人は少なくないと思います。
数年前に某CS放送と新宿で打ち合わせをしたときに「カラオケボックス」を指定されたんですけど、やっぱちょっとシックリこなかったですね。
静かだし会話内容も外部に漏れないしドリンクも飲めるんだけど、なんか違う感じ。
「・・・何が足りないんだろうか?」と考えたら、やはりあの「マダムっぽさ全開のウェイトレスさん」がいないのが物足りないんだという結論に至りましたとサ。

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