セージの耳打ち#201 漢字は「開く」のが良いわけじゃない
最近のマスコミって、なんだかやたらと漢字を「開く」のが好きですよね。
あ、「開く」っているのは「平仮名に「する」ってこと。
クイズの問題になるレベルの超難解漢字とかなら分かりますが、全然読める字までもなぜか開いてしまう。
そのせいでかえって意味が通じにくくなったりするんだから、もーわけわかりません。
たとえば「操だ室」とテロップで出されて「なんなんだこれは?」と頭をひねったことがあります。
正解は「操舵室」だったんですが、フツーにこう出してくれればフツーに読めて、無駄に悩むことなんかなかったですよ。
むしろ「そうだ室」のほうがまだわかりやすい。
マスコミの方々は超エリートのインテリ勢なんで、「愚かな視聴者は『操舵室』なんて字は読めないだろう」と思ってらっしゃるのでしょうか?
というか「操舵室」すら読めないような人は、その言葉の意味だって分からないだろうから、いっそ「ふねをそうさするへや」としてやったほうがいいかもしれません。
手書きのシーンが減った現代人には漢字が正確に書けない人が多いです。
それでも「書けないが読めはする」でしょ。
これはつまり「漢字を見てきている」からです。
しかし何でもかんでも開いてしまっては「漢字を観る機会」が大幅に減ってしまう。
結果、この先の日本は「難解漢字であってもそこそこ読める。書けはしないけど」という私たちよりもワンランク下の「難解漢字なんて書けも読めもしない」人々であふれるのではないでしょうか?
さらに時代が進むと「もう漢字使用はやめよう」という法案が衆参両院で可決されたりして。
採決の場はもちろん「こっかいぎじどう」ですよ。
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