IntelCPUプロセスのかれこれ

お久しぶりです
最近発表されたRaptorlakeが「改良型」のIntel7を採用されていることを受けて…これまでのプロセスを振り返っていきたいと思います。

Intelの14nmの特徴

Intelの14nmプロセスと言えば…とにかく世代がたくさんある事で有名であるのと….なかなか立ち上がらなかった10nmの繋ぎを3年間とか続けたので有名ですね….
PCヲタの皆様には釈迦に説法な気もしますが…
そもそも14nmの世代にも
Broadwellに使われていた14nm
Skylakeに使われていた14nm
Kabylake等に使われていた14nm+
Coffeelake等に使われていた14nm++…
場合によってはCometlakeが14nm+++とか++++とか呼ぶ文献もあったりとぐちゃぐちゃです。というかPC市場でまともに10nmが広まった時期は計画では2017年頃だったと思いますが….実際には2020年~2021年頃まで遅れてしまったのです。

10nmプロセスの遅延

Intelは当初、2015年から2016年にかけてリリースする予定のSkylakeの次世代CPUとしてCannonlakeを2016年末~2017年頃に発売する計画がありました。しかしIntelの10nmは歩留まり(製品化できる良品の割合)が悪く、大量生産が難しい状況が続いていました。そのため、10nmが大量生産が可能になるまでの間の「その場しのぎ」としてIntelはKabylakeを投入しました。Kabylakeは、前世代のSkylakeとほぼ同一のアーキテクチャとしながら、トランジスタなどの改良で動作クロックの引き上げと同一周波数動作の際の低消費電力化を図ったものです。しかし、Kabylakeを投入した後にCannonlakeを投入する計画で考えていたIntelではありましたが、10nmプロセスの歩留まりは一向に向上しませんでした。(というか…Gen10GPUやCo(コバルト)配線が技術的に非常に難しく、歩留まりが悪かったそうです)
また、その頃AMDはハイエンド向けの8コア製品をメインストリームに投入し、前世代より大きく電力効率を引き上げて低コスト生産ができるようになったRyzenを投入します。そのAMDの対抗と10nmの開発遅延が重なったのでIntelは14nm+をさらに改良したCoffeelakeやKabylakeを改良したKabylake-Refreshをリリースします。デスクトップ版は4コアから6コアに、モバイル版(TDP15W)でも2コアから4コアに強化しました。結局、Intelはそれらの製品を発売後に10nm製品(i3-8121U)を少数だけ出荷するにとどまりました。
私個人の感想としてi3-8121Uはおそらくi5やi7としてリリースする製品だっただろうと思いました。しかし、i5やi7はコア数が増加した影響があったり10nm製品はクロック周波数を伸ばせない事が影響してかi3に格下げされた印象を感じました。
製造ができるように再設計した後もIntelの10nmは周波数が伸びない影響で2019年にモバイルPCなどに限定してIcelakeを出荷します。しかし、それらも限定的で実際に多数のノートPCに採用できるようになったのは2020年後半にリリースされたTigerlakeまで待たなければなりませんでした。Tigerlakeは企業向けにも広く展開されたのでMobile向け中心の出荷とはなりましたがかなり爪痕をのこした世代だと思います。それが、当初計画の2017年から4年が経過した2021年の事です。そこまで本当に長かった。(デスクトップ版の採用はAlderlakeからです)

10nmにも様々な世代がある

10nmにも実は様々な世代があります
Cannonlakeに使われたいた10nm(10nm-とする文献あり)
Icelakeに使われていた10nm(開発初期は10nm+としていた)
Tigerlakeに使われていた10nm Super Fin(開発初期は10nm+や10nm++と呼ばれていた)
Alderlakeに使われていたIntel7(旧称は10nm Enhanced Super Fin)
Raptorlakeに使われている改良型Intel7(内部ではIntel7UltraやIntel6と呼ばれている)
などの世代があるのです。なお、次世代CPUであるMeteorlakeはIntel4(旧称は7nm(Intel))を使用します。LP-Ecoreがどんな仕様かが気になる所ですね。


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