身体は覚えてる

先週バッティングセンターに行った。

youtubeで素材となる動画を撮ろうと思い、何ができる事はないかと探ったら、野球をやっていた事から『投げる、打つ』なる尺稼ぎにはピッタリの題材を見つけ、ブランク8年、肩慣らしに、行ってみることにした

バッセンに付き

選んだゲージは、「藤浪の130km」

久しぶりに見る歪に凹んだバットは、まるで五臓六腑。これがグリップでこう握るんだよな、足の置く位置はこうで良いんだよなと、確認しながらバットを振っていく。最初こそ、おそるおそるといった手つきだったが、だんだんと身体が先に動き出す。

まず軸足に体重を乗せて、身体の近くにバットを通す。20球も打てば、かろうじて見れるレベルになっていた。身体は、「打撃」の動作をちゃんと覚えていたのだ。スムーズに打てるまでにはしばらくかかりそうだが、時間が解決してくれるだろう。

ただ、夢中で打ち終わった次の日、筋肉痛になった。両腕がだるくて、左胸あたりが張っている。

ボールを打つ筋力がなくなったのかとも思ったが、たぶん余計な力が入っていて、身体がガチガチになっているのだ。ボールを毎日のように打っていた時は、筋肉痛になることはなかった。当時、自然にできたことがいまはできない。

おそらく動画で撮っていることから、カメラを意識すぎているのも原因だろう

次のゲームでもっとなめらかに身体を使うように、なるべく力を抜いて、打つようにした。意識してみると、ボールが来た際に、肩のあたりにグッと力が入っているようだった。リラックス、リラックスと自分に言い聞かせて、ふたたびバットを振る

体の使い方はだんだんわかってきたが、今度は足の動きがおろそかになる。力を抜きすぎて、下半身にまで神経がいきわたっていない。リラックスという意識が今度は逆に邪魔になる。

前述のことを踏まえて、うすーくリラックスしながら、なるべくなにも意識しないように(ゾーンに入った時の平井堅をイメージして)打ってみると、ようやく自分なりに納得いくバッティングができた。

この感覚を継続していこう。しかし、昔はこの感じを無意識でやっていたのだろうか。ずいぶんと複雑なことをやっていたのだなと、いまになって思う。

現在は意識的にやらないとできないが、いつかは無意識でもできるようになりたい。かといって、昔に戻りたいというわけではなくて、いまの状態で最適な方法が見つかればいいなと思っている。気持ちも体も子供のころとは変わっている。

あとひとつ、久しぶりに野球をして思うのは、昨日と違う実感があるというのはポジティブな気分をもたらすということ。

最初は「ボールを見る感覚、バットを振る感覚」すら曖昧であったのに、回数を重ねる毎に。昨日の自分より進歩しているのが目に見えるというのは精神健康上かなりいい。停滞するときも来るだろうが、それでもまったく進まないということはないだろう。

「上から叩きつけろ」と、野球のコーチにしょっちゅうどヤされていた。でも、そのとき直さなかったので(というかどうしても直らなかったので)、嫌いな奴の顎をハネるイメージで振る。

この振り方のほうがスムーズにバットを振れるのだ。自分にとってバットを振りやすい方法は身体の方がたぶん知っている。


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