【解説】ロケーションベースVRの種類
ロケーションベースVRにも、機器とコンテンツさえあれば家庭でも体験が不可能ではないレベルのものから、数千万円~億円単位の金額が必要なアトラクションレベルのものまで、さまざまな種類があります。
【プレイスタイル別分類】
●シットダウン型(3Dof / 6Dof)
固定された椅子に着座した状態で体験するもの。顔しか動かせないため、3Dofの簡易型HMDを使用しても、比較的酔いが少ない。
●スタンディング型(原則6Dof)
立ち位置から動かずに体験するもの。上半身の動きや半歩程度の移動は可能。3DofではVR酔いを誘発しやすいため、イベントでのデモ体験などが中心で、ロケーションベースVRでは大部分が6Dof。
●ルームスケール型(6Dof)
概ね3~5m四方の部屋の中で体験するもの。限られた範囲内で歩行可能(安全のため、壁から50cm~1m程度離れた空間が移動可能エリア)。
●フリーローム型(6Dof)
概ね5m四方以上の広さの空間内を歩き回りながら体験するもの。動き回るためにHMDなどの機器はワイヤレスであることが必須。現状ではハイクオリティなVR映像をワイヤレスで配信することが困難なため、バックパック型のPCを背負ってプレイするスタイルが中心。
●ライド型(3Dof / 6Dof)
着座して体験するが、座席そのものが揺動したり(モーションライド)、座席ごと移動したり(レールライド)、エアや香りの噴出などの仕掛け(ギミックチェア)があるもの。
フリーローム型、ライド型は、コスト・メンテナンスの手間などの理由で個人購入・運用は不可能。ルームスケール型も一般家庭では場所確保が困難であるため、ロケーションベースVRならではのプレイスタイルといえるでしょう。
【プレイ人数分類】
●シングルプレイ
1人で体験するもの。または同時に複数人で体験するものであっても、VR空間内ではあくまでも体験者1人しか存在していないもの。
●ペアプレイ
2人で協力し合いながら体験するもの。コンテンツによっては必ず2名でなければ体験できないもの(1人利用が不可)もある。
●マルチプレイ
同時に同じVR空間内に複数人で入り、協力もしくは、対戦し合うもの。
【3Dof】、【6Dof】って何?
HMD使用型のVRにおいて、開発者系・技術者系の文章に度々登場する【3Dof】もしくは【6Dof】。本誌でも登場しますが、Dofとは【Degree of Freedom 自由度】のこと。HMDを装着した状態で、身体の動きにどこまで映像が追随するかを示しています。
顔の上下左右傾きだけに追随する3Dof、それに加え前後左右上下の移動まで追随するのが6Dofです。
当然ながら3Dofより6Dof対応のHMDの方が高額で、コンテンツを作るのも大変です、特に実写映像では原則3Dofでしか撮影ができません(開発研究段階では、『自由視点映像』など、実写での6Dofを可能にする技術も存在します)。
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