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台湾メモリー(8) 〜兵役に 行った弟 アムロ好き!?ポスター貼るほど 好きだったなんて!〜

 台湾から日本に留学していた、台湾人の(実は美人だったことに気がつかなかった、寮にあったガラスの仮面などを全巻読破したほどの日本語力を持った)寮の友人の高雄の実家で過ごした我々3人の日本人は、その後、兵役に行っているという、トニーレオン似の弟の部屋を借りて、睡眠をとることとなった。

 部屋は(うろ覚えだが)2階にあった。そこに案内された時、私は衝撃を受けた。

 兵役に行っているという(しつこいが「兵役」に本当に驚いたのです…)イケメンの、トニーレオンに似た、友人の弟の部屋の壁に、安室奈美恵のポスターが貼ってあったのだ。

 あ…あ…アムロ…安室…奈美恵!?

 台湾で知ってる人がいるんだ!

 ポスター貼るほど好きなのか!

当時は、90年代小室プロデュース真っ盛りの時代の少し後の頃。女子高生などをターゲットにしたゴリゴリのタイアップ、ヒット曲炸裂の商業的な曲ばかり歌っていた時代の(ちょっと後の)安室奈美恵であった。日本にも男性のファンはおそらくいたのだとは思うが、少なくとも身の回りではあまりファンという人はいなかった。その後の、ダンスを志す人々にとってのカリスマ的存在になった、そんな安室奈美恵ではなかった、売れることを狙った曲ばかり歌っていたそんな時代であった。

大ヒット曲連発の、そんな安室奈美恵ピーク時が落ち着いた頃の「安室奈美恵」であったのだ。

 私は90年代後半に、女子高生(JK)であった。三つ折りソックスを履いて膝下15センチくらいのクソダサいスカートをはいて、北関東の暴走族だらけの街で、ママチャリで痴漢に遭いながら通学をしていたJKだったとはいえ、初期、安室奈美恵の曲は、全てカラオケで歌えるくらいには聞いていた。20年以上過ぎた今でも、多分ほとんど全ての曲をスラスラと歌える。

 まさか、台湾に安室奈美恵のファンがいるとは…!

 しかも部屋にポスターを貼るほどにファンだなんて…!

 今でこそ、日本のポップカルチャーがyoutubeやその他の映像配信サイトや(主に不法のサイトなどで)いくらでも見られる時代になったが、当時はまだ、そのような仕組みは存在していなかったので、海外で日本のヒット曲などを聴いている人がいる、ということを考えたことは生涯で一度もなかったのだった。安室奈美恵、台湾で人気なんだ…!そのポスターを見た時の衝撃は、鮮烈であった。

 

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