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it’s here #イカ変態同好会

イカ変態同好会ラスト一日!
また書いたけど「????」なお話かも💦
でもイカは深海1000メートルにまで生息。きっと懐も深いはず!

レッツ、ダーイブ!





くコ:彡 くコ:彡 くコ:彡💦ピューン

あなたは汐の中に素足を浸しました。
寄せてかえす波が脚首を洗い、足裏の砂を引き取っていく感覚に、あなたはどうしようもなく海を想います。
波間で跳ねる魚の銀の鱗も、沖を航行する貨物船も、対岸の山影も、あなたの目はもう捉えることができません。
鳶の旋回も、晴れわたる空の深さもあなたは、今、知らない。
明るいと暗いが、ぼんやりわかるくらいしか、あなたの目は機能しない。
だけど、あなたが波打ち際に立つ時、あなたの中に私は広がる。

あなたが私を好いていたことを、ずっと知っています。
あなたはガラスペンというものを持っていました。
文房具屋のインク棚から迷いもせず選んだ色は、私でした。
ペン先をインクに浸し、あなたはカリカリとノートに詩を刻みました。
写したのは宮沢賢治です。
彼の書く夜は、インクと同じ色だから。
言葉が色彩を持つことを、あなたは宮沢賢治から学びました。

夜、といえばあなたは黄昏時が好きです。
陽が落ちて街が闇にしずむ刹那、空に広がる私。
あなたは息をひそめるようにして、あおぎ見るのです。
私はわずかばかりも、とどまることなく夜にのまれます。
さよならをそえて、また明日。
あなたはあの頃から、知っていたのかもしれません。
今あるものは、やがて失われるものであると。
すべては過ぎてゆくもののひとつであると。
それでも好きなもの美しいと思うものを、なんとか、とどめたい。
あなたは失わない方法を、いつも探していました。
でも叶わずに、美しいものは目から胸へうつしかえて、そっとしまっておく。

今朝、庭にデルフィニウムの花が咲きました。
だれか早く、あなたに教えてくれないでしょうか。
あなたがいちばん好きな花です。
私は、ここにいます。




お題:「青色」


イカした企画ありがとうございます(*´▽`*)


読んでくれてありがとうございます。