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【8月の取り組み】「大崎海星高校魅力化」の視察について

こんにちは!Nestの今井です。今回は8月18~20日に視察に伺った広島県大崎上島町「大崎海星高校魅力化」についてまとめます!

広島県「大崎海星高校」への視察

8月、広島県の大崎上島町へ新荘、今井が視察に伺いました。
大崎上島町は、県立高校である大崎海星高校の統廃合が危惧されていたことから、大崎海星高校の魅力化を行い、今では全国各地から生徒が集まる高校にV字回復し、新たな中高一貫校の誘致にも成功された地域です。


統廃合を回避するため、平成26年より県立高校の大崎海星高校の魅力化がスタートし、地域をフィールドにした授業づくりや、生徒の学習環境を整える公営塾の運営、キャリア教育を教育コーディネーター(地元出身者、地域おこし協力隊)の方々が担われています。

「大崎上島学」

大崎海星高校では、「大崎上島学」という地域や自分自身を知るためのキャリア教育として、独自の授業が行われています。その中で、3年生「航海学」の授業見学と1年生「羅針盤学」の授業打ち合わせの見学をさせていただきました。

3年生の「航海学」では、自分のやりたいことからプロジェクトを作り、計画から、プロジェクトを進めるために必要な人へのアポイントまでもすべて生徒が自ら行っています。「0円食堂」や「細菌アート」など取り組みは様々で、先生と教育コーディネーターはチームごとに進捗を確認しながら、「作業の準備はいつする?」「アポイントの方法はどっちがいいと思う?」など様々な投げかけをしておられました。先生が答えを提示するのではなく生徒が考え、答えを出すような投げかけが印象的でした。

1年生「羅針盤学」の打ち合わせでは、2学期は「働くを知る」をテーマに授業の準備をされています。「働く」ことに対し、生徒の中で自分なりの定義を持ってもらえるような授業を目指して、先生と教育コーディネーターで打ち合わせが行われました。

「働く」に対するクイズや、連想されるものを出し合うワークショップの準備など、先生と教育コーディネーターで役割分担を行いながら、積極的に意見を出し合われていました。授業の目的に沿いながら、生徒が参加したくなるような授業づくりに取り組まれている姿勢が、生徒の主体性を引き出す授業につながるのだと感じました。

公営塾「神峰学舎」

大崎海星高校の中には公営塾「神峰学舎」があり、放課後になると生徒さんが宿題に取り組んだり、毎週水曜日には、自分について考えるためのワークショップなどを行う「夢ラボ」を行っておられます。学校の中に塾があるので、先生が様子を見に来られたり、学校の先生と公営塾のスタッフが情報交換をしながら進路指導を行ったり、学校との連携が密に行われています。

丁度お伺いした際は水曜日だったので、私達も「夢ラボ」に参加させていただきました。その回は「2学期の目標を考える」を目的に、マンダラチャート(大谷翔平選手が高校時代に目標達成のために作ったもの)を使って、自分の「なりたい」や「達成したい」目標を考え、そのために何をするべきかを考え、表に記入していきました。

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大きな目標がある子はそれを達成するために何が必要かを考え、まだ目標がない子は目標を見つけることを目標にして、そのためにどんなことをやってみるかを書き出しました。大きな目標でもそのために何をするか細かく書くことでなんだかできそうな気がするし、チーム内で共有することで自分の中に無かった視点に気づいたり、、。生徒の中で新たな発見が生まれる時間でした。

島外からの生徒たちが住む寮

大崎海星高校は全国から学生を募集しているため、高校生のための学習センターという位置付けで寮があり、生徒22名が生活しています。地域おこし協力隊がハウスマスターを担われており、地域住民の方に日直や宿直をお願いされています。

寮では、お菓子作りや映画鑑賞会など生徒のやりたいことをなるべく実現できるようにハウスマスターがサポートしています。また、掃除や洗濯機の使用ルールなどは生徒自ら行い、寮の中でも主体性が育まれているように感じました。

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私営塾「高志塾」

島の中には教育コーディネーターの取釜氏が運営されている私営塾「高志塾」があります。主に小中学生が通い、高校進学のための学習支援や、キャリア教育「島キャリ」に取り組まれています。塾の中は島の形をした大きな机を囲むように席があり、通常の塾よりもみんなでディスカッションが行いやすいような教室になっています。生徒のやりたいことを一緒にやるなど、学習以外の面でも様々なことに取り組まれています。

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まとめ

大崎上島町は大崎海星高校の魅力化以外にも修学旅行の受け入れや海外大学との交流、新たな中高一貫校の誘致など、教育の島として様々な挑戦をされています。その挑戦を支えたのは、同じ志を持った学校と地域と教育コーディネーター繋がりの強さと情熱だと感じました。

今回の視察から学んだことを活かして、村の子どもたちに「この村で過ごせてよかった!」と思ってもらえるように、学校の先生方や地域の人と共に村全体をフィールドに子どもたちの学びの場を広げていきたいと思います。



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