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【レガシー】青黒忍者調整録~ThopterNinjaができるまで~

はじめに

はじめまして。つばさ(@NeroFlugel)と申します。
MAGIC ONLINEや横浜や東京など関東近郊でモダンやレガシーを中心にマジックをプレイしています。
私は過去に何かを成し遂げた強豪プレイヤーというわけではありませんが、ふと今流行のnoteを使ってみたいと思い立ち筆を執ってみました。

特段書く題材が思い浮かばなかったので、需要はあまりないかもしれませんがモダンホライゾンのカードプレビュー開始以降一人でコネコネ調整を続けているレガシー忍者の調整過程でも書いてみようと思います。

忍者はモダンホライゾンの登場でレガシーでも十分通用するポテンシャルを得たと感じています。何よりプレイしていてとても楽しいアーキタイプです。

人類が本能的に忍者が大好きなのは世界の忍者人気が証明していますし、MTGプレイヤーはカードを引くのが大好きな生き物なのです。これは楽しくないわけがないですね。

今回の記事を読んで「忍者楽しそうじゃん」「一度手にとって回してみたい」と思っていただければ幸いです。

ということで、よろしくお願い致します。

統率者2018発売と虎の影の登場

時は2018年8月Eternal Weekend Asia 。
直前に発売された統率者2018に収録された新規忍者《虎の影、百合子/Yuriko, the Tiger's Shadow》は多いに話題となった。
(デッキテク:佐々木 康裕の「忍者」――新たな忍者「虎の影、百合子」は嵐を巻き起こすか)

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Yuriko, the Tiger's Shadow / 虎の影、百合子 (1)(青)(黒)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) 忍者(Ninja)
上忍術(青)(黒)((青)(黒),あなたがコントロールしていてブロックされていない攻撃クリーチャー1体を手札に戻す:あなたの手札か統率領域からこのカードをタップ状態で攻撃している状態で戦場に出す。)
あなたがコントロールしている忍者(Ninja)1体がプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、あなたのライブラリーの一番上のカードを公開してあなたの手札に加える。各対戦相手はそれぞれ、そのカードの点数で見たマナ・コストに等しい点数のライフを失う。
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待望の新戦力によりEternal Weekendを含む様々な大会で忍者デッキが試行された。
しかし、大きな舞台で継続的に結果を残すことはなく忍者というアーキタイプを確立するには至らずその後も表舞台に現れることはなかった。

モダンホライゾン発売と新戦力

新戦力の追加
時は流れ2019年6月。
モダンホライゾンのカードプレビューが始まり《堕ちた忍び/Fallen Shinobi》を皮切りに多数の新規忍者が公開された。そのうちの一枚が《巧妙な潜入者/Ingenious Infiltrator》だ。

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この《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》を彷彿とさせるヴィダルケン・忍者だが、多色化されたことによって能力が大幅に強化されている。

Ingenious Infiltrator / 巧妙な潜入者 (2)(青)(黒)
クリーチャー — ヴィダルケン(Vedalken) 忍者(Ninja)
忍術(青)(黒)((青)(黒),あなたがコントロールしていてブロックされていない攻撃クリーチャー1体を手札に戻す:あなたの手札からこのカードをタップ状態で攻撃している状態で戦場に出す。)
あなたがコントロールしている忍者(Ninja)が1体、プレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、カードを1枚引く。
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まずはサボタージュ能力の誘発条件。
《虎の影、百合子/Yuriko, the Tiger's Shadow》同様、本人でなくともいずれかの忍者がダメージを与えるだけで追加カードにありつける。
つまり《巧妙な潜入者/Ingenious Infiltrator》または《虎の影、百合子/Yuriko, the Tiger's Shadow》いずれか二枚以上で同時に戦闘ダメージを与える事で、一度にカードを4枚のカードを引く事が可能だ。(フィーバータイムと呼称)

次にスタッツ。
パワーは2を維持したまま、タフネスが3になった。
《コラガンの命令/Kolaghan's Command》、《罰する火》、《紅蓮地獄/Pyroclasm》などの2点火力への耐性を得たと同時に《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》、《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》などのパワー2のクリーチャー相手にサポートなしでレッドゾーンに送り込む事が可能になっている。

忍者以外の新戦力
モダンホライゾンで得たものは新しい忍者だけではない。

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ご存知のとおり忍術という能力の特性上、回避能力を持った軽量クリーチャー(以下タネクリーチャー)が必要になってくるのだが、モダンホライゾンに新規収録された《変わり身ののけ者/Changeling Outcast》は以下の3点においてこれまでのタネクリーチャー達とは一線を画している。
1.1マナという低コスト
2.いかなるブロッカーにも一切ブロックされない回避能力
3.《虎の影、百合子/Yuriko, the Tiger's Shadow》、《巧妙な潜入者/Ingenious Infiltrator》の能力誘発が可能な部族シナジー

《変わり身ののけ者/Changeling Outcast》は「忍者デッキを作れ!」といという開発陣からの熱いメッセージそのものなのだ。

デッキ構築

第ゼロ版
早速デッキの構築に入った。
まずは忍者が稼ぎ出すアドバンテージをコスト充てる《意志の力/Force of Will》4枚、《否定の力/Force of Negation》4枚、そして《目くらまし/Daze》4枚、ピッチカウンター計12枚のサポートを受けつつタネ兼クロックの<秘密を掘り下げる者>を中心としたクロックパーミッションデッキだ。

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MagicOnlineでモダンホライゾンが実装されると同時にTournament Practiceで試運転してみた。酷い有様だった。

忍術持ちが8枚入っている関係上、忍術元となるクリーチャーを多く採用する必要がありインスタント、ソーサリー呪文が呪文が足りず、<秘密を掘り下げる者>の反転条件を満たしずらい。
また<秘密を掘り下げる者>は狙い撃ちにされやすく忍術までこぎつけずにピッチカウンター用のコストが用意できずにすぐジリ貧になるなど、構造上欠陥だらけだった。

新しい取り組みが最初からうまくいくことなんてことはまず起こりえないものなのだ。あまり気にせず改良に取りかかった。

第一版
クロックパーミッションというテーマは変えず、前回の反省点を取り込み全体的に構成を見直した。

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タネクリーチャーの見直し
素直に忍者デッキの定番クリーチャー《悪意の大梟/Baleful Strix》を採用。

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《悪意の大梟/Baleful Strix》自体には特に語ることも無いが、デッキ全体の方向性がコントロール寄りにシフトされるため<秘密を掘り下げる者>をモダイホライゾンからの新戦力《フェアリーの予見者/Faerie Seer》に変更した。

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《フェアリーの予見者/Faerie Seer》は見た目以上に強いクリーチャーで、実際に使ってみると生きてる定業さながらの活躍を見せてくれた。
初手ではキープ基準となり、1ターン目に《フェアリーの予見者/Faerie Seer》をプレイすることで2ターン目の忍術達成するために必要なカードを探すことができるいぶし銀な活躍をしてくれる。
さらに《思案/Ponder》、《渦まく知識/Brainstorm》、《フェアリーの予見者/Faerie Seer》と1マナライブラリー操作が12枚体制となりデッキ全体の土地枚数を削減することが可能になった。

残りの枠にはカード単体で強力かかつ忍術などとシナジーが見込める《苦花/Bitterblossom》や、《変わり身ののけ者/Changeling Outcast》を含むフェアリーシナジーが期待できる<呪文づまりのスプライト>、追加の忍者《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》を採用。


カウンターの見直し
《否定の力/Force of Negation》は忍術した《虎の影、百合子/Yuriko, the Tiger's Shadow》や《巧妙な潜入者/Ingenious Infiltrator》を守ることができないため解雇。
<目くらまし>は忍術というマナを大量に消費する能力を前提に構築されたデッキでの運用が難しかったため解雇。
ピッチカウンターが《意志の力/Force of Will》4枚だけではとても忍者たちを守ることができないため、元祖モダンの《意志の力/Force of Will》こと《撹乱する群れ/Disrupting Shoal》を採用した。

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レガシーにおける有力な除去呪文は《稲妻/Lightning Bolt》、《致命的な一押し/Fatal Push》、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》と1マナが大半なので、例えば忍術で手札に戻した《フェアリーの予見者/Faerie Seer》をそのままコストに除去を弾くこといった挙動もできる。
デッキ構成上、1〜5マナまでは代替コストで対応可能。レガシーの低マナ域のカードはいずれも強力カード揃いなので終盤にマナを支払ってのプレイも十分許容範囲だ。もちろん本家《意志の力/Force of Will》のコストに当てても良い。

マナベースの見直し
前述したとおり《フェアリーの予見者/Faerie Seer》の採用により土地の総数を削減。
加えて《不毛の大地/Wasteland》は忍術に必要な青黒のマナを捻出する際にノイズとなるし、どちらかといえばマナを伸ばしたいデッキであるため解雇した。

課題

MAGIC ONLINEや店舗平日レガシー大会でなんどか程度まわしてみたところ、草案より格段によくなっていたものの多数の課題が浮き彫りになってきた。

次弾装填のタイムラグ
1ターン目にタネクリーチャー、2ターン目に忍術しても、手札に戻したクリーチャーの再展開は次のターンとなり、再び忍術するためには更に次のターンまで待たなくてはならない。
さらに4ドローのフィーバータイムに突入するためにはブロッカーが排除されてるかつ、タネクリーチャーが生き残っているという状況がすべて整っている必要がある。

貧弱なクロック
デッキを後ろ向きにチューンしたことで、マナをコネコネしてチマチマドローするだけのデッキになってしまい、コンボ相手へのプレッシャーが不足気味になってしまった。
《虎の影、百合子/Yuriko, the Tiger's Shadow》と《渦まく知識/Brainstorm》、《意志の力/Force of Will》などの組み合わせなどで大ダメージを与えることもできなくはないが、(ライブラリー操作やで多少操作はできるものの)特に仕込みなく《虎の影、百合子/Yuriko, the Tiger's Shadow》で公開されるカードのマナコスト期待値は体感で1.8点くらいだ。

かみ合い
《フェアリーの予見者/Faerie Seer》の占術やドローソースで多少暖和する事が出来るものの、 デッキ全体がシナジーによる利益を獲得していく構成となっているため、単体で弱いカードが多く、シナジーを形成するカードをバランスよくカードを引けずにチグハグ展開になりがちだ。

《レンと六番/Wrenn and Six》

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ここ数週間での高騰が話題の2マナプレイズウォーカー。
タネがすべてタフネス1で構成されているため、早々に着地するとそのまま完封されてしまう。(《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》も同じ理由でNGだがこちらは2マナで非常にタチが悪い)
高騰しているということは流行しているということの裏返しでもある。モダンホライゾン実装初期に比べて圧倒的に相手にする機会が格段に増えている。

《目くらまし/Daze》

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忍術という能力がマナを大量に使用するため目くらましが刺さりやすく、忍術した《虎の影、百合子/Yuriko, the Tiger's Shadow》や《巧妙な潜入者/Ingenious Infiltrator》に除去を打たれピッチカウンターをで守ろうとしたところに《目くらまし/Daze》を当てられて全てを失うという事態が多々発生した。

他にも多数の問題があるが細かく書いていくとキリがないためカードごとに課題を箇条書きで列挙する。

《虚空の杯/Chalice of the Void》

序盤にx=1が着地してしまうとドロースペルとタネがすべて引っかかる上、青黒というカラーリング上触ることができない。

<梅澤の十手>
一度カウンターが乗ると盤面が壊滅して全てを失う。

《罠の橋/Ensnaring Bridge》
着地後手札が0になってしまうと二度と突破できない。

《血染めの月/Blood Moon》
2色デッキではあるが青黒いずれのマナも必要で、フェッチを基本土地2種類に変換する前に置かれると実質死亡。

《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》
ピッチカウンターを0マナで運用できなくなるため早々に除去する必要がある。とはいえ着地後に2マナを支払うと盤面の展開ができないといったチグハグ展開になりがち。

挫折と再開〜統率者2018に潜んだ可能性

あまりに超えなくてはならない課題が多く、すべて解決するのは非常に困難と考えた私は挫折し、《レンと六番/Wrenn and Six》を使うデッキを考えたりしながら遊んでいた。
しかし、ふととあるアイディアが生まれたことにより調整を再開した。

《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》の採用

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古くは神河謀反の時代から忍者と共に使用された由緒正しきタネクリーチャーだ。
特筆すべきはその0マナというコストだろう。
これまで検討してきたタネクリーチャー達を基に忍術を運用した場合、プレイに1マナ、忍術に2マナ、再展開に1マナと合計で4マナ必要であったが、《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》では0+2+0の計2マナで次弾装填まで済ませることができるのだ。

1マナのタネクリーチャーで4枚ドローのフィーバータイムへ突入するためには最短でも4ターンと計6マナが必要であったのに対し、《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》であれば最短3ターンと0+2+0+2の計4マナでフィーバータイムへ突入することが可能となる。

1ターン目に《変わり身ののけ者/Changeling Outcast》と合わせて展開することで2ターン目に2ドロー、3ターン目には6枚ドローすることも可能だ。
1ターン目のマナをドロー操作に充てつつ2ターン目忍術の手はずを整えることだってできる。

タフネスが2あるので《レンと六番/Wrenn and Six》が先行2ターン目に着地してしまったとしても問題なく後続の忍者を展開できる。

忍者デッキは追加ドローによって後続の忍者達が続々と集まってくるのだが、タイムラグなく再装填が可能になるため後続の忍者を安定して戦場へ送り出す潤滑油としての役割を存分に果たすことができ、対戦相手に相応の対応を迫ることが可能になった。

とはいえ、《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》が0マナ0/2飛行という単体ではなにもできない貧弱なカードであることには変わりはない。
過去のスタンダードで活躍した「エラヨウ忍者」デッキにおいて《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》はタネクリーチャーとしてだけではなく、《撤廃/Repeal》や他の0マナカードと組み合わせて<上位の空民、エラヨウ>を反転させるという役割もあわせもっていた。

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当然、歴代の超強力なカードが飛び交うレガシー環境において忍者達を2マナで展開するだけのカードとして採用するのは無理があり、他に強力な役割も与えてやることが必要になってくる。

役割の追加
《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》に重要な役割を与えるカード。それが今回の挫折を覆すブレイクスルーとなったカードである。《改良式鋳造所/Retrofitter Foundry》だ。

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Retrofitter Foundry / 改良式鋳造所 (1)
アーティファクト
(3):改良式鋳造所をアンタップする。
(2),(T):無色の1/1の霊気装置(Servo)アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成する。
(1),(T),霊気装置1体を生け贄に捧げる:飛行を持つ無色の1/1の飛行機械(Thopter)アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成する。
(T),飛行機械1体を生け贄に捧げる:無色の4/4の構築物(Construct)アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成する。

《虎の影、百合子/Yuriko, the Tiger's Shadow》と同じく統率者2018で収録に収録されたあやしいアーティファクト。
マナを注ぎ込む事で1/1霊気装置トークン→1/1飛行機械トークン→4/4構築物トークンと順々によりよいトークンを生成することができる。

テキストが長々と書いてあるが、今回キモとなるのは飛行機械を生贄にすることで4/4構築物トークンを生成する能力だ。
実はこれ《改良式鋳造所/Retrofitter Foundry》から生み出したトークンでなくとも、《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》を直接生贄にすることで構築物トークンを生成することができるのだ。

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しかし、4枚の《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》を処理するためだけの目的に《改良式鋳造所/Retrofitter Foundry》を採用するには少々心もとないと感じられる。

だが、今回のモダンホライゾンで"超強力"な飛行機械が収録されていることは皆さんもすでにご存知のはずだ。

そう《変わり身ののけ者/Changeling Outcast》である。

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《改良式鋳造所/Retrofitter Foundry》があれば忍術を展開して用済みとなった《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》、《変わり身ののけ者/Changeling Outcast》をインスタントタイミングで4/4構築物に変換することが可能となり、タネクリーチャー達を骨の髄までしゃぶりつくすことが可能になったのだ。
Thopter Ninjaが産声をあげた。

Thopter Ninjaの誕生

これが7/7現在使用しているリストだ。
デルバー系デッキには対等以上に、石鍛冶や奇跡などの上位デッキにもかなり優位に戦えると自負している。

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ここが凄いぞ!Thopter Ninja!

前述したとおり、《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》を生贄にささげることで1ターン目から4/4の構築物を展開することも可能で、対コンボに対しても早々に強いプレッシャーを与える事ができる。

続々と現れる0マナ、1マナ4/4の構築物トークンのスタッツはカナディアンスレッショルドやURデルバーをはじめとするクリーチャーのパワーが3以下が大多数を占め、除去を《稲妻/Lightning Bolt》に頼ったデッキに対して非常に脅威的だ。

変身した<秘密を掘り下げるもの>を《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》でブロックしてから構築物トークンに変換し、カウンターのサポートを受けた4/4で先に殴り始めるといったエゲツない展開も可能だ。

4/4構築物トークンを除去されてしまっても元々は0マナのカードでアドバンテージ的にも1:1の交換でしかなく痛くも痒くもない。

《改良式鋳造所/Retrofitter Foundry》は《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》や《変わり身ののけ者/Changeling Outcast》とのシナジーを無視してもマナを支払えば自力でトークンを作成し続けることができるため、《苦花/Bitterblossom》さながら消耗戦に強く、霊気装置を横に展開することも、じっくり4/4を作りあげていくことも可能できる。もちろん生成したトークンで忍術することもできる。

変換するクリーチャーはコストとして生贄にするため除去を当てにくく、インスタントタイミングで生成できるため《レンと六番/Wrenn and Six》や《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》などの自身を守る忠誠度能力での対処が難しく、PWへの牽制が効く。

《改良式鋳造所/Retrofitter Foundry》は複数枚引いてもメリットがある。
2枚同時に場にあると毎ターン3マナで1/1飛行機械トークンを生成でき、3枚あれば毎ターン3マナで4/4構築物トークンを生成できるようになる。
《不毛の大地/Wasteland》の解雇でガードが下がっている《暗黒の深部/Dark Depths》から生成される<マリット・レイジ>を毎ターンブロックするといった動きも可能だ。

トークンでブロックした後に生贄にささげて別のトークンに変換することで戦闘ダメージを発生させることなくやり過ごすことが可能で、《グリセルブランド/Griselbrand》や<殴打頭蓋>の絆魂や、<梅澤の十手>の誘発をかわすトリッキーな動きも可能だ。
生成されるトークンはいずれも無色のあるため、《ルーンの母/Mother of Runes》や各種剣、<セジーリのステップ>のプロテクションに引っかかることもない。

《改良式鋳造所/Retrofitter Foundry》は他にも、煩わしい《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》に除去を使わずに対処できたり、マナフラッドの受け皿になったり、分からん殺しを誘発したりとその強力な挙動を挙げていくと枚挙にいとまがない。

その他の変更点
マナベースを《虹色の眺望/Prismatic Vista》を活用した基本土地メインのマナベースとした。
氷雪土地にするデメリットは特に無いので何かケアしてくれるかも知れない期待をこめて冠雪土地に変更した。

フェッチ、キャントリップ、《改良式鋳造所/Retrofitter Foundry》の生贄により墓地が溜まりやすくなっていること、《虎の影、百合子/Yuriko, the Tiger's Shadow》でめくれると大ダメージを与えることができること、アーティファクトが墓地に置かれやすく《タルモゴイフ/Tarmogoyf》のサイズが上がりがちな自分の墓地を掃除するといった役割が期待できるなどの理由から《致命的な一押し/Fatal Push》を1枚《残忍な切断/Murderous Cut》に差し替えた。

課題解決状況
《改良式鋳造所/Retrofitter Foundry》と《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》のパッケージを導入したことにより、第1版デッキで発生した課題のうち「クロック足りない問題」、「《レンと六番/Wrenn and Six》で壊滅問題」、「忍術マナかかりすぎ問題」、「再装填タイムラグ問題」、「《罠の橋/Ensnaring Bridge》問題」、「《虚空の杯/Chalice of the Void》問題」、「《血染めの月/Blood Moon》問題」、「<梅澤の十手>」問題などほとんどの解決が見込まれる。

さらに忍術元が《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》になったおかげでマナに余裕が生まれた事で再び《目くらまし/Daze》の採用が可能になった。

デッキの挙動(動画)

文字だけでは動きをイメージしにくいところもあると思い動画をいくつかアップロードする。
先日のロンドンマリガンの実装により過去の試合のリプレイが見れなくなってしまったため、直近リーグで2:30以内にキャプチャーできた対戦動画に限定している点ご了承はいただきたい。


新たな課題と今後の調整方針

多少マシになったとはいえ、<梅澤の十手>がきつい相手には変わりはない。
従来であれば<無のロッド>を2枚ほど採用していたが、《改良式鋳造所/Retrofitter Foundry》と競合してしまうため採用ができなくなっている。

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また、現状MAGIC ONLINE中心での調整となっているため、特定のアーキタイプと集中的な練習ができておらず、サイドボードの構成や基本的なチェンジプランを今後検討していく必要がある。

終わりに

いかがだったでしょうか。

ベースとなる部分は汎用的なカードが多いですし、MOであればお手持ちの資産に多少の追加カードを入手すればすぐに回せる方も多いのではないでしょうか。
とても楽しいデッキに仕上がっていますので、是非お試しいただければと思います。
(リアルだとニッチなカードが多いので収集に手間がかかると思われます・・・)

自身もまだまだ調整中で、色の追加も含めて試したいことがたくさんありますので、また大きな進展があればどこかでお披露目できればと思います。

意見や感想、他の忍者デッキの情報などはツイッターや(@NeroFlugel)コメントいただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
機会があればまたお会いしましょう。

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