悪魔か天使か③
お昼になったら、まずは女子2人が動く。
エレベーターに向って、1Fで待つ。
その後、僕とアツシが二人でメシに行く風にして、
エレベーターに向かう。
で、1FでA子さん達と落ち合う作戦だ。
僕はね、ただの昼飯だから、
こんな作戦の必要性があるのか?と思っていた。
アツシはかなり慎重だった。
アツシの予測通り、この作戦は必要だった。
僕とアツシはだいぶ遅れてエレベーターに向かったので、
エレベーター前には誰も居なかった。
僕とアツシがエレベーターに乗った瞬間、
課長が一緒に乗ってきたのだ。
僕らはエレベーターの奥側で、
課長の背中を見る状態。
すると、課長はこちらも向かずに言った。
「二人でメシを食うのか?」
「あ、はいっ!」
僕ね、1ヶ月以上も経つけどね、
課長と話した初めての言葉だった。
課長はA子さん達と僕らが一緒じゃないかと、
かなり警戒していたのだ。
これを予測していたアツシは、
本当に課長とキャラが被っているんだな。
お互いのやることは想定済みということだ。
課長が話し掛けたのはその一言だけだった。
ただ、問題がある。
1FにはA子さん達が待っているのだ。
これは問題だが、どうすることも出来ない。
ピンチと思ったが、A子さん達は隅に隠れていたので、
課長は気付かなかった。
ギリギリのところで難を逃れた。
てか、昼御飯に行く話だよね?
何度もいうが、今の段階で僕の得は一個もない。
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