悪魔か天使か①
僕の20代前半は混沌としていた。
まぁ、20代はみんながそうかもしれないが。
なので、そこの時代は面白かった。
当時、僕はSEをしていた。
といっても、入社1年目の時なので、
PGを修行中的な感じだった。
僕はそれなりに真剣にやっていたんだけども、
コネで入社した年下の同期のアツシがダメダメな男だった。
いや、逆に面白い男だった。
僕が所属した課には新人が4名。
男は僕ともう一人。女の人が二人で、
そのうちの一人の女の人は派遣社員だった。
で、その派遣社員の一人がかなり美人だった。
身長も高くて細い。素晴らしいのが品の部分だ。
上品なお嬢様みたいな感じ。
僕はフリーターしてからの入社だったので、
年齢は僕より1つ下の23歳ぐらいだったと思う。
これは本当なんだけども、僕は言語を覚えるのに必死で、
本当に意識はしたけども、気にはしていなかったんだ。
すると、別の課に配属されたイケメンのアツシが、
彼女に狙いを定めて動き出していた。
実はこのアツシは僕の地元の後輩でもあり、
普段からよく遊んでいた。
なので、手口は分かっている。
ちょくちょく僕に話し掛けに来て、
その流れで隣に座っている彼女に話すのだ。
それで徐々に仲良くなる作戦のようだ。
が、そこに少し問題がある。
実は僕が所属した課の課長も完全に狙っているのだ。
それは誰が見ても明らかだった。
新人が4名いるのに昼御飯に誘うのは彼女だけ。
仮に男二人は良いとして、もう一人の女の子も誘いなさい!
本当に徹底している。
基本、入社して1ヶ月目なんて、
課長には挨拶だけで、話してももらえないし、
挨拶も返事はしてくれない。そんな状況だ。
課長は年齢的には40代半ばぐらいかな。
まぁ、ダンディーな課長だったとは思う。
その課長がさ、アツシと似たような動きをする。
お前らは仕事中に何をやっているんだ?
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