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2023年ライオンズ展望と今年もライオンズを愛する話

歓喜のWBC優勝からあっという間に開幕戦を迎えました。
特に新しい情報はないですが、今年も簡単に展望をまとめました。

■主要メンバー予想

●先発

髙橋光成、今井達也、松本航、平良海馬、D.エンス、與座海人、隅田知一郎

昨季大きな飛躍を遂げた投手陣。先発では髙橋光成、D.エンス、松本航、與座海人の4人がシーズンを通して先発を務めました。
故障により9先発のみに留まった今井達也、先発転向を直訴した平良海馬がそこに加わり充実の陣容。
特に平良はオープン戦4登板17イニングを投げ58人の打者と対峙し、16奪三振1与四球と圧巻の内容。もちろん週1回長いイニングを投げ続けたときの身体の状態は未知数ではありますが、期待せずにはいられません。

バファローズ・山本由伸は高卒2年目の2018年に54登板でリリーフとして大ブレーク。翌年は先発転向して20登板143投球回を投じて防御率1.95の成績を残しました。平良にも同じように規定投球回前後の稼働を期待しています。


平良海馬。2/18南郷にて

隅田までを含めた7人が主な候補になりますが、彼らから離脱者が複数出た際には、一軍で先発経験がある平井克典、佐藤隼輔、渡邉勇太朗らが候補でしょうか。
一軍経験が少ない若手も挙げたいところですが、二軍の先発はJ.ヘレラや豆田泰志ら育成選手が務めることが多く、一軍のリザーブという意味では予想が難しいところです。

今井達也。3/14エスコンFにて

注目の若手選手
J.ヘレラ
昨季途中に育成選手として入団した先発右腕。
球界では珍しいコロンビア出身で、今春のWBC代表にも選出されました。
アメリカ戦ではM.トラウトに逆転タイムリーを浴び、目立った成績は残せなかったものの貴重な経験を積みました。
NPBに在籍しつつ一軍デビューの前にトラウトと対戦するなんて後にも先にも出てこないでしょう。
昨季はファームで公式戦10試合に登板。7試合連続で6.2回以上を投げ、人員不足のファーム投手陣の救世主に。球速が特別速いわけではないものの、BB7.9%と制球力を見せました。
支配下枠の問題と別に外国人枠の兼ね合いもありますが、是非一軍で姿を見たいものです。

J.ヘレラ。昨年6/5甲府にて

●救援

増田達至、水上由伸、J.ティノコ、森脇亮介、本田圭佑、平井克典、佐藤隼輔、青山美夏人、宮川哲、大曲錬、ボー・タカハシ

昨季は増田達至・平良海馬・水上由伸を中心に全員が絶好調と言っても過言ではなかった救援陣。平良が先発転向で抜けたものの、まだまだ安心感ある顔ぶれが並んでいます。
新外国人のJ.ティノコは150キロ台のツーシームで打者を翻弄しており、セットアッパーの期待が掛かる。ただフィールディングに少し不安があり、シーズンが始まると弱点を突かれないかが気掛かり。

若手では大卒3年目の大曲錬もオープン戦4試合無失点とアピール中。
準硬式出身という異色の経歴もあって注目したいところです。

昨季は平良・水上の2人が60登板以上、増田も52登板とフル回転でした。
今季も打線の迫力不足は否めず僅差の試合が増えそうなため勤続疲労が心配。
コンディション管理を重視するバファローズ・スワローズが連覇を果たし、3連投禁止を根付かせた吉井理人がマリーンズ監督に就任するなど、確実に変わりつつある日本球界。
ライオンズの投手運用ももちろん変わってきていますが、メンバーが充実している間にどれだけ計画的な運用が出来るかに注目したいです。

また長年抑えを務めてくれている増田も4月で35歳。自主トレを共にするバファローズ・平野佳寿は今年39歳でもまだまだ元気とはいえ、そろそろ「次」を考えなければいけないタイミング。度胸で言えば水上ですが、もう少し三振が取れるタイプがいいのか?などと色々想像してしまいます。

水上由伸。2/16南郷にて

●捕手

柘植世那、古賀悠斗

正捕手・森が抜け、今年のキーになるであろう捕手陣。正直言って守備面の心配はそこまでしていませんが、打撃面と層の薄さを心配しています。
(守備面と言っても個人的にはリードによりそこまで大きな差が出ると思っておらず、ブロッキングや時折盗塁を刺してくれればOK)

昨季は「森にしては」奮わない打撃成績だったものの、OPS.718をマークできる捕手は貴重であることに変わりありません。

昨季までは森がどっかりレギュラーに座っていたため当然ですが、柘植世那・古賀悠斗はシーズン通して出場した経験がないため、打撃も守備も未知数。
「夏場の暑い日に1試合マスクを被ると体重が減る」という話もあるくらい重労働なのが捕手。スポットではなく継続的に出場することで、良くも悪くも彼らの評価が変わってくることもあるかと思います。

また2人以外の捕手候補は左膝の手術から回復途上の岡田雅利、一軍通算2試合の齊藤誠人といったところでしょうか。
今季は捕手に代打を出すことで1試合に複数の捕手が出場するシーンが増えると思います。となると柘植・古賀の2人のどちらかが怪我で離脱すると、岡田が復帰しない限り、一軍に経験がほとんどない捕手しか残らず、結構マズい状況になるのでは…と危惧しています。
佐藤龍世が緊急時に捕手を務める構想もあるようですが、まずは2人どちらかが代打が要らない程度に打ってくれて、この心配が杞憂に終わることを願っています。

柘植世那・古賀悠斗。2/16南郷にて

●内野手

山川穂高、外崎修汰、源田壮亮、中村剛也、D.マキノン、呉念庭、陽川尚将、児玉亮涼、山村崇嘉、佐藤龍世、長谷川信哉、山野辺翔

侍ジャパンで源田壮亮が骨折。世界一の栄誉は得ましたが、開幕から守備の要が不在となりました。
オープン戦では高卒3年目の山村崇嘉が打率.269、OPS.873と猛アピールし、開幕スタメン有力と言われています。27打席で8三振1四球とアプローチ面で課題はありそうですが、若手らしく思い切ってプレーしてほしいですね。どうしても守備でミスをすると打撃も引っ張られてしまいそうですが、そこは若手の特権と思って切り替えてほしいです。

サードはD.マキノンでまずはスタートしそう。
ファーストが本職なだけにサード守備では捕球から送球までの早さなど課題はありそうですが、打って返してもらえれば…。
大ベテランとなった中村剛也、WBC台湾代表で活躍した呉念庭、出戻りの佐藤龍世、出塁率を残せる平沼翔太と、充実とまでは言いませんが一応候補はいる状況です。

D.マキノン。2/18南郷にて

ファーストは山川穂高、セカンドは外崎修汰。
「計算できる長距離砲」が山川だけになってしまい、相手チームからのマークが厳しくなることも予想されますが、とにかく山川が打ってくれないと始まらない…。怪我なく最低でも40HRはお願いしたいところです。

外崎は近年打撃が低迷し「守備の人」化してしまっています。(球団のビジュアルでも守備のシーンが増えたような…)
復活してもらって山川の前後を任せたいところですが、少なくとも長打力に関してはオープン戦ではその兆しは見えず。守備だけで十分価値がある選手ですが、打撃で実績がある数少ない選手だけについつい期待してしまうところです。

外崎修汰。2/18南郷にて

注目の若手選手
ブランドン

大卒1年目の21年目に一軍で僅か84打席ながら3HRをマーク。二軍では10HR、OPS.842と最高の滑り出しを見せました。
昨季は一軍定着を期待していましたが、いつの間にか二軍でもすっかり姿が見られなくなり、シーズン終了後に股関節を故障していたことが公表されました。
一軍出場なし、二軍でも19試合の出場に留まりましたが、その二軍では63打席2HR、OPS.881。出場さえできれば二軍では別格の成績を残しています。
とにかく怪我が多いものの、健康なら絶対にモノになると思っています。
ついでにアメリカ人のお父様譲りのイケメンということもあり、出場機会が増えれば人気が出ること間違いなしかと思います。



●外野手

栗山巧、M.ペイトン、鈴木将平、愛斗、川越誠司、蛭間拓哉、西川愛也、若林楽人

ここは分からない…!
ドラ1ルーキーの蛭間拓哉はオープン戦打率.133、K42.4%とまだプロへの適合には時間が掛かりそう。
マイナーで高い出塁率を残していた新外国人のM.ペイトンは頭部死球の影響もあり、オープン戦僅か21打席とNPBに適合する前の段階に思えます。
(オープン戦ほぼ全試合に出場したマキノンは46打席)

鈴木将平が打率は.235とイマイチなおものの、7四球を選び出塁率.381をマークしているのはいい兆候でしょうか。
(と言いつつ昨季もオープン戦は高打率・高出塁率だったものの、シーズンに入るとBB4.0%に低下)

正直に言ってしまうとキャンプ・オープン戦で2人…いやせめて1人は猛アピールをしてほしかったのですが、それには至らず。
有力候補だった西川愛也や若林楽人が離脱してしまったのも痛い。絶対的な存在だった秋山翔吾が抜けて今季で4シーズン目。そろそろ争いに終止符が打たれるといいのですが。

蛭間拓哉。3/19ZOZOマリンにて

■采配

「ミスターレオ」松井稼頭央が満を持して監督に就任。
戦力が充実しているとは言い難い状況ですが、全国的な知名度がある生え抜きスターだけに球団は長期政権を期待しているでしょう。
どんな監督も育ってきたチーム環境や自分のプレースタイルに沿った野球を展開しがちなもの。
松井監督は走攻守3拍子揃った選手でしたが、1997~99年には3年連続で盗塁王を獲得。97年には大友進・高木大成らとチーム200盗塁を達成。
機動力を生かしつつ少ない点差を守り切る東尾ライオンズの看板選手でした。
そんな松井監督が掲げたスローガンは「走魂」。東尾ライオンズのスローガン「Hit!Foot!Get!」を彷彿とさせます。

球団ポスター。2/20所沢駅にて

もちろん全力疾走や相手の隙を突いて1つでも先の塁を狙うことは大事ですが、そもそもの打力と比較すると重要度が落ちることは自明の理。
それは恐らく松井監督を始めとする首脳陣やフロントも分かっているのではないかと思います。
ただ打撃で実績ある選手が少ない今季、せめてもの得点力向上として「走魂」を掲げたのではないか…というネガティブ寄りの推測をしています。

一方で97年のライオンズは137犠打を記録しましたが、今年のオープン戦では15試合で5犠打。時代の流れもあって当然ではあるのですが、「打てないからバントしよう」になってないのは一安心。
また10試合でペイトンもしくはマキノンが2番を務めており、「2番はバント」にもなっていません。
(復帰した伊原春樹監督の元で打撃が低迷していた2014年のオープン戦では16試合で15犠打していました)
スモールベースボールに寄りすぎることなく采配してくれることを期待しています。

松井監督。2/16南郷にて

そして松井監督を支えるのが平石洋介ヘッドコーチ。
松井監督にとって、監督経験者の平石コーチが側にいるのはとても心強いのではないでしょうか。
近年でもドラゴンズの与田剛監督、伊東勤ヘッドコーチという組み合わせや、平石コーチ自身もホークスで工藤公康監督に仕えていましたが、松井監督と平石コーチはPL学園の先輩・後輩の間柄。
それでいてイーグルス時代に現役選手の松井監督が平石コーチに対してきちんと敬語を使っていたというエピソードも残っています。
新監督を監督経験者が支え、しかもその2人の風通しが良い。日本球界ではなかなか見られなかったケースではないでしょうか。
新監督に付いて回る采配の不安はかなり軽減されるでしょう。


■各種記録まとめ

●今季達成可能な記録

髙橋光成
1000投球回まであと185.1回

増田達至
200Sまであと25
星野智樹が持つ球団記録105ホールドまであと5

山川穂高
250本塁打まであと32

外崎修汰
100本塁打まであと18

源田壮亮
1000安打まであと173
200盗塁まであと45

中村剛也
2000試合まであと46
350二塁打まであと19
500本塁打まであと46
3500塁打まであと83
2000三振まであと10
石毛宏典が持つ球団記録1037得点まであと31

栗山巧
1000得点まであと79
400二塁打まであと5
3000塁打まであと101
1000四球まであと6

金子侑司
1000試合まであと64
250盗塁まであと29

球団記録
9500本塁打まであと1

●骨牙コンビの球団記録

●球団在籍年数ランキング

伊東勤22年(1982年~2003年)
栗山巧22年(2002年~)
中村剛也22年(2002年~)

西口文也21年(1995年~2015年)
東尾修20年(1969年~1988年)

■まとめ

開幕直前に展望を毎年書いていますが、今年は珍しくネガティブ要素が多めだったかもしれません。
貧打に泣いた昨季から主力選手が移籍。新外国人と蛭間こそ加わりましたが、既存戦力の底上げに期待する部分が大きく、「未知数」の3文字がピッタリ。
個人的には補強が出来るなら補強してほしいのですが、それが叶わない以上は既存戦力に期待するしかありません。

ただ開き直りかもしれませんが、ライオンズにとって戦力流出は毎年のこと。
若手選手の抜擢で対応してきた歴史があります(結果が出るかは別にして)。
秋にどんなチーム、どんな成績になっているかは全くの「未知数」ですが、辻発彦監督で成しえなかった日本一を目指し、今年も最後の最後まで応援し続けようと思います。

個人的な話ですが、松井監督は松坂大輔とともに子どもの頃に憧れていた大スター。華麗な守備、率を残せて長打も打てる打撃、鮮やかな盗塁。しかも金髪。小学生男子にとって憧れるなというのが無理な話です。
来場者に抽選でプレゼントされる松井稼頭央フィギュアが欲しくて、親に内緒でナイターを見に行って怒られたのもいい思い出です。
そんな選手がMLBとイーグルスを経てライオンズに帰ってきた時は本当に嬉しかった。
そんな選手がついに監督に就任。松井監督の胴上げを見るため、声を枯らして精一杯応援したいと思います。

狙い球 豪速球 打てば飛ぶ飛ぶ 銀河の果てに ミスターレオ稼頭央

松井監督。2/19南郷にて

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