『ゲゲゲの女房』と貧乏神

 現在、テレビでやっている『ゲゲゲの女房』の再放送を楽しく観ている。知らない人は少ないだろうが、タイトル通り、水木しげるとその妻の生活を描いたドラマとなっており、本当に面白い。しかし、今日の回では観終わった後に何だか淋しい気持ちになってしまった。水木しげるがブレイクして、これからは成功街道まっしぐらになって行くのである。
 それまで、水木しげるの家庭は貧乏で、その様子が我が家と重なる感じがして好きだった。だが、今日の放送では水木しげるがマンガの賞を獲り、心の中の貧乏神が去って行く形で終わった。そして、次回の予告では一気にプロダクションを設立する話まで出ている。こうなると、これから先も金に恵まれることはないだろう私としては、少し微妙な展開になってしまうのだ。
 勿論、これをサクセスストーリーとして観なければいけないことは充分に理解している。ただ、水木しげると自分とを照らし合わせて楽しんでいた立場としては、どんどん大きくなって行く過程に耐えられるかどうかが非常に怪しい。仕事がジャンジャン入ってスーパースターの階段を上る水木しげると現在・過去・未来とダメダメな私・・・・・・その圧倒的な差に気が滅入ってしまうのではないかと心配でならない。
 因みに、私の母は向井理の大ファンなので、段々と洗練されて行く水木しげるを楽しみにしているだろう。けれども、同じ家で暮らしていることを頭に入れると、金がない我が家族の現実との差に耐えられるだろうか。私は無理だ。どんなに頑張っても何も実らなかった自分と水木しげるとの差に閉口してしまうに違いない。貧乏神がいても楽く暮らしていればそれで良かったのに、急に金持ちになるとすれば、鬱の症状が悪化してしまうだろう。
 まあ、これからは成功者としての悩みも色々と出て行くので、それを面白く観られるかどうかも重要だ。でも、そのようなことで苦労した経験がない私としては、これから先の展開が我が家に対する罰ゲームのような気がするのだけれど、それはネガティブ過ぎる思考だろうか・・・・・・

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