ハローワークと障害者雇用の難しさ

 自分で働けるかどうか分からない状態ではあるが、ハローワークの求人は何となく欠かさずチェックしている。どんなに精神的に辛くても、やっぱり収入は有るに越したことはないし、就職活動をしていることで体調が良くなるのが理由である。正直、怪しい求人がウジャウジャしているのが難点なものの、他のサービスに頼れない何かが私の中に生じているのだ。
 そんな今日、障害者求人で良さそうなものを見付けて応募に行った。そしたら、隣の席で何やら揉めているのを耳にした。どうやら、クレーム主はハローワークに求人を出した側の健常者であり、雇った障害者が非常に問題のある人間らしく、それに対する問題をスタッフに報告しているらしい。
 話によると、その雇い主はハローワークを通じてとある障害者を採用したのだけれども、その人間がアルコール依存症でまともに働けず、解雇を通告したとのこと。しかし、その後にその人物がSNS上で会社の悪い噂を流し、それに対して「どういう人間を紹介しているんだ!」と施設のスタッフにクレームを入れているようなのである。平謝りに謝っているハローワークの職員を目にして、何とも言えないような感情になってしまった。正直、私は障害者を雇った側の言い分が自分勝手のように思ったのだった。
 例えば、街を歩いていると様々な障害者を目にする。平静を保っている人も少なくないが、中には「こいつ、どうやって生活しているんだろう?」と考え込んでしまうようなコクの強い方々を見ることも多い。そのようなことをきちんと踏まえれば、障害者求人に応募する中にもそのような面々が紛れていることは間違いなく、そこら辺を見抜けない採用した人間の方に問題があるようにも感じてしまうのだ。
 恐らく、今回のアル中の障害者も、きちんと相手を知ろうとすれば見抜けたはずである。そこら辺は隠すことは当たり前の話だが、挙動で何らかのクエスチョンマークが生じないのは採用担当者の責任でもある。それに、最終的にクビにしたのだから、された側の多少の報復は仕方がない。それを無視できないという時点で、その会社が器の小さいとも捉えられる。まあ、アルコール依存症の障害者個人に対して訴えを起こさず、紹介をしたハローワークにクレームを入れる点はまだ良心的ではあるものの、これだけでは終わらなそうなタチの悪さを思わせる要素も私は受け取った。
 やはり、障害者を雇うという時点である程度の配慮は必要であり、それが許容範囲外であったら不採用にすべきだろう。そういった点でも、軽いフリートークから探るのでも構わないので、面接官はしっかりと働ける人材を見抜く能力が求められる。障害者にも色々いることは明らかだから、軽いトラブルにも動じない姿勢は企業側にも持って頂きたいものである。

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