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梅雨空や 嘆く人あり 親ガチャと

紫陽花

 最近気になる言葉に「親ガチャ」、「上司ガチャ」がある。子供は親を選べない。社員は上司を選べない。自分が選んだわけでもない「親」次第で一生が決まってしまう。仕事のパーフォーマンスが上がらないのは、「上司」と反りが合わないから。

 お金を入れてハンドルを捻ると透明の卵形のプラスチック容器に入ったオモチャが出てくる、ガチャガチャ。どんなオモチャかは容器を開けるまで分からない。親も上司も開けてみるまで分からない。

 そのガチャガチャであるが、おとなの間でも流行っているようで、専用店舗が次々に登場している。大のおとなが、欲しいものがあれば買えば良いものを、欲しいものが出ないかもしれないガチャガチャにハマるとは。

 中身の分からないものの代表格は福袋である。開ける時のワクワク感がたまらないと人は言う。私は一度も福袋を買ったことがない。だが、子供の頃、オマケ欲しさにカバヤのキャラメルを買っていた。どんなオマケが入っている分かっていない点では福袋と一緒だ。ガチャガチャも、何が出てくるか分からないワクワク感があるから、子供からおとなまで惹きつけるのであろうか。

 ワクワクなら、毎年元旦に地元の氷川神社で引く、御神籤もその節がある。大吉が出れば、今年は良い年になりそうだと喜ぶ。凶が出ると、これ以上悪くはならないと自分自身に言い聞かせる。そんなことなら、御神籤を引かなくても良いだろうものを。それでも引くのは、吉凶を知りたいからじゃなく、ワクワク感を楽しみたいからではないか。

 「親ガチャ」、「上司ガチャ」には、ワクワク感が全く感じられない。そこにあるのは、運任せ、人任せ、諦め、無力感。
 ある大学教授は、著書「幸運学」の中で、運の良し悪しは、日頃の心掛け、変化への気づき、タイミングの見極め等で変わると言っている。1度切りの人生、運任せではなく、運を呼び込めるようワクワクしながら過ごしたいものだ。

(2024.06.09)

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