見出し画像

早口に ついて行けぬは 歳のせい

赤とんぼ

 かなり前からテレビの音が聴きにくなり、ボリュームは大きく設定したままだ。先日、パソコンをテレビに繋いで、AIに関するオンライン・セミナーを聴講したが、講師の声が良く聞き取れない。ボリュームをチックしたらいつも通りの大きさになっている。何故こんなに聴き取れないんだろう、耳が一段と悪くなったからか、それとも内容が難しすぎるためか。

 待て待て、講師が早口だったせいかもしれない。以前にも、テレビ番組を観ていて早口だと聞き辛いことがあったので、きっとそうだ。早口だと、何故聞き辛いのか。最近の若者は総じて早口であるが、彼ら同士はそれで問題なくコミュニケーションが取れている。早く喋られると聞き取れないのは老人にみられる傾向だとすると、三半規管の衰えだけでなく、脳の音を処理する能力の衰えも影響しているかもしれない。早くしゃべられると、脳が聞いた言葉の処理を終える前に次の言葉が飛び込んできて、混乱を起こす。

 世の流れに遅れまいとAIについて学ぼうと意気込んでみたが、思わぬ伏兵が現れて頓挫した。AIの可能性は限りがないそうだから、セミナー講師の話すスピードを、老人が聞き取り易いように調整してくれるAIを開発してくれれば良いのに。そんなことを思っている内に、若者の中にはテレビ番組を録画しておいて、後から早送りで観る者がいるのだから、老人はその逆をやれば良いのではないかと気付いた。そんな方法なら既に世の中にあるかも知れないと思い、調べてみた。

 知らぬは老人ばかりなり。いつも観ているYouTubeに再生速度を、標準を中心にして0.25倍速から2.0倍速まで0.25刻みで変えられる機能があることが分かった。早速、YouTubeにあったAIをテーマにした動画を0.75倍速で視聴してみた。若い出演者の早口が聞き取れるではないか。これからはこれで行こう。大概のテーマはYouTubeに動画が載っているし、視聴時間が1.25倍になっても、暇な老人はなんら困ることはないのだし。

(2023.10.13)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?