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戦争を 知らない僕らは 平和ボケ

ザルツブルグの湖

 この1週間あまりハマスがイスラエルを攻撃、イスラエルがそれに報復とのニュースがテレビで大きく取り上げられている。ついこの前までは、アゼルバイジャンとアルメニアのナゴルノ・カラバフを巡る攻防が大きく報道されていた。テレビに映し出される悲惨な姿に胸は痛むものの、禍が我が身に降り掛かることのない対岸の火事との感を拭い去れない。

 ♪戦争を知らずに♪育った僕らではあるが、これまでに対岸の火事では済まされない戦争としてベトナム戦争と第1次・第2次中東戦争を経験した。ベトナム戦争は僕らが大人になりたての頃に繰り広げられた。僕が会社に入って最初に配属された工場が米軍海兵隊の基地のある岩国市の隣の村にあったので、岩国のネオン街でベトナム帰りの米兵とよく出くわした。彼らの醸し出す殺気とささくれだった雰囲気から、戦争が身近で起きていることを感じ取っていた。岩国より遥かに大きな米軍基地を抱える沖縄では、その影響は岩国の比ではなく、基地反対運動が起こり、やがて本土復帰へと繋がっていった。

 中東戦争の方は、原油価格が急騰して僕らの生活も大きな影響を受けた。巷ではトイレットペーパーの買い占め騒ぎなんてものも起こったが、僕の勤めていた会社は石油を原料として使っていたので、一過性の騒ぎでは済まず、存亡の危機に陥った。今回のイスラエルを巡る争いが、第5次中東戦争に発展する恐れがあるとの報道も聞こえてくる。そうなったら、再び僕らの周りは、対岸の火事では済まされない事態に陥るであろう。

 1年半前に、ロシアのウクライナ侵攻で始まった戦争は、未だに先行きが見通せない。更に、スーダン、ソマリア、シリア、台湾海峡を挟んだ中国と台湾の対峙等々戦争の火種は、世界の多くの国や地域で燻っている。
 ♪戦争が終わって生まれた♪僕らは、このまま♪平和の歌をくちずさみながら♪終わりを迎えられるだろうか。

(2023.10.22)

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